全州の朝ごはんを考える~秋のグルメツアー下見報告その1。

 釜山での取材を終えて、そのまま全州(チョンジュ)に来ました。釜山の本格的な取材は5年ぶりでしたが、全州は6年ぶり。しかもその間、立ち寄ったことすらないという、ずいぶんなご無沙汰になってしまいました。

 冒頭の写真、豊南門から南部市場、韓屋村と夜の散策をしてみましたが、ちょうど夏休み最後の土日とあって、どこに行っても大混雑。全州はここ数年で観光地化が進み、南部市場は夜市場を始めたり、2階ゾーンを改装したり。韓屋村の中にも新しい飲食店やショップがずらりとできています。

 ずいぶん変わったなぁ、と衝撃を覚えつつ。最新情報へのアップデートを頑張っています。 

 今回の目的は秋恒例「第9回まんぷくツアー」の下見。

 振り返れば第1回第2回のまんぷくツアーが全羅北道でした。各地域をぐるりと1周して、また全羅北道に戻ってきまして、今回は全州のほか、群山、扶安、井邑、長水、南原、淳昌、任実などを巡る予定です。

 まず、全州における下見のミッションは朝食の選択。

 今回は全州に2泊しますので、最低でも2種類のアイデアが必要になります。ご馳走続きだと負担が大きくなるため、ホテルでの食事も選択肢のひとつに入りますが、いったんは全州ならではの郷土料理から検討ですね。

 定番となるのはコンナムルクッパプ(大豆モヤシのスープごはん/콩나물국밥)

 全州の特産品である大豆モヤシをふんだんに使い、イカ、昆布、大根などと煮込んでさっぱりとした味わいに仕上げます。

 南部市場内にある「現代屋(현대옥)」のスタイルが市場式。

 近隣にある「ウェンイコンナムルクッパプチプ(왱이콩나물국밥집)」も市場式。

 ぐつぐつ煮立てず、湯せんにかけた半熟卵を別途用意し、スープと混ぜてもわっと飲む、といったあたりが市場式の特徴になります。

 もうひとつはグツグツ煮立てるクリヌン式(끓이는식)。クリヌンというのが煮込むという意味です。1日に300杯売ったことから名前がついた「三百家(삼백집)」が代表格。

 とりあえずこの3軒が有名なので、このどれかがまずは最有力ということになりますか。南部市場内の「現代屋」ではなく近隣の本店として考えれば、いずれも24時間営業なので朝食にはたいへん便利です。

 あるいはちょっとヒネって同じ南部市場内でも、もうひとつの名物であるスンデクッパプ(腸詰めのスープごはん、순대국밥)という選択肢もあります。市場内で向かい合う「チョジョムネ南門ピスンデ(조점례남문피순대)」と「豊南ピスンデ(풍남피순대)」が有名。

 ただし、スンデは好みが分かれるので、ツアーの食事としては次点級でしょうか。スンデだけでなく豚の内臓がどっさりなので、好きな人にはたまらない。特に朝からでも焼酎という人にはぴったりの選択肢かもしれません。

「チョジョムネ南門ピスンデ」は24時間営業。「豊南ピスンデ」はネットで検索する限り、8時から開いているようです。

 個人的にいちばん推したいのは「ベテラン(베테랑)」のカルグクス(手打ちうどん、칼국수)

 冷麦をやや太くしたくらいの細麺が珍しく、溶き卵のとろとろとした口当たりの柔らかなスープが特徴。仕上げとして振りかけられた粉唐辛子とエゴマ粉がよく効いており、全体として香ばしい風味が立ち上ります。

 ひと口サイズのマンドゥ(餃子、만두)をセットにできるのもいいですね。

 問題はオープンの時間が9時ということ。ツアーの食事としてはやや遅めになるため、スケジュールとの兼ね合いで可能かどうかの検討が必要です。

 スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋/순두부찌개)という選択肢もあります。

 全州の隣町、完州(ワンジュ)はスンドゥブチゲが郷土料理として有名。大型店の「花心スンドゥブ(화심순두부)」は全州にも支店を出しています。営業時間は5時からと早いのと……。

 おからで作ったドーナツをデザートにできるのが大きな魅力。

 甘さ控えめ、サイズも控えめ、値段も3個1000ウォンと控えめにもかかわらず、揚げたてはたいへん香ばしく懐かしい気分に浸れる逸品です。

 あるいは甘味系で攻めるなら、1951年の地元老舗ベーカリー「PNB豊年製菓(풍년제과)」のチョコパイなんていう選択肢もあるかもしれませんね。市内に複数軒あって2階がイートインスペースになっているので、パンとコーヒーの朝食というのは、ツアーの中でいい変化球になります。

 どれを選ぶべきかたいへん悩ましいところですが、その悩むという作業がツアーを作るうえでいちばん楽しいところ。予算、時間帯、人数、前後の食事とのバランス、ご当地性などを考慮しつつ、真剣に悩んでみたいと思います。

 そんな朝食にそそられた方はツアーの詳細を要チェック!

 今回の下見は11月のツアーに向けたものですが、今年はひと足先に10月の大邱&マツタケツアーも募集中です。どちらも目一杯ご馳走を並べましたのでぜひご検討ください。

今が旬!八田靖史といく特別篇 絶品マツタケと、食べテグー(大邱)!3日間
http://www.sanshin-travel.com/tour/4107
八田靖史と行く・まんぷくツアー おいしい秋いただきます!食の都・全州(全羅北道)4日間
http://www.sanshin-travel.com/tour/4114

 そのほか下記にイベント、講座も目白押しです。

 

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