旅行ツアー「全羅北道まんぷく4日間」後記(前編)

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帰国報告をした後、長らく更新を止めてしまいました。
長期の出張に出ると、どうしてもその後に影響が出ますね。
溜まった仕事を片付けるのに右往左往するほか、
今回は年末のドタバタも重なっててんてこ舞いです。

来週には大阪出張もありますが、なんとか体勢を整えつつ、
ブログの更新にも、力を注いでいけたらと思っています。

まずは、この報告からきちんとせねばですね。

11月21日から24日までの3泊4日。
全羅北道の郷土料理に特化してスケジュールを組んだ、
「全羅北道まんぷく4日間」というツアーに同行しました。
料理や飲食店とともに、食事前の料理解説が僕の主な役割です。
主催をしたのは、前回もお世話になった三進トラベル。

三進トラベル
http://www.sanshin-travel.com/

韓国専門で独自のツアーを多数開発しており、
地方のマニアックな場所にも、どんどん連れていってくれます。
ちなみに前回の様子は下記にまとめてあります。

全羅北道を巡るビビンバツアー後記(前編)。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-819.html
全羅北道を巡るビビンバツアー後記(後編)。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-820.html

今回も同じく全羅北道を訪れておりますが、
前回と少し違って、海沿いを攻めるルートを取りました。
初日の目的地も、いきなり海産物の豊富な扶安です。
仁川空港で集合し、ダイレクトに南下していきました。

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初日の夕食に選んだのは、コウイカの石板焼き。

扶安名物であるコウイカ(カボジンオ)を丸ごと、
石板の上で、ジュウジュウと豪快に焼いていく料理です。

……というのが僕の説明でしたが、

実際にはちょっとイメージと異なり、
上の写真こそ石板ですが、みなさんの前には鉄板で登場。
以前は溶岩板のような野趣あふれる石板だったのですが、
店の人曰く、

「あー、あれは割れちゃったのよ!」

ということでした。

料理そのものに違いはないのですが、
見た目の豪快さという点では、ちょっと残念な予想外。
韓国では極めてよくあるマイナーチェンジですが、
食事前に解説をする立場としては大慌てです。

「次にみなさんが食べるのはこんな料理です!」

と盛り上げておきながら、実際には違うとなると、
なんだ違うじゃん、ってことになりますからね。

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こちらはイメージ通りに出てきたタマネギのキムチ。

海岸沿いで海風に吹かれながら育ったタマネギで、
これを使ったキムチは、扶安の隠れ名物になっています。

このタマネギをハサミで食べやすい大きさにカットし、
頃合いに焼けたコウイカと一緒に食べるのがこの店の流儀。
また、途中からエゴマを混ぜたごはんを放り込んで、
チャーハン状にして食べるのも醍醐味のひとつです。

これとともに地酒のポンジュ(桑の実酒)も飲みつつ、
仕上げにはオジュク(イカスミ粥)も登場しました。

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さて、翌朝。

扶安の朝食といえば間違いなくこれです。
地元の干潟でとれたアサリを、ふんだんに盛り込んだお粥。
韓国語ではパジラッチュク(アサリ粥)といいます。

表面にちらほらとアサリのむき身を浮かべましたが、
食べていくと、中からざくざく3~40個が登場します。
アサリの旨味が濃厚で、ボリュームもたっぷり。
扶安を訪れる場合は、ぜひとも食べて頂きたい一品です。

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その後、扶安の古刹である「来蘇寺」を観光。
百済の時代である633年に創建された歴史のあるお寺です。

ちなみに今回は朝、昼、晩の1日3食をきっちり守り、
それ以外の時間は、各地域の観光にも力を注ぎました。

前回は食事の合間にもオヤツと称して食事を組み込んだため、
夕食の時間になっても、おなかが空かないという反省点があったんですよね。
きちんと観光をして、消化を促進させ、空腹の状態で食事を満喫する。
書けば当たり前のことですが、大きな方針転換でした。

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まあ、多少のつまみ食いはありましたけどね。

扶安に行って、塩辛団地に行かないのももったいない話。
地元産の天日塩で漬けた、各種の塩辛を味見しながら、
サービスで出てきた、桑の実マッコリを昼から飲みました。

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その後、高敞に移動して世界遺産の支石墓群を見学。

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昼食は高敞名物のウナギ焼きです。

もともと高敞はウナギの産地として有名でしたが、
近年は天然物の減少で、干潟で育てた養殖ウナギが自慢です。
一般の養殖ウナギと違って、天然環境で稚魚を育てるため、
より天然に近いという意味で、天然「化」ウナギを名乗っています。

写真はそのウナギを鉄板で焼き、ハサミでカットしたところ。

本当なら調理の一部始終も見て頂きたかったんですけどね。
ガイドさんとお店スタッフの緻密な電話連絡により、
僕らが到着したら、すぐ食べられる状態になっていました。

スケジュールがおしていたことを考えるとファインプレーですが、
解説係としては、ちょっと残念だったのが本音というところ。
この店の、この料理を、こう楽しんで欲しい、という部分を、
正確に伝えるのが、いかに難しいかを今回も感じました。

余談ですが、この店では自家製の覆盆子酒も賞味。

お店の人が市販品を運んできかけたのを直前で止め、
自家製に差し替えてもらう、なんて裏幕もあったりしました。

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その後、全州へ移動してキムチとビビンバ作りを体験。

写真の安明子(アンミョンジャ)先生はキムチのスペシャリストで、
しばしば日本にも来て、キムチ作りの講座を開いておられます。

韓国にも料理研究家の先生は多いですが、

「ほかはともかくキムチはあたしに任せて!」

と専門分野を絞って活動する方は珍しいですね。

全州ではキムチに特化した飲食店を運営するとともに、
キムチ講座を開いたり、独自のキムチ開発にも力を注いでいるとか。
中でも果物を使ったキムチを得意としているそうです。

日本語が話せるというのも大きな武器だと思いますが、
それ以上にこの方、なんともキャラクターが素晴らしい。
この後、僕らはマッコリタウンに行く予定だったのですが、

「あたしも行く!」

と飛び入りで参加して頂き、
座をおおいに盛り上げて頂きました。

ちなみに先生の後ろでテレビカメラが狙っているのは、
日本からキムチを習いに来た、というのを地元局が押さえにきたもの。
我が国のキムチは日本人にも愛されている! という話題を、
ニュースで取り上げる、というような話でした。

実際に放映されたかどうかはわかりませんが、
もしごらんになった方がいらしたら、教えてください。

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キムチ体験と、ビビンバ体験の試食を軽めに抑え、
いよいよ全州名物のマッコリタウンへと突撃します。
写真はヤカンにどぼどぼと注がれていく2リットルのマッコリ。
これを頼むことで、料理が無料でついてくるシステムです。

ひとヤカンの値段は1万2~5000ウォンが相場。
これを追加することで、また料理が無料でついてきます。
飲んべえにとっては、なんとも幸せな街ですね。

みんなで飲み始めたところで、先の安明子先生が合流。

「マッコリタウンはこうやって楽しむのよ!」

という地元の方ならではの楽しみ方を伝授してくれました。
僕にとっても、楽しく勉強になった一夜でしたね。

といった感じで2日目は終了。
3、4日目の様子は次回にしたいと思います。

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