新大久保「黒豚」 ~豚足味のポッサムにそそられた人へさらに伝えたいこと

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 昨日、新大久保で飲んだくれながら撮ったこの写真。

「チョッパル(豚足)の味付けでまわりを炙ったポッサム(茹で豚の葉野菜包み)。洗ったムグンジ(熟成キムチ)で包んで食べると、とろとろの柔らかな豚肉と、さっぱりとした白菜、ふんわり香るシナモンの風味が絶品」

 というコメントとともにtwitterに流してみると、なんだかたくさんリツイートされてたくさんの人の食欲を刺激したようです。せっかくなのでポッサムだけでない、穴場的なこのお店の魅力をもう少しきちんとまとめてみたいと思います。

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 初めて行くなら、まずは看板メニューである黒豚のサムギョプサル(豚バラ肉の焼肉、삼겹살)を食べてください。真ん中に配置されているテンジャンチゲ(味噌チゲ、된장찌개)と一緒に味わいます。

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 リピーターになったら迷わずコッチ。

 甘辛こってりとしたタレに絡めて焼く、マクチャングイ(豚の直腸焼き、막장구이)は焼酎のつまみにぴったりです。丁寧な下ごしらえで臭みはまったくなく、表面がカリッ、中がクニクニっとした特有の食感を楽しめます。

 この2品だけでも充分におすすめできる店ですが……。

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 さらなる特徴が済州島料理。

 お店のママさんは済州島のモスルポという港町のご出身で、地元から運んできたオクトムグイ(アマダイ焼き、옥돔구이)や、チョンボッチュク(アワビ粥、전복죽)もメニューに載せています。

 この日もアワビ粥目当てのお客様がいらしていましたね。

 ただし、済州島メニューはすぐに仕入れができるものではないので、常にあるとは限らないようです。どうしてもの方は事前にあるかどうか確認しておくことをおすすめします。

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 そして、こちらも昨日ツイートした済州島式のスンデ(腸詰め、순대)。

 古くから家ごとに豚を飼っていた済州島では、祝い事のたびに豚を1頭ずつつぶし、近所の人と分け合う習慣がありました。そのため済州島には本土とは異なる豚肉料理がたくさん。

・トムベゴギ(済州島式の茹で豚、돔베고기)
・アガンバル(済州島式の豚足、아강발)
・モムクッ(豚肉とホンダワラのスープ、몸국)
・コサリユッケジャン(豚肉とワラビのスープ、고사리육개장)
・コギグクス(豚スープ麺、고기국수)

 といったあたりが代表的なところでしょうか。

 加えてスンデもたくさん食べますが、本土よりも素朴な具で豚の鮮血をたっぷり入れて作るのが本来の済州島式とか。いまは豊かになってもち米なども使いますが、血の気の濃いコクの深さこそが済州島式スンデの持ち味と理解しております。

 済州島方言ではスエ(수애)とも言いますね。

 ただ、このスンデは特別に取り寄せたものだそうで、お店のレギュラーメニューではありません。たまたまあったという程度なので、ご期待なさらず。ただ、とても美味しかったので、ぜひレギュラーに加えていただくようお願いはしておきました。

 なお、この日はちょうどご一緒していた方も済州島出身。

「祭祀のときの肉って串に刺してありました?」
「ええ、もちろん。串に刺していっぱい重ねてね」
「その串に刺した肉をチョッカルって言いますか?」
「そうそう、チョッカルって言いますね」

 という会話もあったのですが、その反応に思わずニヤリ。

 今月末の大阪ツアーに向けて、しっかりとした裏付けができました。もうひとり済州島以外の地域ご出身の韓国人もいらしたのですが……。

「祭祀料理に串? チョッカル?」

 とまったく訳がわからないという表情をされていたのも印象的でした。

 韓国でも済州島だけの特別な食文化。それが大阪の地に色濃く残っているという事実。それを探りに行く旅が、ますますもって楽しみになりました。

 まだ募集中ですよ。済州島料理に関心を持った方もぜひ。

店名:黒豚
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-20-14内田ビル2階
電話:03-5273-0205
https://www.facebook.com/kimkurobuta

 

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