第3回「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」 ~ミステリーツアーの行先を発表

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 ※注意:第3回「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」に参加される方にはネタバレの内容を含みます。

 韓国の南東部、東海岸に面した蔚山(ウルサン)は韓国有数の工業都市です。

 現代重工業、現代自動車、SKイノベーション、S-Oilといった韓国有数の大企業が本社や工場を置き、重工業と石油化学の町として1960年代より韓国経済の礎を担ってきました。韓国人が思う蔚山のイメージとしては、まずいちばんに上がるのが重工業の町という姿でしょう。

 文化的には日本と同じく、古くからの捕鯨文化を守る町という側面もあります。市内の長生浦(チャンセンポ)地区は、韓国で唯一のクジラ文化特区に指定されています。

 また内陸に行くと嶺南(ヨンナム)アルプスという景色の美しい山岳地域があったり、日本統治時代から牛市場があって栄えた彦陽(オニャン)地区にはプルコギ(牛焼肉、불고기)団地があったり。観光地としても見どころが多いのは意外に知られていないかもしれません。

 冒頭の写真は蔚山の市中心部にある太和楼(テファル)。

 かつて新羅時代にあった太和寺(テファサ)という寺院の一角、川べりに立っていた楼閣を2014年に復元したものです。

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 こちらがその太和楼からの眺め。

 蔚山市を東西に貫くこの川も、太和寺にちなんで太和江(テファガン)と呼ばれます。ちなみにその太和(テファ)とはもともと新羅における最後の年号(647~650年、以降は唐と共通の年号を用いた)であり、その意味としては「大きく和する」ということ。地元の歴史家によれば、かつて日本の国号であった大和も語源は同じとの説明でした。

 知ってみると蔚山という町は日本とも関係が深く、江戸時代には塩浦(ヨムポ)という地域に倭館が置かれていたとのこと。

 あるいはこの太和楼のある場所は、文禄・慶長の役で加藤清正軍が駐屯し、明・朝鮮連合軍と対峙したところでもあるそうで。そのへんの歴史は市内にある西生浦倭城を訪ねてみるとより深く知ることができます……という話は第2回「ハリアナコリア」のときに栗原景さんが熱く語っていましたね。

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 川沿いにはこんな立派な竹林が整備されており、竹林浴を楽しんだり、川沿いをウォーキングしたりと市民憩いの場になっています。

 僕も今回、行くまでまったく知らなかったのですが、蔚山は「重工業の町=公害がひどい町」という負の遺産を払拭すべく、2000年代に入って環境対策をかなり重点的にやったんですね。先の太和江なんかはその最たるもので、かつては6等級以下(農業用水にも使用不可)だった水質が、2007年以降はもっともよい1等級へと改善しています。

 そのため、蔚山市ではいま「生態系観光」を目玉コンテンツにしているぐらい。

 太和江におけるサケの放流イベントや、シラサギのバードウォッチング、また先日の記事で紹介したカラスの群舞などが象徴的な事例と言えます。

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 そして今回、美味しいものも山ほど見つけてきました。

 昨日の記事で紹介したプレミアム岩ワカメや、亭子港(チョンジャハン)で水揚げされるカレイ入りのミヨックッ(ワカメスープ、미역국)はその一端。高級食材からB級グルメまで、山も海もある蔚山ではいろいろ楽しめるというのがよくわかりました。

 以上の理由から、第3回「ぐるぐるグルメ感謝ツアー」は蔚山に行きます。

 三進トラベルの募集ページでは詳細な旅行日程も発表されました。お申込みいただいた皆様にはそろそろ旅のしおりが届くかと思います。今年のツアーも張り切っていきますよ。乞うご期待。そしてたぶんまだギリギリでも申し込めます。

 

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