赤坂「張家」で一族に伝わる咸鏡道料理と希少食材を味わう。

14033101

思えば今回の企画はこの料理から始まりました。

一見、ありふれた鶏肉とナスの煮込み料理ですが、
ここには一族で代々受け継いできたドラマがあります。
赤坂「張家」の要予約料理タッカジチム(닭가지찜)。

この料理を食べて、その背景を聞き、自分なりにも調べて、
その壮大な話に思わず目頭を熱くしたのが昨年3月。

そのへんの話は過去記事をご覧いただくとして……。

赤坂「張家」で張家の伝統家庭料理と郷土料理。
https://www.kansyoku-life.com/2013/05/1527.html

この料理をメインに朝日カルチャーセンターの講座を行いました。
タイトルはこんな感じ。

「張家に伝わる韓国伝統家庭料理と郷土の食文化」

これまで新大久保や三河島でも行った韓国料理を味わう講座。
タイトルは家庭料理と郷土料理ということで幅広く取りましたが、
意図したのは朝鮮半島北部の食文化を垣間見られたらなと。

タッカジチムは現在北朝鮮に属する咸鏡道の郷土料理です。

オーナーである張東旭さんのおじいさん、おばあさんが、
咸鏡北道のご出身で、よくこの料理を作っていたのだとか。
それをご両親が受け継ぎ、お母さまの指導を受けて店で提供。
三代続いた料理を日本で楽しめるというのは貴重です。

会の冒頭では、地図を見ながら咸鏡道の位置を確認し、
簡単ではありますが、地域の特産品などの話もしました。

14033102

食前酒として出たのはヤマナシの果実酒。

山梨県産という訳ではなく、ヤマナシという梨があります。
山梨県でなく長野県でとれたヤマナシの実を漬け込だもの。
イメージしたのは平安道地方の地酒ムンベスル(문배술)です。

ムンベというのが朝鮮半島に自生するヤマナシのことで、
これに似た香りがすることからムンベスルと名付けられました。
スル(술)は韓国語で酒。すなわちヤマナシ酒。
ただ実際にヤマナシは入らず、粟やキビなどの雑穀で作る蒸留酒です。

なので実際のムンベスルとは違って本物を漬けてあるのですが、
北の雰囲気を味わうということで特別に出していただきました。
料理長さんが個人的に漬けたもので私物なんですけどね。

ご厚意に大感謝。さらには後日我が家にも送っていただき、
ありがたく夜な夜な晩酌酒として楽しんでいたりもします。

14033103

そんな感じで料理のほうも朝鮮半島の北部を意識しながら、
「張家」の料理と、旬の料理を組み合わせていただきました。

左からホウレンソウ、大豆モヤシ、菜の花のナムル。

14033104

カムジャジョリム(ジャガイモの煮物、감자조림)。

ジャガイモやサツマイモ、雑穀なども咸鏡道の特産品とか。
これらのでんぷんで作った麺は咸興冷麺(함흥냉면)として有名ですね。
咸鏡南道の道庁所在地が咸興では港町ということもあって、
カレイやスケトウダラの刺身を冷麺に載せたりもします。

14033105

少し和のテイストを加えたというこちらの一品は、
おろした山芋を寒天で寄せ、サクラエビとネギを加えたもの。
上に載っている赤いものがコチュジャンクルビ(고추장굴비)といって、
イシモチの干物をコチュジャンに漬け込んだものです。

和韓折衷といった風合いの料理で、山芋が北部を象徴。

14033106

芋がら、ニンジン、コンニャクの炊き合わせが出て、
ここまでが「北部地方のおかず」というコンセプトでした。

14033108

チャプチェ(春雨炒め、잡채)にコウタケ(香茸)を添えて。

てっぺんに見えるこの黒いキノコがいかに貴重であるかは、
これまた前回の記事を参照していただくことにしましょうか。

赤坂「張家」で超高級キノコ&全羅道料理尽くし。
https://www.kansyoku-life.com/2013/12/1662.html

14033107

北部ではアヒル、鴨料理もよく食べるということで合鴨焼き。
この合鴨は食感も柔らかく、味も濃くて美味しかったですね。

そしてまた、後ろがちょっとボケて見えにくいですが、
大根と干し柿を甘酢に漬けたもので、これがまた合鴨と合いました。
合鴨と酢漬けにした大根は定番の組み合わせですが、
そこにひと手間加わったことで印象がぐっと強まりました。

さらに「張家」名物のポッサム(茹で豚、보쌈)も出ましたが、
たいへん申し訳ないことにこちらは写真が撮れておりません。

講座中は説明などにドタバタして写真が撮れなかったので、
これらの写真は終了後にもう1度撮らせてもらったものなのです。
まかないにもぐり込んで、ひとりだけ2度食べたということですね。

確認をしたところ、

・キムチ盛り合わせ
・ノクトゥジョン(緑豆のチヂミ、녹두전)
・張家グクス(張家風そうめん、장가국수)

の3品が撮れていませんでした。
ノクトゥジョンも黄海道を中心とした北部の郷土料理。
張家グクスは海鮮や野菜でダシをとった冷たい麺料理です。
この麺はオーナーのお父様が料理指導を行ったとか。

14033109

最後は汁物とごはん。
干した大根の葉を味噌仕立てにした、

・シレギクッ(菜っ葉のスープ、시래기국)

です。
煮干しダシと菜っ葉の素朴な味にホッとします。

14033110

昼食にしてはけっこうな品数でしたがデザートまで。
金柑の蜜煮、青梅、バニラアイスの3種盛りです。

毎度「張家」のイベントは気持ちの入った大盤振る舞い。

そして、イベントごとに特別な料理を作っていただき、
感謝とともに、その応用力に頭が下がる思いです。
残念ながらこれらの料理、ほぼレギュラーメニューにはないのですが、
普段出ている料理も他店にはない特別なものが多くあります。

要予約のタッカジチムはぜひ食べていただきたいですし、
野菜のごろごろした煮物系の料理もオススメです。
赤坂近辺に用事の際はぜひ足を運んでみてください。

店名:張家(チャンガ)
住所:東京都港区赤坂3-13-6国際天野ビル3階
電話:03-6441-2080
http://jangga.jp/

この記事のタグ:



Comments are closed.

 

 
 
previous next