天満(大阪)「ほうば」で旬の味覚と衝撃のアワビ粥ほか。

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まず出てきたのがコチラの15皿。

韓国料理でいうパンチャン(無料の小皿料理)ではなく、
前菜としてのナムル15種と考えたようがよさそうです。

すなわち、これらをテーブルに並べながらメインの料理を待ち、
箸休めとして手を伸ばす、というものではありませんでした。
前菜としてひと通り楽しんだ後、次の料理が出てきます。

なお、15種のラインナップは以下の通り。

前列右から:クレソン、ナス、韓国カボチャ、ニンジン、豆苗
中列右から:ジャガイモ、カタクリ、金針菜、ワサビ、マコモダケ
後列右から:ホウレンソウ、大豆モヤシ、加賀太キュウリ、ミョウガ、ミツバ

お店の人の解説を必死に覚え、みんなで確認し合った後、
忘れないように携帯でメモをしたので、たぶん正確です。

このラインナップだけでも店の本気度が伝わってきますが、
実際に食べると、もうこの時点で幸せのため息が出ます。

全体に薄味なので、素材のよさがわかるんですよね。
これだけあると、ついつい珍しい素材に気を取られがちですが、
ホウレンソウの味が濃かったり、ニンジンの甘さに驚いたり。
ふと気付くとミョウガはうっすらと酸味が効いていたり。

「これひとつずつ作るの大変だろうなぁ」

なんて話をしながら、一同で感心しました。
一同といってもこの日の参加者は3人ですけどね。
大阪のグルメなヌナおふたりにご一緒頂きました。

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続いて出てきたのはチヂミが2種。

手前がタケノコと木の芽で、奥がホタテとネギです。
チヂミは韓国料理の中でも季節感を表現しやすい料理ですが、
そこにセンスを感じさせるのは、やっぱり腕ですよねぇ。

タケノコに木の芽を加えて、和のテイストを演出しながら、
それでもタレにつけることで、最終的には韓国風に戻ります。
ホタテの甘味に、ネギの甘味という調和もいい感じでした。

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衝撃を受けたアワビ粥。

さんざん済州島に行って、アワビ料理を食べ散らかして、
偉そうにアワビを語っておりましたが、これを食べてしまうと……。

「世界でいちばんうまいアワビ粥は大阪にあった!」

と思わざるをえません。
アワビ粥でありつつ、むしろリゾットに近い感じなのですが、
それはお店のシェフがイタリアン出身だからでしょうね。

肝と一緒に炒めたごはん部分もコクがあって美味しいですが、
別にソテーしたとおぼしきアワビがもう素晴らしいのなんの。

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といったあたりで普通の韓国料理店でないのはわかると思いますが、
韓国料理を掲げつつも、いろいろな国のテイストが混ざっています。
どこまでが韓国料理かを面白悩むというスタイルは大好物ですね。

上の写真はハマグリとタケノコのスープ。

韓国料理で考えるならテハプタン(ハマグリのスープ)ですが、
そこにタケノコを入れたことで、ぐっと甘味が増しました。

んー、春らしさも全開ですよねぇ。

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表面を焦がした牛肉はイチボの部分を使用。
その上にチヂミのタレで味付けをした焼きナスが載り、
ワイルドルッコラを覆いかぶせた一品です。

このへんでもう僕らは、どのあたりが韓国料理なのかを見失い、
お店の人に教えてもらいつつ、感心とともに酒がますます進む状態。

ビールから、上澄みを別途楽しませてくれるマッコリを経て、
白ワイン組と、日本酒(黒龍)組へと分かれました。

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フカヒレのスープにホワイトアスパラとゼンマイ。

実はこの日、昼間に別のところでホワイトアスパラのパスタを食べ、
どうしたことか消し飛んだ風味に、ガクッと膝を折ったばかりでした。
ここでそのリベンジができたのは嬉しかったですねぇ。

ホワイトアスパラの爽やかな風味と、サクサク食感のゼンマイ。
それらを楽しみながら、フカヒレをずぞっ! といく幸せといったら。

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メイン料理はカルビチム(牛カルビの蒸し煮)。

色合いが赤いので、大邱あたりの刺激的な味付けかと思いきや、
センソンジョリム(魚の煮付け)に似た甘味のある辛さでした。
写真ではちょっと見にくいですが、ナスと大根も盛り付けてあり、
これらが煮汁の旨味を吸って、抜群の味わいになっています。

牛カルビもとろっとろで……。

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たまらなくごはんに合うんですよねぇ。

そんなごはんを手前に置きつつ、1名が箸で牛カルビをとらえ、
残るもう1名がスプーンで煮汁をすくっている。

そんな臨場感のあるひとコマを激写できたのは、
何より料理の魅力を伝えられたのではと、自画自賛しています。
もうみんな没頭という感じで料理を満喫しておりました。

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箸休めはチンゲンサイのキムチと白菜キムチ。

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デザートは草餅風のインジョルミ(キナコ餅)。

これだけ食べて、お酒も3人で思う存分に飲んで、
ひとり1万2000円という支払いは、決して高くなかったと思います。

こういういい店が大阪にあるというのはうらやましいですねぇ。
もう本気で移住しようかと思うほど、楽しませて頂きました。

ただ、仮に移住したとて、頻繁に足を運ぶのは難しい様子。

なにしろ人気店なので、数ヶ月先まで予約がぎっしりだそうです。
僕らの予約も2月上旬に連絡したのに、21時からでようやくなんとか。
ディナー営業のみで、全18席という規模もあるのでしょうが、
それ以上に、

「日本の韓国料理店として初めてミシュランで星を獲得!」

という栄誉も大きいように思います。
現在までミシュランで星を獲得した韓国料理店は……。

・DANJI(1つ星、ニューヨーク)
・ほうば(1つ星、大阪)
・モランボン神宮前(2つ星、東京)
・松の実(1つ星、東京)
・宮廷焼肉千の花(1つ星、東京) ※閉店

世界でもこの5軒のみ。
このうち「宮廷焼肉千の花」はもう閉店してしまったので、
現状、足を運べるのは4店舗だけということになります。

あと一応書いておくと、韓国にはまだ1軒もありません。

そもそもミシュランの韓国版自体がないですからね。
フランスでグリーンガイド(旅行ガイド)は出版されましたが、
レストランとホテルを紹介するレッドガイドは出ていません。
「韓食の世界化」を掲げる韓国にとってはひとつの悲願です。

まあ、ミシュラン掲載店というのを喜ぶまでもなく、
素晴らしい体験をさせて頂き、また学ぶことが多かったです。
興奮しつつも、仕事柄いろいろなことを考えさせられましたが、
できることなら頭をからっぽにしてもう1度行きたいですね。

この食材はなんだとか、韓国的な要素はどこだとか、
そういうのを一切抜きに、

「うまいっ!」

と身も心もとろけながら楽しみたいお店。
また大阪出張の機会があれば、早めの予約を入れたいと思います。

店名:ほうば
住所:大阪府大阪市北区天神橋5-3-10
電話:06-6353-0180
営業:17:00~23:00
定休:木曜日



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