出張報告(10)大邱の謎中華と水原カルビに舌鼓。

13033001.jpg

浦項の竹島市場でソモリコムタンの朝食。
牛の頭を煮込んだスープで、これもここの名物だそうです。
浦項のというよりも、市場の名物という感じですけどね。
市場脇の通りに専門店がずらりと並んでおりました。

食べ終わったら、市外バスに乗って大邱へと移動。

その後、水原で用事があったので時間はなかったのですが、
これだけはぜひ大邱で食べておきたいと思ったのが……。

13033002.jpg

行列のできるチャンポン(激辛の海鮮麺)。

ただ、タクシーを飛ばして行ってみると11時40分の段階で、
店の人曰く、1時間半待ちという尋常ではない大行列。

諦めて別の機会にリベンジすることとしました。

13033003.jpg

かわりに行ったのが、8日目に餃子を食べた店。

そのときに発見していた謎メニューのひとつが、
こちらの「カキウドン」4000ウォンでした。

一般的に韓国の中華料理店で「ウドン」といえば、
タンメンを思わせる白いスープの海鮮麺を指すのが普通。
そこに「カキ」という単語がついていることから、

「これは日本語の牡蠣がそのまま残ったんだな!」

と推測。
いれゆるクルチャンポン(牡蠣入りのチャンポン)の亜種、
ウドンバージョンだと思って頼んだら……。

13033004.jpg

出てきたのがコレ。

どう見ても全国的によくある日本風のウドンでした。
大邱在住の友人によれば

「日本語のかけうどんがなまってカキウドン」

ということのようですね。
日本語が残ってという部分までは当たっていましたが、
まさか「かけうどん」とは想像できませんでした。

しかも「かけ」なのに具がいっぱい載ってるし。

大邱でこうしたウドンをカキウドンと呼ぶのはごく普通で、
むしろその友人は、不思議がる僕のことを不思議がっていました。
でも、日本風のウドンをカキウドンと呼ぶのはまだいいとして、

「それがなぜ中華料理店にあるんだ!」

という謎もいつか解明したいと思います。

13033005.jpg

続いて、謎メニューその2。

・ケランパン、4000ウォン
・ホットク、4000ウォン

この部分を見た瞬間、頭上で「?」が舞い踊りました。

ケランパンといえば、中に卵を入れた今川焼き。
ホットクのほうは、中に黒砂糖の蜜を入れたお焼き。
いずれも全国的にどこでも見られる屋台オヤツです。

しかるに。

「それがなぜ中華料理店にあるんだ!」

という疑問と、なぜ4000ウォンもするんだという疑問。
さらにホットクのほうは、まだ中国由来のオヤツなのでいいですが、
ケランパンはどう考えても、日本から伝わった料理のひとつ。

そんな困惑を解決するために頼んでみると……。

13033006.jpg

出てきたのがコレ。

13033007.jpg

そして、中はこんな感じ。

けっこう固めのボソッとした食感のパンに、
ざらっとした三温糖が入っているといえば伝わるでしょうか。
なんとも素朴なパンですが、不思議と後をひく美味しさ。

噛み締めるごとにそっけない味が妙に懐かしく、
砂糖のシンプルな甘さが、心の奥底に響いてきます。

ただ、そんな中にも疑問として浮き上がるのが、
ケランパン(卵パン)の卵はどこにいったののかという点。
おそらく生地に練り込まれているのではないかと思いますが、
予想外に「卵型のパン」とかだったらどうしようかとも。

ランチタイムの忙しい時間だったので確認できませんでしたが、
いつの日か、その謎も併せて解いてきたいと思います。

また、本来は謎メニューその3として、

・テンプラ、20000ウォン

というのもあったのですが、これは店の人に教えてもらって解決。
タンスユク(酢豚)のあんがかかっていないもの、という話なので、
衣をつけて揚げただけの豚肉をテンプラと呼ぶようですね。

いやはや、本当に謎の多いメニューでした。
大邱の中華料理事情はいずれ腰を据えて追いかけたいですね。

13033008.jpg

その後、KTXに乗って水原に移動。

お世話になっている料理研究家の先生に会うためですが、
ちょうど市庁で味噌造りの講義中とのことでそこに伺いました。

「市庁で味噌!?」

と聞いたときは思ったのですが、どうやら市民講座の一貫として、
テンジャン(味噌)の造り方を教える、という内容だった模様です。

市庁舎の屋上を開放して、味噌の甕を並べるってすごいですよね。

しっかり熟成したら、受講生の方は割安の値段で購入も可能。
残ったぶんは、老人ホームなどに差し入れる予定とのことです。

13033009.jpg

見学後は名物の水原カルビをご馳走になりました。

料理研究家の先生だけでなく、僕を浦項に呼んだ兄さんも合流。
韓国を代表する食賢人による超ハイレベルな味噌談義は、
韓国語の実力を除いても、ひたすら黙るしかないものでした。

いやあ、勉強しなきゃいけないことたくさんありますね。

13033010.jpg

最後は兄さんと水原駅前の路地裏でコプチャングイ(ホルモン焼き)。

焼酎をぐいぐい飲みながら、韓国料理の未来を語り合いました。
兄さんからの、

「八田は今後これをしっかりやれ!」

というアドバイスが身に染みた夜。
韓国出張も終盤にきて、よい頭の整理にもなった気がします。

今日を入れて残りあと2日。

しっかり気を引き締めて食べ歩きたいと思います。

<お知らせ>
日本で進化する韓国料理~食の韓流10年を振り返る~
http://www.rihga.co.jp/osaka/culture/single/detail/korean.html

<新刊情報>
韓国料理には、ご用心!
http://www.amazon.co.jp/dp/4883205800/
http://books.rakuten.co.jp/rb/12257440/

<紹介記事>
スポーツソウルジャパン
http://www.sportsseoul.jp/article/read.php?sa_idx=4447



2 Responses to 出張報告(10)大邱の謎中華と水原カルビに舌鼓。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

 

 
 
previous next