2010年のマッコリ業界を振り返って。

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本当は年末にやろうと思っていた企画なのですが、
バタバタしていたので、結局新年に持ち越しとなりました。
2010年のマッコリ業界を振り返るというのが趣旨ですが、
昨年6月にメルマガで書いた予想を下地にしてみます。

元記事はこちら。

コリアうめーや!!第223号
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=658632

この号で、僕はマッコリの近未来を10項目立てて予想。
年内に達成されると思われる自信度をパーセンテージで示し、
年末にどれだけ当たったかを確認しようと思っていました。

以下はその答え合わせということです。

1、国内大手飲料メーカーの参入
(年内に実現する可能性は70%)

すでに韓国内ではメーカー名まで報道が出ている。
大手ビールメーカーの参入が噂されており、
韓国企業との提携で大規模な戦略が描けそうだ。

手元に入った情報では2社が先行しているが、
安全と安定の面で多少準備が難航しているらしい。
実現すれば先行する二東ジャパン、眞露ジャパンと、
真正面からぶつかってのシェア争い必至。

既存メーカーは外食産業に太いパイプがあるので、
マッコリのすそ野がさらに拡大すると期待される。

これの答えとなるのが冒頭の写真。
昨年の12月13日にカルピスから発売された、
「カルピスとマッコリのお酒」です。

誰もが知る大手メーカーの参入ということで、
カクテルではありますが、年内の実現としてよいでしょう。

ただ、6月に書いた段階では、すでに韓国で報道が出ていた、
「大手ビールメーカー=サントリー」を想定していたんですけどね。
こちらは首都圏でのテスト販売が11月に始まっており、
本格的な販売が、もうそろそろという状況のようです。

サーチナ/韓国産マッコリが日本進出、「年間500万本以上の販売目標」
http://news.livedoor.com/article/detail/5134969/
SJC/ロッテ酒類、「ソウルマッコリ」を日本で販売
http://www.sjchp.co.kr/koreanews/koreatis_view.htm?num=14513

形としては、韓国でマッコリシェア1位のソウル濁酒が、
ロッテ酒類と提携し、サントリーの販売網を生かすという形。
いま日本で流通している「鏡月」と同じシステムです。

昨年の春から眞露が開拓してきたマッコリ市場に、
満を持して、ロッテ&サントリーが乗り込んで行く図式。
そこに二東を筆頭とする旧来のマッコリ会社が、
どのようにシェアを維持、拡大していくかも注目です。

2、マッコリのコンビニ販売拡大
(年内に実現する可能性は30%)

すでに一部コンビニでの販売は始まった。
大手スーパーでも、複数銘柄を揃える店や、
独自に商品を引っ張るところも出てきている。
コンビニにも大きな可能性があるだろう。

期待したいのは、おつまみとのコラボ企画など。
いまのところ、いちばん熱心なのがセブンイレブンなので、
オリジナルマッコリもぜひ実現して欲しいところ。

こちらはちょっと判断に悩むところ。
コンビニでも普通にマッコリが買えるようになりましたが、
個人的にはまだまだ思ったほどではないようです。
もちろんコンビニオリジナルのマッコリもまだ見ません。

ただ、「カルピスとマッコリのお酒」は、
コンビニでもよく見るので、それを考えれば実現といえるかも。
さらなる拡大の要素は充分あるので注視したいと思います。

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3、韓流コラボマッコリの登場
(年内に実現する可能性は70%)

すでに「冬のソナタマッコリ」が発売待ち。
正式発売はまだ先のようだが、サンプルが出回っていた。
このジャンルは「高矢禮マッコリ」が先陣を切っているが、
ほかにも韓流スターがらみの銘柄は増えそう。

マッコリ醸造場を経営している中堅俳優もおり、
ブームに乗ったサイドビジネスとして注目されている。
ドラマや映画とコラボしたマッコリも面白そうだし。
あるいはマッコリをテーマにしたドラマも可能性はあるかも。

これは実現といってよいでしょう。
冬のソナタに続き、善徳女王までマッコリになりました。
『家門の栄光』に出演したチョン・ノミンさんが、
オーナーというマッコリも輸入されています。

※2011年1月19日追記
マッコリをテーマにしたドラマは2010年3月より放送の、
「シンデレラのお姉さん」(KBS)がありました。
メルマガ配信前の時点で、すでにあったということになります。
該当の一文は削除とさせてください。申し訳ありません。

4、独自性の高いマッコリの増加
(年内に実現する可能性は80%)

マッコリを飲み比べるスタイルの定着によって、
飲食店、小売店では銘柄の選択が重要になっている。
他店では飲めない独自性の高いマッコリは、
その店を訪れる、大きな理由のひとつになる。

すでに複数の飲食店で独占輸入を実施しており、
大規模店では酒造会社との共同開発も行っている。
その典型が「TORAJIマッコリ」や「牛角マッコリ」。
こういった流れはどんどん拡大していきそうだ。

この項目はずいぶんモヤッとした予想ですね。
独自性の高いマッコリは、どこでもアピールしていますが、
それを象徴する何か、というのを思いつきません。

傾向としては確かに増加しているのでしょうが、
実現したか、というとこれも今後に期待でしょうかね。

5、プレミアムマッコリの登場
(年内に実現する可能性は40%)

韓国ではマッコリの高級化に力を注いでいる。
世界に発信する固有の文化コンテンツとして、
高級マッコリの存在は不可欠と考えているようだ。

すでに有機コシヒカリを使ったマッコリや、
高麗時代の伝統酒を復元した「梨花酒」が流通。
今後、日本に入ってくる可能性はおおいにあるし、
国産マッコリのプレミアム化も考えられる。

こちらもちょっと微妙な感じ。
まだまだマッコリそのものの普及段階にあるので、
プレミアム化はもう少し先になりそうです。

6、缶入りマッコリの流通拡大
(年内に実現する可能性は30%)
7、缶入りカクテルマッコリの発売
(年内に実現する可能性は10%)

国内での販売が活気づいていくとしたら、
流通に便利な缶マッコリもメリットが見直されるはず。
すでにソウル濁酒や麹醇堂から販売されているが、
スーパー、コンビニでの販売が伸びれば需要が出てくる。

そして缶マッコリならカクテル系も合いそう。
チューハイ感覚で家呑みできるマッコリは人気が出ると思う。
ビールメーカーが参入するなら、ビールと混ぜた、
通称「もっこり」の缶生産にも期待がかかる。

これは実現度を低く見積もった割には実現しました。
というか、「カルピスとマッコリのお酒」が登場したことで、
僕の予想がずいぶん実現してしまったことになります。
マッコリ業界としては、大きな1歩でしたね。

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8、国内の地域おこしとの融合
(年内に実現する可能性は10%)

国内生産が伸びていくことを考えると、
マッコリを地域おこしに活用することも考えられる。
青森リンゴマッコリや、鳥取二十世紀梨マッコリなど。
地元産フルーツとの融合はかなりいけそうだ。

地元の日本酒メーカーとコラボができれば、
地場企業の振興にもつながるので一挙両得。
キムチで地域おこしをするエリアの第2弾としても。

これは北海道でハスカップマッコリが実現しました。
地元のイメージキャラクターとも手を結んで、
北海道発のマッコリをアピールしていくそうです。

あと、こちらも北海道ですね。

アサヒコム/道産小麦でマッコリ 「地産地活」へ天使大教授ら試作
http://mytown.asahi.com/areanews/hokkaido/HOK201012160005.html

北海道とマッコリの関係が深まっているようなので、
北の大地からの発信には、今後も注目したいと思います。
ぜひ他の地域もそれに続いて欲しいですね。

9、マッコリが流行語大賞にノミネート
(年内に実現する可能性は20%)

ここまでいろいろ盛り上がったらもう流行語対象。
誰が授賞すればよいのか、という問題は残るものの、
みなが遠慮するのであれば、僕がもらいに行ってもいい。

日経のヒット商品番付入りも期待したいし、
今年の漢字には、ぜひとも「濁」を推薦したい。

残念ながらこれはノミネートに入りませんでした。
ヒット商品番付も圏外ですし、2010年の今年の漢字は「暑」でした。

10、マッコリ検定の実施
(年内に実現する可能性は5%)

ファンが増えたら、検定などを作っても面白い。
ソムリエに対抗すべく、「マッコリエ」の称号を作り、
基礎知識や、利きマッコリの技術を体系化する。
当然、マッコリエは韓国の文化に精通せねばならず、

「夏の済州島に降り注ぐ太陽の味わい」
「南海を睨む李舜臣将軍のような雄々しき香り」
「厳寒の鬱陵島で弾ける白波のごとき発泡感」

といった表現でマッコリを語ることが望ましい。
もちろん料理に合わせて銘柄を選ぶ技術も必要だ。

このへんはもうオチですね。
もちろんマッコリ検定は実現しておりませんし、
ソムリエに対抗するマッコリエも誕生していません。

※2011年1月24日追記
コメント欄に情報を頂きましたが、韓国ではすでに、
マッコリソムリエなる称号ができているようです。
本記事は日本での近未来を想定したものですが、
韓国での現状を抑えておかなかったのは失態でした。
韓国ではすでに存在することを追記しておきます。
http://japanese.korea.net/news.do?mode=detail&guid=45763

マッコリーヌという単語は、少しずつアピールしていますが、
これももう少し頑張らないと、というところでしょう。
マッコリエも機会を見て、発信したい造語です。

といった感じで、以上10項目。

的中したものも、しなかったものもありますが、
おそらく今年もマッコリの話題はどんどん出るはず。
2010年を上回る、さらなる飛躍を期待したいと思います。
最近は知らない銘柄を見る頻度もかなり増えてきたので、
追いかける立場としても、必死で頑張らねばですね。

今年も全力でマッコリに注目です!



8 Responses to 2010年のマッコリ業界を振り返って。

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