昨日、新大久保の「美名家」で開催されたトークイベント。
先日発売された『珠玉のマッコリ 徹底ガイド』の発刊記念も含め、
マッコリの魅力を語りつつ、飲んで楽しむという1日でした。
おかげさまで、連休の最終日というのに超満員。
ありがたいことに、宮城県から来て頂いた方もいらっしゃいました。
残念ながら、定員オーバーでお断りさせて頂いた方もいたそうで、
改めて、マッコリ人気の高さを再確認した次第です。
ご来場、お申込み頂いた皆様には本当に感謝しております。
この日のイベントは、マッコリガイドの執筆陣である、
僕と筧真帆さんの2人トークからスタートしました。
僕らが話した内容は、だいたいこんな感じ。
・マッコリとの出会い
・マッコリブームの現状
・マッコリガイドが誕生した背景
・マッコリの分類とそれぞれの魅力
・飲食店取材について
・全州取材について
・100本試飲について
・2人のお気に入り銘柄
・マッコリブームの今後
1時間以上もの間、おおいに語らせて頂きました。
最後の質疑応答も含めて、1時間半程度の第1部です。
そして、この第1部では大きな決定事項がありました。
マッコリ好き女子を「マッコリーヌ」と呼ぶ、
ということを改めて提案した一方、懸案だった男子がついに確定。
直前の楽屋で、雑談途中に生まれたアイデアなのですが、
「マッコリ男!」
という呼称を今後PRしたいと思います。
文字にすると限りなく安直で、野暮ったいネーミングですが、
読み方は、アントニオの発音で「マッコリオ」。
マッコリーヌがフランスっぽいのに対し、
イタリア、スペインっぽい感じにしたイメージです。
まあ、流行る可能性は微々たることこの上ありませんが、
地味に言い続けることで、周囲の認知度ぐらいは上げたいものです。
ぜひ、マッコリ好きのみなさん。
「マッコリーヌとマッコリ男」
を宜しくお願いします。
さて、待望の第2部ではマッコリ飲み放題のどんちゃん騒ぎ。
トークの中に登場したマッコリを、みなさんと一緒に飲みました。
現場では各銘柄の写真を撮っている余裕がなかったので、
一部は、過去に撮った写真の使いまわしであるのをご容赦ください。
まずはマッコリブームを牽引する生マッコリから。
上の写真は済州島で造られている「済州マッコリ」です。
アジアを旅行していた若手社長が済州島でこの味に惚れ込み、
三顧の礼ならぬ、四顧の礼で輸入許可をもらったという心意気のマッコリ。
個人的には生マッコリが持つ、発酵の力を最大限に楽しめる銘柄だと思います。
フレッシュな状態から、多少の時間経過を経て発酵が進み、
ほんのり酸味を帯びてくるあたりが、いちばん好み。
この日の済州マッコリは、ちょうどそのあたりの味でした。
「今日のマッコリでは済州がいちばんだな!」
と力説していた方もいらっしゃいましたね。
コアなマッコリ好きには、たまらない銘柄だと思います。
ちなみに済州マッコリの社長さんからは、
イベントのためにのマッコリをずいぶんご提供頂きました。
おかげさまで、参加者皆様のいいお土産になりました。
本当にありがとうございました。
そしてもうひとつ。
「不老どんどんじゅ」もメーカーからご提供頂いたので、
こちらもお土産として、みなさんに持って帰って頂きました。
この銘柄もずいぶんと評価が高かったですね。
輸入元が荒川区にある関係で、東京の下町方面に強く、
僕が三河島に住んでいた頃に自宅でよく飲んでいた銘柄です。
生マッコリならではのフレッシュさと甘味のバランスがよく、
量を飲んでも、飲み飽きないよさがあります。
不老不死を思わせるネーミングもなかなかなのですが、
これは大邱の不老洞という地名が命名の由来。
大邱では有名な地マッコリなのだそうです。
なかなか置いている店が少ないのが難点なのですが、
この日の会場である「美名家」には常時置いてあります。
先日紹介したばかりの「冬のソナタマッコリ」。
こちらはなんと営業マンの方が直接足を運んでくれました。
上で紹介した2品同様、プレゼントもたくさん頂いたので、
こちらもみなさんへのお土産として使わせて頂きました。
先日の記事でも書いたのですが、このマッコリはかなり本格派です。
造っているのが「富者」シリーズのペヘジョンヌルク都家。
しっかりしたアルコール感と、米の風味を残した味わいで、
ゆっくり味わって飲むにはぴったりの米マッコリです。
試飲をしたみなさんからも、
「冬ソナはいい!」
という声が続々。
営業マンの方がいたからという訳ではないでしょうが、
この日、1、2を争う好評価銘柄だったと思います。
どうしても浮かれた印象を受けるネーミングですが、
マッコリ好きな方にこそ飲んで欲しい本格派マッコリです。
こちらは新大久保生まれの「韓さん生マッコリ」。
これまでは新大久保の店裏で醸造をしていたのですが、
重要が伸びたことで、富士山麓のほうに工場を移転。
さらにいい水を使えることになった、と社長が胸を張っていました。
新大久保仕込みの看板がなくなるのは残念ですけどね。
こちらも生マッコリのひとつとして紹介をさせて頂きました。
全州マッコリからは黒豆マッコリをチョイスしました。
僕らが本で紹介した黒豆マッコリは11種類あるのですが、
その中で、いちばん執筆陣受けがよかったのがこの銘柄です。
黒豆マッコリは、フレーバーマッコリの先駆けだったのですが、
銘柄が増えすぎたことで、最近はやや埋没傾向にあります。
そんな黒豆マッコリの、再評価という意味でも紹介したかった一品。
「黒豆は嫌いだったけど、これは美味しい!」
という声が聞けたのは嬉しかったですね。
今後、マッコリブームが全国に拡大していく中で、
黒豆マッコリの役割って、まだまだかなり大きいと思うんですよね。
米マッコリからフレーバーマッコリへいざなう最初の1歩として、
黒豆マッコリの存在感は、ぜひ有効利用して欲しいと思います。
個人的には二東の黒豆マッコリもバランスがよくて好きですね。
ロースト系の香ばしさがある釜山山城醸造の「黒豆マッコリ」や、
甘さ控えめで豆感を強めに出した「ウリスル黒豆マッコリ」も面白いところ。
黒豆マッコリの奥深さを学べたのは、今回大きな収穫でした。
「デポマッコリ」は筧真帆さんのお気に入り。
「デポ」シリーズはペサンミョン酒家の商品で、
もともとは薬酒からスタートした銘柄です。
もともとコアな日本酒党である真帆さんは、
米感の強さを基準にお気に入りを選んでいましたね。
また炭酸系のアルコールがあまり得意でないとのことで、
その意味からも米マッコリが好みに合った様子。
僕などはどうしても、ぐびぐび飲める生を喜ぶので、
ここで意見が分かれたのには、大きな意義がありましたね。
米感を楽しみつつ、ゆったり時間をかけて飲むマッコリもある。
この魅力をずいぶん語れたのは画期的でした。
先の冬のソナタマッコリなどは、まさにこの系統の味わい。
高矢禮マッコリなども、同じ魅力があると思います。
というあたりで気付いたのですが……。
この系統で名前が挙がってくるマッコリというのは、
すべて麹醇堂系列の会社ばかりですね。
・麹醇堂(麹醇堂生マッコリ、高矢禮マッコリ、米夢など)
・ペサンミョン酒家(デポマッコリ)
・ペ・ヘジョンヌルク都家(富者マッコリ、冬のソナタマッコリなど)
というこの3社は兄弟が経営する同系会社。
いずれも秘伝の酵母と生米発酵の技術を自慢としており、
伝統酒、薬酒を数多く造ってきた会社です。
米感の強いマッコリには一日の長がある感じですね。
今後はマッコリの家呑みも増えていくはず。
女性が自宅でゆったり嗜む姿を想像すると、
こういった、高品質の米マッコリは需要が見込めそうです。
その場合、オシャレなビンというのも重要ですね。
このあたりから、
「米のよさにこだわったマッコリが欲しい」
といった話題にも発展しました。
プレミアム系のマッコリも未来がおおいに期待されます。
「天地水純生マッコリ」はいまいちばん勢いのある生マッコリ。
黒いラベルから、取材陣の間では、
「エグザイル!」
との愛称で呼ばれておりました。
真帆さんが、その見た目をおおいに語ったおかげで、
この日、ずっとこのマッコリはエグザイルで通っていました。
「すいません、エグザイルください!」
「はーい、エグザイルでーす!」
というやり取りはシュールな光景でしたね。
生の中でも、すっきりとした味わいを持つ銘柄。
僕の個人的な体験では、韓国人からの評価が高いですね。
本場感の伝わる生マッコリということでしょう。
そして、個人的にいちばん紹介したかった異色銘柄。
埼玉県の麻原酒造が造っている「マッコリーズ」です。
上野の「満奈多」限定銘柄のピーチを除く、
プレーン、ブルーベリー、マンゴー、柚子の4種類を用意。
みなさんに少量ずつですが試飲して頂きました。
このマッコリ、国産という点でも珍しいですが、
原材料に酒粕やスキムミルクを使っているあたりも変わり種。
マッコリだと思って飲むと、かなり違和感がありますが、
ヨーグルトドリンクに似た甘い口当たりは魅力です。
試飲したみなさんも、相当戸惑っておられましたが、
時代のトレンドとしては象徴的な存在と僕はとらえています。
すでに、あちこちの酒造でマッコリ風の清酒が造られており、
マッコリとはまた違った、流れを生み出そうとしています。
日本的な解釈のマッコリがどのように発展するか楽しみです。
真帆さんはマンゴー味を推していましたが、僕は柚子が好み。
マッコリは柚子茶とも相性がいいんですよね。
カクテル系マッコリのメニューでたまに見かけますが、
もっと広まってもいいのでは、と密かに思っているアレンジです。
最後になりましたが「美名家」の料理も紹介しておきます。
こちらは控室に用意された、大量のパンチャンを撮影したもの。
料理を用意する舞台裏もてんやわんやの大騒ぎでした。
こんな感じに、ビュッフェ形式を取りました。
出る料理、出る料理、どんどんなくなっていくのが壮観でしたね。
ジャガイモのチヂミと、ドングリの粉を使ったチヂミ。
ドングリのほうは新商品として開発したもので、
茶色い見た目と、もっちりとした食感が独特でした。
ヤンニョムチキンとフライドチキンに……。
美名家名物の大鍋おでんも登場。
あとはチャンジャのキムパプ(海苔巻き)があったり、
ナクチボックム(テナガダコの炒め物)があったりしましたね。
ポッサム(茹で豚の葉野菜包み)も出ておりました。
これらの料理をつまみながら、上記のマッコリをぐびぐび。
おかげさまで第2部もたいへん盛り上がったと思います。
本もたくさん買って頂き、ありがとうございました。
なお、上記の情報は新商品の冬のソナタマッコリを除き、
すべて『珠玉のマッコリ 徹底ガイド』にまとまっています。
各銘柄の写真、紹介分はもちろん、醸造元や輸入元、
そしてその連絡先に至るまで、すべて紹介してあります。
マッコリを購入して飲んでみたい方!
マッコリを店で出したいと思っている経営者の方!
マッコリを仕事の一部にしている方!
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