第3回「食の異文化講座」後記。

09011901.jpg

土曜日に開催された第3回「食の異文化講座」。
ご覧の通り、今回も非常に盛況な会となりました。
師匠こと佐野良一さんの韓国料理話を聞きつつ、
テーマに沿った料理を楽しむ、というのが趣旨です。

先般、告知の段階でもお伝えした通り
第3回のテーマは……。

「一世紀を越える韓国外食界のロングセラー・日食」

韓国に定着しコリアナイズされた日本料理。
18世紀後半からの受容、普及、そしてアレンジも含め、
考察するとともに、ご自身の体験も語って頂きました。

登場した料理の数々は……。

09011902.jpg

まず、韓国式日本料理の代表格、キムパプ(海苔巻き)。
たくあん、カニカマ、牛肉などを巻いたノーマルバージョンと、

09011903.jpg

こちらは佐野師匠考案の豚肉とサンチュのキムパプ。
「てじまぅる」グループの自慢である平牧金華豚の肩ロースを、
塊のまま煮込み、細長く切って巻いてあります。

煮込む段階で味付けしたようですが、固くなるのを避けて薄味に。
そのまま食べても美味しかったですが、生醤油や薬味醤油、
サムジャン(合わせ味噌)などと一緒に食べてもよかったですね。

09011904.jpg

オデンは串に刺したものを鍋ごと提供。

09011905.jpg

このウネウネ感が重要ですよね。

09011908.jpg

ちなみに登場したのは、もっとずっと後ですが、
2004年の激辛ブームから生まれたパルガンオデンも登場。
直訳すると赤いオデン。ワタリガニのダシがポイントです。

日本料理が韓国に渡り、コリアナイズされた結果を、
もっとも象徴的に表しているのが、この料理ではないか。

そんな意味合いも含めて、急遽作られることになりました。
決まったのは開催の3日前。調理担当は師匠指名でワタクシ。
客席で野次を飛ばしながら、べろべろに酔っ払うはずが、
会の中盤からキッチンにこもって働く羽目になりました。

ちなみにレシピはこんな感じ。

1、ワタリガニを茹でる
2、たまたま隣にあった昆布とカツオのダシを適量混ぜる
3、粉唐辛子とコチュジャン、塩、砂糖で味付ける
4、オデン(魚の練り物)を放り込む

働く羽目といっても簡単なものですけどね。
普通は食べるところのない、小さなワタリガニを使いますが、
用意されていたのが、立派なワタリガニでもったいなかったですね。

結局、会の最中は甲羅を割ることすらなく、
スタッフの夜食になったとか、ならなかったとか。

09011907.jpg

油揚げと春菊をのせた、あっさり味のウドン
味付けに角萬式の工夫を凝らしたとの話でしたが、
さすがにいいダシが出ていて美味しかったです。

09011906.jpg

付け合せのキムチにはたくあんも添えるこだわり。

09011909.jpg

さて、この日のメインがこちらなのですが……。
これをフェドッパプ(韓国式刺身丼)といってよいものか。
コチュジャンをかけて混ぜてしまうにはあまりにもったいない、
高級なマグロと、高級なイカと、高級なイクラが具です。

普通は白身魚と生野菜ぐらいを散らすものですが、
どうせ作るなら、とこだわった結果がこうなったそうです。

正直な話……。

「そのニンニクどけて、ワサビ醤油持って来い!」

というのが全員の本音でしょう。
もちろんコチュジャンをかけても充分美味しかったですが、
隠れて醤油で食べたほうが、数倍美味しかったです。

まあ、こういうアホなことをわざわざやる、
という部分に価値があるのも確かですけどね。

09011910.jpg

デザートは新大久保駅前で購入してきたプンオパン(たい焼き)。
「スラッカン」という店の前で販売しているものです。
これを食べて、第3回「食の異文化講座」は無事に終了。
この日もよく食べ、よく飲み、よく話を聞いた1日でした。

佐野師匠、お疲れさまです!

ちなみに早速、第4回の企画も練られている模様。
年4回開催を目指すとのことで、次回は春頃になる見込みです。
正式に決まったら、また告知を出させて頂きますね。
ご都合よい方は、ぜひご参加ください。



5 Responses to 第3回「食の異文化講座」後記。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

 

 
 
previous next