韓国料理ばかりいろいろな店を巡っておりますが、
その時々で、妙に足の向く店というのがあります。
美味しい料理があるとか、サービスがよいとかも重要ですが、
使い勝手というのも、多分にあるのではと思ったり。
予約なしでも入れるくらいのキャパシティがあり、
座席の融通が利いて、何人で行ってもひと固まりで座れる。
料理の選択肢も幅広く、1次会でも2次会でも大丈夫。
いうなれば、チェーン居酒屋的な利便性でしょう。
そういう店をいくつか知っていると非常に便利です。
こちらの店に最近よく来るのはそうした理由もありますが、
それに加えて、店独自のウリがあるのが大きいですよね。
いくら使い勝手がよくとも、平凡な店では盛り上がりません。
新大久保「はるばん」の大きな自慢は自家製のマッコルリ。
ほかにも密造として自家製を出している店はありますが、
きちんと認可を受けて作っているのは、この店だけ。
行くたびに味が違うので、当然アタリハズレはありますが、
それでこそ価値がある、という方にはぜひおすすめしたい店です。
加熱処理をしていないので、ぷちぷちと爽やかな発泡感があり、
発酵度合いによってほのかな甘味と自然な酸味が重なります。
発酵しすぎている場合は、酸っぱかったりもしますけどね。
手作りならではの魅力として、個人的には評価したいと思います。
おつまみには韓国の東海岸、浦項という港町の郷土料理。
サンマを生干しにした、クァメギという料理をまず推奨します。
半生だけに好き嫌いが分かれますが、飲み好きには格好の肴。
海苔で包んで、白髪ネギを乗せ、コチュジャンをつけて食べます。
ソウルあたりでも、めったに食べられない珍しい料理ですが、
新大久保界隈では、ぼちぼちと出す店も増え始めてきました。
色鮮やかなナムル4種盛り合わせ。
ただし、韓国料理の基本からすると奇数盛りが常識。
3種盛りか、5種盛りにするのが正しい盛り付け作法です。
ちなみにこの店は師匠も常連なのですが、
「ナムルを4種盛るとは何事だ!」
と苦言を呈されたため、師匠と行くときは3種盛りになります。
1種類減らして出してくれるのも細やかな気遣いですよね。
減った1種のかわりには、キムチを1皿つけてくれますし。
僕はそこまでいえないのでレギュラーの4種盛り。
いつの日か、そういうセリフの似合う大人になりたいですけどね。
マッコルリに合うつまみといえば、やはりチヂミの類。
海鮮チヂミをひとつまず注文しておいて……。
センソンジョン(白身魚のチヂミ)。
ケンニプジョン(エゴマの葉のチヂミ)。
中には引き肉が詰められています。
ほかにも数種類を盛り合わせたものもありますが、
出てくるまでに時間がかかるのでご注意を。
注文から2~30分見ておく必要があるそうです。
この日は前日3軒一緒にハシゴをした方と、
2日連続で新大久保を巡る、という酔狂な企画でした。
この日だけを見れば1次会ですが、雰囲気的には4次会ぐらい。
ずーっと顔を合わせているような気分になります。
なので、最初はぼちぼちと緩やかに飲んでいたのですが、
飲み始めると、やはりエンジンがかかってきます。
ファーストオーダーではとりあえず見送ったこの名物料理。
巨大な釜のフタをひっくり返し、鍋がわりにして使う、
チュクミボックム(イイダコの炒め物)を、結局追加注文。
ぷりぷりのイイダコを、わしわしとやっつけにかかりました。
ちなみにこの巨大な釜のフタ、内側は鍋として使いますが、
外側は鉄板として、サムギョプサル(豚バラ肉)用に使います。
ひとつの調理器具で2度使える、しかも両方ともド迫力。
そんなインパクトを味わえるのが、釜フタのウリです。
1次会のときは、このあたりから攻めるのがいいでしょうね。
といった感じにいろいろ楽しめる、利便性の高いいいお店。
幹事役が多い身としては、本当にありがたいのです。
店名:はるばん
住所:東京都新宿区大久保1-7-19保坂ビル1階
電話:03-3205-3231
営業:11:00~24:00
定休:なし
※この店は『東京 本気の韓国料理店』のP47にも紹介されています。
<過去の関連日記>
(08月09日)新大久保「はるばん」で自家製マッコルリ。
2 Responses to 新大久保「はるばん」で各種ジョン&チュクミボックム。