久しぶりに師匠と「南陽屋」にやって来ました。
職安通りから明治通りを越え、抜け弁天の向かいにあるこの店。
ちょうど大江戸線の東新宿駅と若松河田駅の中間にあります。
コリアンタウンからちょっと外れているために損をしておりますが、
ある意味では新大久保における原点のようなお店です。
新大久保でもっとも古い韓国家庭料理店のひとつとされる、
「武橋洞」の厨房を預かっていたのが「南陽屋」のママさん。
当時、「武橋洞」を創設した方の姪御さんだそうです。
もともとの生まれは江原道の横城郡出身。
そんな理由から江原道料理を中心に提供しています。
冒頭の写真は「南陽屋」名物のトンテチゲ。
獲れたての新鮮なスケトウダラを即座に凍らせて鮮度を保ち、
それを主材料として作ったチゲがこの鍋料理です。
スケトウダラの身のほかに、この日は白子も入っていましたね。
じっくり煮込まれた大根もまた美味しかったです。
そのほか江原道といえばジャガイモの産地として有名。
モチモチとした食感が独特のカムジャチヂミも美味です。
ジャガイモ3個を注文ごとにすりおろして焼いているとか。
見た目の迫力が自慢のニンニク焼き。
「武橋洞」時代から師匠は風邪を引くたびに食べていたそうです。
いや、風邪を引いているのにまだ店に来て飲んでいるので、
「武橋洞」のお母さんがせめてと思って出していたとも。
ケジャン(ワタリガニの薬味漬け)も「武橋洞」時代からの定番。
古くから新大久保界隈で飲んでいたという人に話を聞くと、
このケジャンを目当てに「武橋洞」へ行っていたという人が多数。
いまでこそあちこちで食べられますが、当時は珍しかったでしょうね。
最後はトンテチゲのスープにごはんを入れてシメとしました。
スケトウダラのうまみがよく出ており、ごはんひと粒までが美味。
一時は閉店の話まで出ていたこちらの店ですが、
無事に営業が続くことになって、ほっとしております。
また、夏になったら枝豆のコングクスを食べに行きたいですね。
新大久保の歴史を継承する名店。いつまでも続いて欲しいものです。
店名:南陽屋(なみゃんおく)
住所:東京都新宿区新宿7-1-4
電話:03-3202-6888
営業:11:30~14:00、17:00~翌2:00(月~金)、17:00~24:00(土、日、祝)
定休:第2、4日曜日
<過去の関連日記>
(02月24日)東新宿「南陽屋」でトンテチゲ。
(04月24日)東新宿「南陽屋」でトンテチゲ&ニンニク焼き。
(07月09日)東新宿「南陽屋」で翡翠色のコングクス。