コリアうめーや!!第235号

コリアうめーや!!第235号

<ごあいさつ>
12月15日になりました。
年の瀬もいよいよ押し詰まってきて、
今年のメルマガもこれが最後です。
2010年もいろんなことがありましたね。
サッカーのW杯で盛り上がったり、
長引く猛暑で秋がやけに短かったり。 
韓国絡みでは北の砲撃が大ニュースでしょうが、
K-POP人気の高まりも見逃せないところ。
KARAや少女時代が頑張ったおかげで、
韓流業界にもずいぶん影響がありました。
もちろん韓国料理の世界も話題はたくさん。
マッコリブームの本格化に加え、
韓流人気でコリアンタウンも活性化。
あちこちの店でイケメン店員が増えるという、
不思議な進化を遂げていたりもします。
そんな中、今号のメルマガでは定番企画を披露。
1年かけて食べ歩いた韓国料理の中から、
心に残ったベスト10を紹介させて頂きます。
恒例として、妙な司会者キャラが登場しますが、
そのあたりは広い心で受け止めてください。
コリアうめーや!!第235号。
年末進行真っ只中の、スタートです。

<2010年これがうまかったベスト10!!>

「こんばんは。司会の古里柳徹子でございます」
「こんばんは。宇米谷宏です」

「コリやなぎ徹子と、うめーや宏。」
「2人合わせてコリアうめーや!!でございます」

ぱちぱちぱちぱちぱちぱち。

「今年も快挙が続いてしまいましたね」
「ええ、なんと3年連続での年末企画達成です」

「もう、暗黒の時代が嘘のようですね」
「ええ、あの頃は司会者である我々にとっても苦渋の年末でした」
「恒例として、過去の記録を振り返りますと……」
「はい、このようになっております」

2004年これがうまかったベスト10!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume91.htm
2005年これがうまかったベスト10!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume115.htm
2008年これがうまかったベスト10!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=600495
2009年これがうまかったベスト10!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=641611

「この企画のスタートは2004年でしたねぇ」
「八田氏が1年間に食べた料理の中からベスト10を選定」
「その年、最後のメルマガでそれを発表するという」
「まあ、ありがちで陳腐な企画ではあります」

「だのに!」
「そう、だのに!」

「上のリンクでもわかって頂けるかと思いますが」
「嘆かわしいことに2006年と2007年がありません」
「八田氏の訪韓回数が少なくベスト10が組めなかったんですよね」
「ええ、そんな理由で年末企画がお流れになりました」

「当然、我々司会者の出番もなく……」
「そのまま消えていくのかとの不安もあり……」
「涙、涙の年末でした、あの頃は……」
「つらかったです、よよよ……」

「しかし、そこで八田氏も心を入れ替え訪韓回数もV字回復!」
「一昨年は9回、昨年は5回と精力的に活動をしました」
「今年も減ってはいるものの、なんとか4回の訪韓を確保」
「訪韓日数も32日とギリギリで1ヵ月を超えました」

「日本国内で食べたものも含めつつ」
「なんとか今年もランキングが固まった様子です」
「いやあ、よかった!」
「本当によかった!」

「それではそろそろ始めましょうかね!」
「ええ、2010年を振り返ってのベスト10!」
「まずは第10位から第8位までのランキングです!」
「はりきって、どうぞっ!」

ダララララララララララ……。ジャン!!

第10位、釜山の目玉焼き載せカンチャジャン
第9位、臨津江のウナギ焼き
第8位、仁川空港裏のヘムルカルグクス

「はい、今年も地方料理が入ってきました!」
「ここ数年、ソウルを離れることが増えていますからね」
「下位の段階から、それを象徴している様子です」
「早速、八田氏に説明してもらいましょう!」

どーもー、1年ぶりですね。
今年もお会いできて光栄です。

司会のお2人にも心配をかけておりますが、
今年もなんとか1年、書き続けることができました。
読者皆様に感謝するとともに、1年間の成果を、
しっかりまとめて発表したいと思います。

「まあ、挨拶はいいので先を急いでください!」
「いつも最後はバタバタになりますからね!」

わはははははは。(場内爆笑)

あー、確かに僕のパターンですねぇ。
なんとかテンポよく進める努力をしましょう。

まず、第10位にあげたカンチャジャンですが、
韓国式中華、チャジャンミョン(ジャージャー麺)の一種です。
通常のチャジャンミョンと違って、水溶き片栗粉を入れず、
全体にとろみをつけない、という特徴があります。

そのカンチャジャンに釜山をはじめとした南部地域では、
目玉焼きが載る、というオマケが加わるんですね。
実はこの話、メルマガの第37号でも書いているのですが、
それを8年ぶりに食べ、改めて感動した次第です。

第37号/タマゴはどこへ消えた?
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume37.htm

チャジャンミョンの味噌に、卵の濃厚さが加わることで、
いい意味でのB級っぷりがアップするんですよね。
釜山という地域でよく見かける隠れ名物のひとつです。

そして、第9位は臨津江のウナギ焼き。

これはつい先月の出張で食べてきたものです。
ここ数年、韓国各地のウナギを食べ歩いておりますが、
京畿道北部を流れる臨津江もウナギで有名な土地。

近年は天然ものが減少し、養殖に頼っていますが、
脂の乗ったウナギを厳選し、豪快に炭火で焼き上げます。
これがまた大トロの炙りを食べているような感覚で、
脂の弾け具合は他地域と一線を画すものでした。

第8位に選んだのは仁川空港裏のヘムルカルグクス。
海産物をどっさり入れた韓国式のうどんですね。
これは第219号で紹介をしました。

第219号/仁川空港から魅惑の2時間トリップ!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=653176

仁川空港のある永宗島は貝類の名産地でもあり、
空港から車で10分行くとたくさんの飲食店があります。
そこでの名物が、アサリ、ハマグリ、ホタテなどを使った、
旨味抜群、ボリュームたっぷりのヘムルカルグクス。

辺鄙な場所なので、交通はかなり不便ですが、
時間に余裕があるようなら、ぜひ攻めて欲しいエリアです。
ただし、食べるのに夢中で飛行機に遅れないよう、
重々注意して頂きたいと思います。

「はい、八田氏による解説でした」
「序盤からなかなか熱く語っておりますね」
「ええ、最後では読者に注意なんか呼び掛けてみたりも」
「まあ、カッコつけたいお年頃なのでしょう」

わはははははは。(場内爆笑)

「さて、それではどんどん続けていきましょう」
「第7位から第5位までの発表です!」

ダララララララララララ……。ジャン!!

第7位、群山名物「イソンダン」のパン
第6位、巨済島ホヤのビビンバ
第5位、復活「平来屋」の冷麺とチェンバン

「はい、またも地方料理が2種類」
「そして、復活という文字も見えていますね」
「八田氏に説明して頂きましょう」

はい、まず第7位の「イソンダン」ですが、
1945年創業という、韓国最古のベーカリーです。

4月に「韓国語ジャーナル」の取材で行き、
この店の魅力に、ズブズブっとハマってしまいました。
地元に密着したごく普通のベーカリーなのですが、
その愛され方というのが尋常じゃないんですよね。

群山市民の誰に聞いても、

「イソンダンのパンには中毒性がある!」
「子どもの頃からイソンダンのパンで育った!」
「学生時代のデートはイソンダンが定番!」
「大人になってからも月に1度はウキウキと通う!」

といったセリフが返ってきます。

実際にそのパンを食べても、確かに美味しいですし、
韓国ならではという、珍しいパンにも出会えます。
群山に行く機会があれば、ぜひ試して欲しいですね。

第6位のホヤビビンバは巨済島の名物料理。
こちらは第229号で紹介をしました。

第229号/巨済島はホヤの島なのです!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=666650

韓国語では「モンゲピビムパプ」と呼ぶこの料理。
地元名産であるホヤを、春に1年分確保して塩辛にし、
ごはん、揉み海苔、ゴマと一緒に混ぜて食べます。

ほかに具が入らないシンプルな料理だけに、
ホヤの魅力をストレートに感じられますね。
塩辛にすることで、苦手な人にも食べやすくなります。

そして、第5位は老舗冷麺店の復活。

もともと明洞近くにあった「平来屋」という店が、
再開発のあおりを受けて、約2年前に休業。
このまま閉店してしまうのでは、との噂もあって、
僕も心配していたのですが、無事、今年4月に再開しました。

この店の冷麺が好きなんですよねぇ。

実はこの冷麺、2005年のベスト10においても、
今回と同じく第5位にランクインさせました。
復活を祝して、同じく第5位に選んだ次第です。

第115号/2005年これがうまかったベスト10!!
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume115.htm

牛スープにキジのスープを混ぜているのが大きな特徴で、
麺からも蕎麦粉の清涼な香りが、ぷんと漂います。
一緒に食べたチェンバン(北朝鮮式の鍋)もよかったですし、
夏はチョゲタン(鶏スープ)も美味しいお店ですね。

「なるほど、第5位までの発表でした」
「地方行脚から一転してソウルの老舗店という流れですね」
「復活を記念し、5年前と同じ5位に選定との話もありました」
「記念するならランクを上げても、とは思いますけどね」

がはははははは。(場内爆笑)

「さて、それではここで番外の紹介です」
「ベスト10に続く、次点というような扱いですね」

番外、馬場洞焼肉横町のトゥンコル

「はい、出ました!」
「馬場洞の、トゥンコル……ですか!?」

ええ、馬場洞もソウルにある町の名前ですが、
畜産市場があって、そこに焼肉店街が併設されています。
市場内にある卸売店が焼肉店を経営しているため、
マニアックな希少部位もメニューに並ぶのが売りです。

トゥンコルは牛の脊髄を刺身にしたものですが、
日本ではBSEの発生以降、特定危険部位に指定されています。
日本国内で食べることは、当然のごとくできませんし、
そもそも屠畜の段階で焼却が義務付けられている部位です。

ただ、韓国ではBSEの発生が今まで1件もないため、
特に規制はなく、食卓に並んでも問題ないんですね。

いわゆる珍味に属する部位かとは思いますが、
話のタネにはなる、という市場ならではのメニューです。
こちらもメルマガの第221号で紹介しました。

第221号/市場で味わうガッツリ系焼肉!!
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=655693

「はい、ということで番外でした」
「偉そうに語っていますが、食べたときはビクビクだったとか」
「それを番外に持ってくるのも八田氏らしいですね」
「小心者なところがランキングにも見え隠れしています」

はははははは。(場内冷笑)

「さて、それでは上位に移ろうと思います!」
「第4位から第2位までの発表です!」

ダララララララララララ……。ジャン!!

第4位、新大久保グルメもろもろ 
第3位、マッコリ元年!100種類を制覇
第2位、某所「某店」1人前3万円の韓国料理

「お、今度は一転して地方の名前が見えません」
「どころか場所と店名が伏せられたものもありますよ」
「いったいどういう意味があるのか」
「八田氏の説明を聞いてみることとしましょう」

はい、第4位から第2位は日本国内でまとめました。

新大久保はすっかり有名になった東京のコリアンタウン。
今年は第2次韓流とも呼ばれるK-POPの盛り上がりで、
この町も夏ごろから、ぐぐっと盛り上がりました。

今年も新大久保でいろいろ食べたなぁ、ということと、
今年の新大久保は盛り上がったなぁ、という意味での選定。
参考として、ブログで書いた記事を紹介しておきます。

新大久保コリアンタウン日曜日の賑わい。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1192.html

第3位は勝手に制定した「マッコリ元年」。

実は昨年の1位も、マッコリを選んだのですが、
今年は本当にそれが開花した1年だったと思います。
個人的にもずいぶん多くのマッコリを飲みました。

6月には念願だったマッコリガイドも発売に。

『珠玉のマッコリ 徹底ガイド』好評発売中。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1136.html

その中で組んだ特集にマッコリカタログがあり、
ライター陣で100種類のマッコリを試飲しました。

それぞれ味見をするだけでも大変な作業でしたが、
マッコリの魅力をより深く学ぶ貴重な体験となりました。
その意義も含めて、堂々3位に選定です。

第2位はあえて店名と場所をぼかしました。

1人前3万「円」という時点で国内確定ですが、
大枚をはたいて、高級な韓国料理を食べたということです。
取材拒否のお店なので、詳細は内緒としますが、
値段相応の体験だったことはお伝えしておきます。

「はい、第2位までの発表でした」
「最後は秘密主義のようで嫌な感じですね」
「情報を小出しにすることで、興味を引きたいのでしょう」
「八田氏らしい姑息な考えが見え隠れします」

「そんな狙いはさておき、いよいよ第1位です」
「今年はどんな料理がトップに輝いたのでしょうか!」

ダララララララララララ……。ジャン!!

第1位、群山のカンジャンケジャンと釜炊きごはん

「おおっと、ここでまた群山の登場!」
「第7位のイソンダンに続く栄冠となります!」
「これは気になるところですね!」
「それでは八田氏、第1位の解説をどうぞ!」

はい、カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)ですね。

今年も全羅北道の魅力にやられた1年でした。
群山には4月、11月と2回足を運んだのですが、
その2回ともカンジャンケジャンに見事撃沈。

もともと群山はカンジャンケジャンで有名な土地ですが、
その本場で食べると、こんなに美味しいものかと。
2回食べて、2回とも心の底から感激しました。

ワタリガニの鮮度がよいのはもちろんのこと、
漬けダレの薬味醤油がじつにあっさりしていて美味しい。
ギリギリまで抑えた塩気と、さらりとした甘味で、
身の甘さ、味噌や内子の濃厚さを引き立てています。

あとはごはんが美味しいのもよかったですね。

注文ごとに釜炊きされたごはんは香ばしく、
カンジャンケジャンの存在感にまったく負けません。
真正面からがっぷり受け止めて、さらによさを引き出す感じ。
またその両者を、海苔に包んで食べても美味です。

いやあ、思い出してもヨダレが出る。
文句なしに今年のナンバーワンでしたね。

「くー、なんだかいい笑顔ですねぇ!」
「司会者としては小憎らしいぐらいの気分ですが……」
「うん、小憎らしい。まったくです!」
「幸せそうなので、まあよしとしましょう!」

「以上で、今年のベスト10となります!」
「八田氏には来年も精力的に食べ歩いて欲しいですね!」

「ちなみに、来年3月でこのメルマガは10周年!」
「いやあ、もうそんな年になるんですねぇ!」
「八田氏には節目という意味でも頑張ってもらいましょう!」
「10周年の記念号もひとつ楽しみですね!」

「それではみなさん、そろそろお別れです!」
「今年も1年、たいへんお世話になりました!」
「また来年もお会いできることを楽しみにしつつ!」
「よいお年をお迎えください! 」

<お知らせ>
仕事が忙しくHPの更新ができません。
落ち着いたら、まとめて更新したいと思います。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
今年も1年、ご愛読ありがとうございました。
来年も引き続き、宜しくお願い致します。

コリアうめーや!!第235号
2010年12月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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