コリアうめーや!!第26号

コリアうめーや!!第26号

<ごあいさつ>
4月になりました。
今日はめでたいエイプリルフールです。
韓国では「萬愚節(マヌジョル)」といって、やはりエイプリルフールです。
韓国にいるときは、よく韓国人の友達に騙されました。
階段から落ちて大怪我をしたはずの女の子がニコニコ笑って飲み会にきたり、
「突然ですが今月31日に結婚します!!」というメールがきて、
お祝いメールを送ったら、4月は30日までしかなかったり……。
日本人よりもそういうジョークセンスにたけているように感じるのは、
正直者の八田氏だからでしょうか……。っておいおい。
正直者云々はひとまずおいておくとして、
とりあえずは4月という新年度。
初心を忘れないよう、気持ちをもう1度引き締めて、
気分新たにがんばっていきたいと思います。
コリアうめーや!!第26号。
春風を受けつつ、涼やかにスタートです。

<ワタリガニの真実>

八田氏はこのへんでババーンときっちり指摘しておきたいんだけど、
日本におけるワタリガニの地位はちょいと低すぎやしないかい?

日本でカニといえば、まずはカニの王様タラバガニ。
次いで北陸の勇、ズワイガニ。そして毛ガニ、花咲ガニの順番だろうか。
場合によってはサワガニやモクズガニ、ヤシガニなどを思い浮かべる人もいるかもしれな
い。上海ガニやマッドクラブをあげるマニアックな人もいるだろう。

しかしワタリガニはどうか。

日本で「カニといえば」の質問に対し、ワタリガニを思い浮かべる人はそういない。
ためしにグーグルで「カニといえば」を検索してみるといい。
後に続く言葉としてはタラバ、ズワイのオンパレードだ。
ワタリガニなんか一切出てこない。

日本ではワタリガニはカニグレードの中では決して高い位置にはいない。
チェーン居酒屋の寄せ鍋でメインをはるのが精一杯。
人々の歓声をあび、単体でも喜ばれ、場合によっては寿司ネタにすらなるタラバガニに対
し、ワタリガニは他の魚介類と十把ひとからげにされ「まあ、こいつもカニはカニです」
程度の扱いしか受けられない。タラバガニやズワイガニなどに比べると明らかに番付が落
ちる。これはかわいそうだ。

しかし、しかしである。
お隣韓国に行くとこの評価がすっかり入れ代わる。
韓国でカニといえば、ダントツでワタリガニなのである。

ためしにグーグルで「韓国 カニといえば」を検索してみるといい。
ワタリガニ、ガザミ(ワタリガニの一種)のオンパレード。
タラバガニなんか一切出てこない。
そう韓国ではカニといえばワタリガニなのである。

春うららかな4月。
韓国ではワタリガニが旬である。
産卵期を控えた4月~6月のワタリガニは最高の味とされる。
その最盛期のワタリガニを最も美味しく食べる調理法がケジャンだ。

韓国を代表するワタリガニ料理、ケジャン。
韓国語でケとは「カニ」を表し、ジャンは「醤」である。
つまりカニをジャンに漬けたものをケジャンと呼ぶのだ。

ではそのジャンとはなにか。
これは大別して2つのジャンが存在する。
1つはカンジャン。韓国語で「醤油」という意味だ。
ワタリガニを丸のまま醤油漬けにしたのがカンジャンケジャン。
醤油の香ばしさとカニの甘味が引きたてあって絶妙の味わいとなる。

もう1つはヤンニョムジャン。
ヤンニョムジャンとは唐辛子やニンニク、ショウガなどの香辛料、醤油、砂糖などの調味
料を混ぜ合わせたもので、これにワタリガニを漬けこんだものをヤンニョムケジャンとい
う。

唐辛子の辛さとカニの身の甘さという、正反対の味が非常にうまい。
真っ赤なワタリガニを手でつかみ、殻をバリバリ噛み砕いてチューチュー吸う。すると中
から生のカニがトロリと流れ出してきて、天に上るような口福に包まれる。手を汚しなが
ら夢中でカニと格闘するのは人生の喜びである。

さらにカニは鍋にもなる。
先ほど日本では寄せ鍋の主役を張るのが精一杯と書いた。
これはカニとしては侮辱的な扱いであるとしかいいようがない。
寄せ鍋は寄せ鍋としてうまいが、ワタリガニ的には不本意であるに違いない。
いくら主役をはるといっても、その他大勢と大部屋生活を強いられている。
海産物の王様ともいえるカニの身分でハマグリやタラなどと同等に扱われるのは、我慢な
らないに違いない。ワタリガニは日本に生まれて本当に不幸だ。

韓国では違う。
ワタリガニは堂々とした鍋料理の主役として君臨している。
韓国語でワタリガニのことを「コッケ」というが、コッケタンはワタリガニの鍋である。
「寄せ鍋」などといった主役不在のネーミングではなく、あくまでも「ワタリガニ鍋」な
のである。これなら大部屋俳優などではない。個室を構える人気俳優といえよう。

日本では冷遇されているワタリガニ。
韓国での現状を知ったら、みんなそっちへ移住しに行くことだろう。
そのうち日本近海ではワタリガニは獲れなくなるかもしれない。

今こそ日本でもワタリガニの再評価を提唱したい。
日本料理の土俵では固定観念が邪魔して難しいかもしれないので、
韓国料理のケジャンとコッケタンを中心に国際性をアピールしていくのだ。

ワタリガニ専門店を作り、大量に販売。
価格が他のカニよりも安いから、意外とうまくいくかもしれない。
そのとき人々は初めてワタリガニの実力を認め、
ワタリガニの真実を知るのである。

<おまけ>
韓国も東海岸のほうではズワイガニが有名だそうです。
八田氏はまだ韓国でズワイガニを食べたことはありません。
ちなみにワタリガニのコッケとは「花蟹」という意味。
ズワイガニはテゲといって「竹蟹」という意味です。
足が竹に似ているからかなあ。韓国語もなかなか味があります。
ちなみに毛蟹は韓国でも「毛蟹」。トルケといいます。

<お知らせ>
ワタリガニ料理の写真をホームページで見られます。
よかったらのぞいてみてください。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
今日から14日まで韓国に行ってきます。
韓国にいる人はごはんおごってください。

コリアうめーや!!第26号
2002年4月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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