新大久保「Tokyo Saikabo(妻家房)」でコムタンに度肝を抜かれた話。

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昨年4月、新大久保にお目見えした「Tokyo Saikabo(妻家房)」。

1993年にオープンした四谷本店を皮切りに、
このお店でなんと、28号店にもなるそうです。
プレオープンのときに取材で行ったところ、
ずいぶんとVIPな方々が来ていて驚きました

鳩山元総理ご夫妻とか、料理研究家の尹淑子先生とか、
韓国食文化研究所所長の鄭大聲先生とか、女優の黒田福美さんとか。
すでに「妻家房」の名声はいくらでも轟いておりますが、
それを新大久保で、というところがポイントでしょうね。

昨年10月にはすぐ近隣でイベントホール「K-STAGE-O!」と、
レストランフロア「SAIKABO SEOUL MADANG」をオープン。
一連の動きは呉永錫社長が「民団韓食ネット協議会」の会長を務め、
東日本大震災の後に新大久保で、

「東日本大震災復興支援・日韓友好チャリティー広場」

といったイベントを開催したことにも関係するのでしょう。
新大久保に話題を、という姿勢が見てとれる気がします。

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そんな話を耳にしつつも、なかなか足を運べていなかったのですが、
この日はaTセンター主催の懇親会に呼んでいただきました。
aTセンターというのは正式名称を、

「韓国農水産食品流通公社」

といって、貿易振興活動を行う韓国政府機関です。
月に1度ウェブサイトでコラムを書かせていただいているのですが、
そんなご縁もありまして、司会進行の役目を仰せつかりました。

集まったのはaTセンターの会員やイベントの常連様。
韓国料理に関心の高い皆様と一緒に食事を楽しむ会でした。

料理はコース形式で、ナムルの盛り合わせと……。

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キムチの盛り合わせからスタート。

冒頭で何か話をしてください、と言われましたので、
短い時間でしたが、韓国料理の流行についてちらっと話しました。
韓食の世界化から、モダンコリアンの隆盛、その家庭料理化……。

短くまとめるのにも難しい話を切り出してしまったことで、
駆け足気味になってしまったのは反省点です。

この話題、大阪でもやりますので近辺にお住まいの方はぜひ。

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さて、料理のほうはチャプチェ(春雨炒め、잡채)や……。

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パジョン(ネギのチヂミ、파전)。

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ポッサム(茹で豚の葉野菜包み、보쌈)といった感じで、
韓国家庭料理店における定番の料理がずらっと並びました。

これらを食べながら思ったのが、

「やっぱり妻家房の料理はよくできているなぁ」

ということ。

決して派手な見せ方でも、珍しい料理でもありませんが、
いずれの料理でもしっかり平均点を超えてくる安心感といいますか。
落ち着いて味わえる魅力があるように思います。

逆に「妻家房」と言われて、

「コレ!」

という看板料理がキムチ以外に思い浮かばないのも事実で、
個人的にはそのあたりをもうちょっと、と思っていたのですが……。
そちらはだいぶ不勉強だったみたいですね。

お店の方から、

「地鶏の緑豆ペクスク(丸鶏の水炊きと緑豆粥)」

といった自慢の一品を教えていただきました。
6800円という値段に、ちょっと躊躇したのは本音ですが、
んー、これはぜひとも食べてみたい料理ですねぇ。

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オジンオムチム(イカの和え物、오징어무침)と……。

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トトリムクムチム(ドングリ寒天の和え物、도토리묵무침)。

オジンオムチムはコースメニューに含まれますが、
トトリムクムチムは、サービスとして出していただきました。

この一連のコースは「花嫁コース(3800円)」でしたが、
ほかに「花婿コース(4800円)」というのもあります。
なぜ花嫁、花婿かというと店のコンセプトが……。

古くから韓国では、嫁ぐことが決まった花嫁の家に、花婿が訪ねてくることが一番大切なセレモニーとされていました。その日は最高の材料を用いてその家に伝わっている秘伝の味を披露し、花婿を歓待するのが習わしとなっています。そして大切に育てた自分の娘に対する愛情を花婿に伝え、新しい家での心暖かいもてなしと、健康を祈願するのです。妻家房では、そのセレモニーのメニューのような、愛情から生まれてきた秘伝の味を、最高の素材で日本の皆様に味わっていただきたいと考えております。どうぞ韓国秘伝の味をお気軽にお楽しみください。

妻家房ウェブサイト/コンセプトページより

こういうことだからだそうです。
改めて聞いて、なるほどそうだったのかと。

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食事メニューは、

・ピビムパプ(ビビンバ、비빔밥)
・ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)
・コムタン(牛スープ/곰탕)

の3種類から選択できました。

ビビンバは隣の方のを撮らせていただいたものですが、
ナムルにチィナムル(シラヤマギク)が使われていたり、
卵がアルサム(具を詰めた薄焼き卵)仕立てだったり。

さりげなく凝っているのもさすがでしたね。

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僕はコムタンをチョイスしたのですが……。

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ごろんとした牛肉が出てきて度肝を抜かれました。
しかもこれだけでなく、まだまだ沈んでいて具だくさん。
先ほど、「しっかり平均点を超えてくる」なんて、
ずいぶん偉そうなことを言っていましたが……。

「これはすげぇ!」

とすっかり感服して帰ってきました。

先ほどの「地鶏の緑豆ペクスク」が示すように、
新大久保としてはちょっとお高めの店にはなるかと思います。
雑多な魅力が主流の新大久保では異色の部類ともいえますが、
ゆっくり落ち着いて食べたいという方にはよいかと。

大小の個室も用意されております。

店名:Tokyo Saikabo(妻家房)
住所:東京都新宿区大久保1-8-8
電話:03-3200-3108
http://www.saikabo.com/



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