新大久保「美名家」でポッサム&ヤンニョムホタテほか。

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「新大久保でオススメの韓国料理店は?」

と尋ねられて、それ以上特に条件が出てこないときは、
個人的な行きつけ店として、

「僕がよく行くのは美名家です」

と答えることが多いです。
何が食べたいとか、個室が必要とか、雰囲気がどうのとか、
必須の条件があれば、それに合わせて店を選びます。

「どこか美味しいトコ!」

という漠然としたリクエストで「美名家」を薦める理由。

まあ、イベントなどでもお世話になっていますし、
普段から、空いた時間で世間話をしに立ち寄ったりもします。
ひどいときは、

「すいません、荷物をちょっと置かせてください!」

とコインロッカーがわりに使っていることも。
オーナーの美名さんが、僕を弟分としてかわいがってくれていたり、
スタッフの方々とも顔馴染みという気安さがあるからですね。

とはいえ、そんな義理が絡んで薦めている訳でもなく、
「美名家」には安心して薦められる理由がいくつかあります。

まずそのひとつに……。

「その店ならではのメイン料理がある!」

という点があげられるでしょうか。

冒頭の写真、ポッサム(茹で豚の葉野菜包み)がそうですが、
他店との違いは、中央の和え物にシーズンの海鮮が入るところ。
牡蠣だったり、甘エビだったり、ホタテだったり、タコだったり。
仕入れによってその時々ですが、これがまずわかりやすい個性です。

「この店に行ったら、これを頼んでください」

と短い時間で伝えられるのはせいぜい1~2品程度。

店を代表する看板料理に、きっちりした個性があると、
オススメする立場としても非常に楽です。

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その2は、

「サイドメニューに気になる料理が多い!」

という部分でしょうか。

どうしても韓国家庭料理店のサイドメニューというと、
チヂミ、チャプチェ(春雨炒め)、トッポッキ(餅炒め)あたりが決まった定番です。
こうした定番を抑えつつ、その上でひと工夫加えたメニューがあると、

「なにそれ?」

という驚きにつながり、ビギナーからリピーターまで楽しめます。
言い換えれば、万人に薦めやすい要素ということですね。

上の写真は昨年開発された「美名家」の新メニューですが、
ヤンニョムチキン(薬味ダレ味のフライドチキン)のホタテ版。
大ぶりなホタテを揚げた後、甘辛い薬味ダレと絡めています。

日本語と韓国語がチャンポンですが、料理名はヤンニョムホタテ。
ほぼ使われていない俗称として、略語で「ヤンホタ」ともいいます。

他店にはない「美名家」だけのオリジナル料理なので、
ちょっと特別なものが食べられるよ、というオススメ要素になります。

あとは定番料理のチヂミなんかも、

・海鮮チヂミ
・ジャガイモチヂミ
・セリチヂミ
・アボカドチヂミ
・どんぐりチヂミ

といろいろ用意されているのが「美名家」の素晴らしいところ。
定番料理から踏み出す、もう1歩の選択肢があると印象がだいぶ違います。

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そして、もっとも大きい要素は、

「オーナーである美名さんがいつも店にいる!」

という部分でしょうか。

新大久保でもいわゆるオモニのいる店は減ってきました。
店を薦める上で、信頼できる人が常にいるのは安心できます。

特に「美名家」の場合は美名さんがホール担当。

いわゆる日本的な行き届いたサービスではありませんが、
ぐいぐい近づいてくる韓国的なホスピタリティは発揮されます。
たぶん「美名家」に通うほとんどの人がそうだと思いますが、
美名さんの人柄に惚れて、常連客になっているはず。

逆にいえば、美名さんが合わなければ絶対にこの店は合いません。

「美名家」を薦める場合、いちばん気を付けるのがそこですね。
当然のごとく、過去にダメだったとの声を聞いたこともあります。

上の写真はホタテをハサミで切っているところですが、
こういう瞬間にちょこちょこかまってくれるのも楽しい部分です。

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「今日のオススメメニューがある!」

というのも頑張っているなぁ、と思う部分。
まあ常にある訳でなく、あったりなかったりではありますが、

「今日はカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)がいいよ!」

とその日のオススメを教えてもらえます。
なお、通い過ぎているぐらいの人たちは、

「今日はコレとコレとコレを頼みなさい!」

ということで注文の権限が与えられなくなります。

そんな状態なので、美名家のメニューはあってないも同然。
載っていない料理だらけだし、見てもなにがウリかはっきりしないし、
ほとんど見る必要がないメニューが置かれている状態です。

「そんなんじゃ新しいお客さんに不親切でしょう!」

と毎度うるさく言ったので、そろそろ新調するそうです。
いずれ作られる「美名家」の新生メニューに期待しましょう。

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「パンチャン(副菜)が充実!」

というのも最近の新大久保では少数派になってきましたね。
パンチャンを出し過ぎるとどうしても注文数が減ってしまうため、
少なめに出す、申し訳程度に出す、という店が増えてきました。

韓国らしさを楽しむという部分では、これもひとつの演出。

パンチャンについては店ごとに方針はいろいろでよいと思いますが、
小皿をずらっと並べて驚きをもたらすのも「美名家」の特徴です。

これもまたビギナー、リピーターを問わず薦めやすい部分。

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こちらはケランチム(韓国式の茶碗蒸し)。
この料理自体に特筆することはありませんので、

「生マッコリの種類が豊富!」

という別の要素を掲げておきましょうか。

・済州マッコリ
・生濁(センタク)
・不老どんどん酒
・ヌリンマウルマッコリ
・韓さん生マッコリ

あたりが、「美名家」でよく見る銘柄。

この中から3~4品ぐらいがあるイメージですが、
生マッコリだけでも複数の選択肢があるのは嬉しいことです。
あとは黒豆マッコリなどのフレーバー系もいくつかあります。

もっと頑張る店であれば、国産マッコリを加えてみるとか、
ノンアルコールのドリンクをもっと充実させるとかも面白いですね。
ドリンクメニューを見るだけでも、

「この店は気合い入っているなぁ!」

と伝わるものは多々あります。

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仕上げに頼んだタットリタン(鶏肉と野菜の鍋料理)。

「定番料理もあらかた揃っている!」

というのも新大久保では大事な要素ですね。
韓国料理ビギナーの方が思う、

「あの料理を食べてみたい!」

という需要にどの角度からも応えられるということ。
料理の数にして3~40種類ぐらいでしょうか。
抑えて当然、という料理もだいぶ増えてきたように思います。

というような意味から「美名家」はオススメしやすい店。

まあ、ダラダラ書くまでもなく、使い勝手がよいということですね。
いつもお世話になっており、本当にありがたい限りです。

店名:美名家
住所:東京都新宿区大久保1-9-17寿ビル2階
電話:03-3203-4088
営業:11:30~24:00
定休:月曜日(祝日の場合は翌日)



8 Responses to 新大久保「美名家」でポッサム&ヤンニョムホタテほか。

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