今里(大阪)「万宝家」で大阪式韓国料理&居酒屋料理。

12111001.jpg

大阪出張2日目の夜は、大阪賢人会議とでもいいますか、
とにかく大阪の韓国事情に詳しい人が集まりました。

僕らはよく、「韓国業界は狭い」なんてことをいいますが、
東京に比べると、大阪は狭いというより濃密である気がします。
在日のコミュニティがしっかりしているのもあるでしょうが、
少し人を介せば、すぐ手が届くところに次の人がいる印象。

ぽろっと気になる店の話をしただけで、

「あー、あそこの社長はねぇ」

とその方の人柄から、現在に至るまでのキャリア、
現状の戦略まで、身内かのごとく情報がわらわら飛び出てきます。
年に1~2度しか、大阪を訪ねることができない僕にとって、
大阪最新韓国事情を学べるなんとも貴重な夜でした。

その会場となったのが今里の「万宝家」。

お店の表記では「マンボーチップ」と読みを振るようですが、
八田表記で書くなら「マンボチプ」という感じですか。

鶴橋の隣駅である、近鉄大阪線の今里駅が最寄りですが、
桃谷の生野コリアタウンを抜けた先、という立地でもあります。

なかなかに迫力のある店構えと……。

12111002.jpg

ハングルの暖簾になんとも期待が高まりました。

店内はテーブル席にカウンター、奥に座敷とゆったりですし、
それ以前に、甕などの置かれた中庭まであったりします。
きれいにまとまっているので、会食などにもちょうどいいですね。

12111003.jpg

こちらの店の名物料理が、蒸し豚(キムチ付き)。

ご覧の通り、スライスをした蒸し豚に、白菜キムチと、
チョジャン(酢コチュジャン)風のソースを添えたセットです。
イメージとしては、ポッサム(茹で豚の葉野菜包み)にも近いですが、
決してイコールではなく、蒸し豚は蒸し豚という料理ですね。

きちんと韓国語にするなら、テジゴギピョニュク。

茹でるか、蒸した豚肉を、食べやすく薄切りにした料理です。
もともと在日家庭での、祭祀料理として食べられていたものが、
こうして家庭料理店の看板メニューにもなっています。

ほかにも、蒸しホルモン、蒸し鶏といった料理がメニューに並んでおり、
これらを見ると、在日系の韓国料理店という雰囲気が高まります。
新大久保のようなニューカマー系の町では、なかなか見ない面々ですね。

こういう料理がごく自然に出てくると、

「ああ、大阪に来たなぁ!」

と嬉しくなります。

しかもこの日の蒸し豚は、しっとり食感で絶妙の柔らかさ。
チョジャン風のソースも酸味のバランスがよかったですねぇ。

こんな料理に舌鼓を打ちつつ……。

12111004.jpg

次の料理は一転して、スルメの天ぷら。

ほかにもゲソの天ぷら、アナゴの天ぷら、天ぷらの盛り合わせ、
揚げ出し豆腐といった居酒屋メニューが完備されています。
韓国料理の中に居酒屋メニューがごく自然に溶け込んでいるのも、
ニューカマー系の韓国料理店では、あまり見ない光景ですね。

……って、それ以前に「スルメの天ぷら」って何!?

という驚きもあったり。

いわゆる、さきイカに衣をつけて揚げた天ぷらなのですが、
関東ではまず見かけず、関西ではごく当たり前の天ダネだそうです。
関東人の僕としては、まったく想像もしていなかった具材。

衣がぶ厚めのフリッター風で、手前にマヨネーズが添えてあり、
食べると確かにさきイカという、B級おつまみ的な味わいでした。

こんな部分でも東京と大阪の違いを感じられるのは楽しいですね。

12111005.jpg

そして、コチラはハチノスポッカ。

こちらもまた在日料理の象徴ともいうべき一品です。
韓国語では「ポックム」となるはずの「炒め物」という単語が、
日本語寄りに順化して「ポッカ」となるのがひとつの特徴。

・キムチポッカ
・イカポッカ
・センマイポッカ
・テッチャンポッカ
・アカセンポッカ
・ミノポッカ
・ハチノスポッカ

といった感じにメニューを並べるとよくわかりますが、
韓国語由来の単語と、日本語がごっちゃに混ざっています。

もうメニューを見るだけで興奮して鼻血が出そうでしたよ。

そう、これこれ、こういうのを見たかったんですよと、
ひとり大騒ぎをしてしまうぐらいに、大阪的なラインナップです。
まあ、大阪以外でも在日系の店なら同じような料理が並びますが、
それを色濃く感じられるという意味で、大阪的ということです。

ちなみに興奮を禁じえないメニューはほかにもあり……。

・チャリフェ(スズメダイの刺身)
・チャリムルフェ(スズメダイの冷や汁風刺身)
・済州産アマダイ塩焼き
・タチウオ韓国風焼き
・アワビのお粥

こんな感じに済州島料理がさりげなく含まれています。
済州島出身の在日が多い、大阪ならではの光景ですね。

12111006.jpg

レンコンの肉詰めや、カキフライなんかも頼みつつ。
在日料理と居酒屋料理を肴に、ディープな韓国談義を堪能。
なんと表現すればよいのか、

「贅沢!」

な満足感が全身に心地よく巡りました。

ひとしきり飲んだら、次は鶴橋のイギリス風パブで2次会。
さらには北浜まで移動して、立ち飲みで地ビールなどをぐいぐい。
6日酔いを7日酔いにする、幸せな時間を過ごしました。

北浜のビアパブでは、お店のマスターとの会話に、

「韓国料理というと○○さんをご存知ですか?」
「えっ、ついさっきまで一緒に飲んでいたばかりですよ!」

というやり取りもあったり。
大阪の韓国事情はやっぱり濃密な人間関係で構築されていますね。

そんな大阪ならではの空気を満喫させて頂いた兄さん、姉さんに、
昨日と同様、改めて深く感謝の意を示したいと思います。
連日、同じ終わり方で恐縮ですが……。

ありがとうございましたっ!

店名:万宝家
住所:大阪府大阪市生野区新今里3-11-20
電話:06-6752-6718
営業:17:00~23:00
定休:日曜日



2 Responses to 今里(大阪)「万宝家」で大阪式韓国料理&居酒屋料理。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

 

 
 
previous next