昨日発表された韓国料理の日本語表記を抜粋。

昨日からの続きです。
韓国料理の外国語表記を韓国農林水産食品部が発表した件で、
とりあえず、送ってもらった資料のうち日本語部分を抜粋しました。

276MBもある巨大な資料で、ダウンロードするにも一苦労。
しかも「hwpファイル(アレアハングル)」で作成されているので、
ビューアーしかない環境では、コピーペーストすらできません。
ひとつひとつ手打ちしたので、打ち間違いがあったらすいません。

資料には韓国語読みの英文表記(ルビ的なもの)と簡単な説明。
その英語訳、日本語訳、中国語訳がセットになっています。
日本語訳の部分にはカタカナ表記と、料理の簡易説明もあります。

以下に124種類のカタカナ表記と簡易説明を抜粋してみます。
このほかに、3行ほどの料理説明がそれぞれ加えられています。

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<飯(パッ)>
キムパッ(韓国式のり巻き)
キムチポックムパッ(キムチチャーハン)
トルソッピビムパッ(石焼ピビムパッ)
パッ(ご飯)
プルコギトッパッ(プルコギ丼)
ピビムパッ(ビビンパ)(混ぜご飯)
サンチェピビムパッ(山菜ピビムパッ)
サムパッ(葉野菜包みご飯)
ヨンヤントルソッパッ(栄養釜飯)
オジンオトッパッ(甘辛いか炒め丼)
コンナムルクッパッ(豆もやしのスープご飯)

<粥(チュッ)>
チャッチュッ(松の実のお粥)
※1:アワビ粥の写真が入っているもテキストがチャッチュッと共通
ホバッチュッ(かぼちゃのお粥)
フギムジャチュッ(黒ごまのお粥)
<麺(ミョン)/餃子(マンドゥ)>
マンドゥ(韓国式餃子)
ムルネンミョン(水冷麺)
ピビムクッス(甘辛混ぜそうめん)
ピビムネンミョン(甘辛混ぜ冷麺)
スジェビ(韓国式すいとん)
チャンチクッス(韓国式にゅうめん)
チェンバンクッス(大皿辛味そば)
カルクッス(韓国式うどん)

<スープ(クッ)/鍋(タン)>
カルビタン(カルビの煮込みスープ)
カムジャタン(豚背骨肉とじゃがいも鍋)
コムタン(牛肉の煮込みスープ)
テンジャンクッ(韓国式みそ汁)
トックッ(韓国式お雑煮)
トッマンドゥクッ(餃子入り雑煮)
マンドゥクッ(餃子スープ)
メウンタン(魚の辛味鍋)
ミヨックッ(わかめスープ)
プゴクッ(スケトウダラのスープ)
サムゲタン(参鶏湯)
ソルロンタン(牛骨肉の煮込みスープ)
ウゴジカルビタン(白菜とカルビの煮込みスープ)
ユッケジャン(牛肉の辛味スープ)
ヘムルタン(辛味海鮮鍋)

<鍋(チゲ)>
キムチチゲ(キムチ鍋)
テンジャンチゲ(みそ鍋)
プデチゲ(ソーセージの辛味鍋)
スンドゥブチゲ(おぼろ豆腐の辛味鍋)
チョングッジャンチゲ(納豆みそ鍋)
ヘムルスンドゥブチゲ(魚介とおぼろ豆腐の辛味鍋)

<寄せ鍋(チョンゴル)>
コッチャンチョンゴル(牛もつ辛味鍋)
クッスチョンゴル(麺入り寄せ鍋)
トゥブチョンゴル(豆腐の寄せ鍋)
マンドゥチョンゴル(餃子の寄せ鍋)
プルナッチョンゴル(牛肉とたこの寄せ鍋)
シンソルロ(神仙炉鍋)

<蒸し煮(チム)>
カルビチム(牛カルビの煮込み)
タッチム(鶏肉の辛味炒め煮)
タッペッスッ(鶏肉の水炊き)
ポッサム(ゆで豚肉)
スユッ(ゆで牛肉)
アグチム(あんこうの辛味蒸し煮)
チョッパル(豚足のしょうゆ煮)
ヘムルチム(海鮮の辛味蒸し煮)

<ナムル類(ナムルリュ)>
クジョルパン(8種のクレープ包み)
ナムル(野菜の和え物)
トトリムッ(どんぐりこんにゃくの和え物)
オイソン(飾りきゅうりの甘酢がけ)
チャッチェ(野菜と春雨の炒め物)
タンピョンチェ(ところてんの和え物)
ヘパリネンチェ(クラゲの冷菜)

<煮物(チョリム)/炒め物(ポックム)>
カルチチョリム(太刀魚の煮付け)
コドゥンオチョリム(さばの煮付け)
トゥブチョリム(豆腐の煮付け)
ウンデグチョリム(銀だらの煮付け)
クンジュントッポッキ(宮廷もち炒め)
※2:たこ炒めの写真が入っているもテキストがクンジュントッポッキと共通
トゥブキムチ(豆腐キムチ)
トッポッキ(もちの甘辛煮)
オジンオポックム(いか甘辛炒め)
チェユッポックム(豚肉甘辛炒め)

<焼き物(クイ)>
コッチャンクイ(牛もつ焼き)
トドックイ(つるにんじんの辛味焼き)
テジカルビクイ(豚カルビ焼き)
トッカルビ(粗挽きカルビ焼き)
トゥッペギプルコギ(土鍋プルコギ)
ロースピョンチェ(牛ローススライス)
プルコギ(韓国式すき焼き)
サムギョッサル(豚の三枚肉焼き)
センソンクイ(焼き魚)
ソカルビクイ(牛カルビ焼き)
オリクイ(鴨肉焼き)
チュンチョンタッカルビ(鶏肉の辛味鉄板焼き)
ファンテクイ(スケトウダラ辛味焼き)

<チヂミ(チョン)>
カムジャチョン(じゃがいものチヂミ)
ケランマリ(韓国式卵焼き)
キムチチョン(キムチのチヂミ)
モドゥムチョン(チヂミの盛り合わせ)
ピンデトッ(緑豆のチヂミ)
パチョン(ねぎのチヂミ)
ヘムルパチョン(海鮮とねぎのチヂミ)

<刺身(フェ)>
センソンフェ(魚の刺身)
ユッフェ(ユッケ・牛刺し)
ホンオフェムチム(えいの和え物)

<キムチ>
コッチョリ(浅漬けキムチ)
カットゥギ(角切り大根キムチ)
ナバッキムチ(大根と白菜の水キムチ)
ペチュキムチ(白菜キムチ)
ペッキムチ(白キムチ)
ポッサムキムチ(白菜の包みキムチ)
オイソバギ(きゅうりキムチ)

<漬物(チャンアチ)/塩辛(チョッカル)>
チャンアチ(漬物)
カンジャンケジャン(かにのしょうゆ漬け)
チョッカル(塩辛)

<餅(トッ)/菓子(ハングァ)>
キョンダン(韓国式団子)
クルトッ(蜂蜜もち)
ペッソルギ(白蒸しもち)
ヤッシッ(韓国式おこわ)
ファチョン(花びらの焼きもち)
カンジョン(韓国式おこし)
タシッ(韓国式らくがん)
ヤックァ(揚げ菓子)

<飲物(ウムチョンニュ)/韓定食(ハンジョンシッ)>
ノッチャ(緑茶)
メシルチャ(梅の実茶)
スジョングァ(しょうがとシナモンの飲み物)
シッケ(韓国式甘酒)
オミジャファチェ(五味子の飲み物)
ユジャチャ(柚子茶)
インサムチャ(高麗人参茶)
ハンジョンシッ(韓定食)
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ざっと見る限り、町中の韓国料理店で見るよりは正確です。
かなりの部分で僕が普段使う表記と共通するのですが、
やはりいくつかは違和感のある表記もありますね。

昨日の記事にも書きましたが、

1、基本となる料理法の表記は発音変化と関係なしに統一
2、パッチムのうち「k」と「p」の音は「ッ」で表記
3、一部の発音変化は無視

という特徴が見られるようです。

例えば1は「チヂミ」を「チョン」と表記することにしたため、
その前に「なんたらチヂミ」としたときも、濁音化が適用されません。
ネギ入りのチヂミを「パ(ネギ)+チョン(チヂミ)」で「パチョン」。
耳にする音として近いのは、「パジョン」、または「パヂョン」ですけどね。
このあたり、実に難しい問題で僕もときおり悩みます。

例えば、白菜キムチのことを「ペチュキムチ」と僕は書きますが、
これも「パジョン」と統一するなら、「ペチュギムチ」とすべきところ。
でも、キムチの一種として文中で把握しにくいがために、
「ペチュキムチ」のほうをこれまでは採用してきました。
発音用のルビとして書くときのみ「ペチュギムチ」を使います。

そして、いちばん違和感があるのは、やはり2ですか。

「k」のパッチムを「ッ」とする立場は納得しやすいのですが、
「p」のパッチムも「ッ」としてしまうんですね。

ごはんを「パプ」とせず、「パッ」とするのはまだしも、

・チャッチェ(野菜と春雨の炒め物)
・サムギョッサル(豚の三枚肉焼き)

語中に登場する「p」パッチムは印象がかなり違います。

あと、3については、1と共通する部分がありそうですね。
料理法や食材名の元単語を活かすために濁音化を無視していたり、

・ムルネンミョン(水冷麺)

のように、流音化(n+rの結合でrrに変わる)が無視されていたり。
これは僕も表記が揺れており、「ムルネンミョン」とすることがあれば、
「ムルレンミョン」と書いている場合もあったりします。

ただ、その一方で、

・シンソルロ(神仙炉鍋)

は流音化を適用していますね。
合成語と、それ以外という分類もあるのかもしれません。

もうひとつ、

・チョングッジャンチゲ(納豆みそ鍋)

では濃音化も適用しないんですね。
テンジャンチゲの「ジャン」でも統一を図ったのでしょうか。
他のケースは違和感がありつつも、納得ができるのですが、
唯一、これだけはなんでこう表記したのか不思議です。

そのほか料理の簡易説明も、何これ? 的なものがあり、
いろいろ指摘したいことはありますが、とりあえずそれはまた今度。
ちょっと自分のカタカナ表記も、全面的に見直してみたいと思います。
僕自身もいつかは取り組もうとしていた問題なので。

それと、ひとつ指摘しておきたいのは……。

公的な文書なのに、内容の重複があるのはいただけません。
たぶんコピペしたまま、修正するのを忘れたんでしょうね。
アワビ粥と、タコ炒めの部分、前のページと内容が一緒です。
韓国語部分はきちんとしているので、たぶんチェック漏れですね。

とりあえずは考察に必要な部分だけを抜粋しましたが、
こういう資料はできるだけ多くの人の目に触れたほうがいいはず。
農林水産食品部のページからは見つけられませんでしたが、
もしどこかアップされているところをご存知の方は教えてください。
データを送ってくれた担当の方にも、ネット上での公開可否など確認中です。



9 Responses to 昨日発表された韓国料理の日本語表記を抜粋。

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