広島に行く直前の金曜日。
銀座で韓国料理を食べる会が小規模に催されました。
「銀座で」などと書くとものものしいですが、
「銀座に行きたい店があるんですけど、いかがでしょう?」
「あ、いいですよー」
という軽いノリで決まりました。
にもかかわらず、目当てのお店に予約の電話を入れたら、
金曜日の夜ということもあって、見事に満席。
すでに待ち合わせ場所を銀座に決めていたため、
大慌てで次の候補を脳内検索した次第です。
人間、必死になればいろいろなことを思い出すものですね。
銀座にもう1軒、新しくできた韓国料理店がありました。
オープンからまだ2ヶ月程度というほやほやの新店。
近年、流行のレトロスタイルで店内を飾っており、
メイン料理はテペサムギョプサルというお店です。
テペサムギョプサルは直訳すると「カンナの豚バラ肉」。
上の写真を見て頂くとよくわかるかと思いますが、
カンナで削ったように極薄というのが特徴です。
肉が薄いというのが、売りになるというのも不思議な話ですが、
しっかり理由があるというのがまた面白い点ですね。
銀座にあっても屋台スタイルを掲げる親しみやすい店舗。
お通しにはざっくりと切ったキャベツが出てきました。
壁には路地を模した、シャッター通り風の絵がかかれ、
その上にはレトロな雰囲気の看板が飾られていました。
銀座でいうと「韓豚屋」に、よく似たスタイルという感じですか。
一瞬、同じ会社かと思いましたが、また別みたいですね。
「かまくら」とか、「もつ道」などを運営する会社ののようです。
まずはナムル盛り合わせとともに……。
コリコリミミガー。
おすすめされていた鉄板棒餃子。
「ん、これって韓国料理!?」
と詳しい人であれば悩むところでしょうが、
韓国料理にこだわらない韓国料理店は増えています。
あくまでも韓国をコンセプトとした居酒屋という感じですね。
いろいろなところで話を聞くのですが、
「構えずに食べられる韓国料理」
というのは大事なのだそうです。
確かに僕らはなんの迷いもなく新大久保あたりに踏み込みますが、
馴染みのない人たちからは、よく敷居が高いといわれますしね。
その敷居を削る作業が、こうしたあたりに出ているのかもしれません。
プルタク(激辛のグリルチキン)も辛さはほどほど。
新大久保あたりでは、むせ返るほど辛いものに出会いますが、
充分食べられるぐらいに抑えてありました。
むしろテペサムギョプサルについてきた青唐辛子のほうが、
予想外に辛くて、みんなヒイヒイいっておりました。
そのテペサムギョプサルがこちら。
薄切りにしたロールの状態でいったんタレに浸し、
焼き板に配したところ、レタスをわさわさと載せます。
こちらの売りは、まさにこのレタス載せという点。
脂の味を、さっぱりさせる効果があるようです。
テペサムギョプサルはもともと野菜とともに広まった食べ方。
サムパプという葉野菜でごはんを包む料理とともに、
焼き肉も一緒に包む、という発展系から進化しました。
この場合、肉が分厚いと包みにくい上に一体感に欠けるんですね。
野菜と合わせるのに適した豚焼肉というスタイルです。
歌舞伎町に本店があり、最近支店を増やしている「とん豚テジ」や、
サムパプ専門の新大久保「菜彩厨房さんぱ家」、赤坂の「ヌルンジ」など。
テペサムギョプサルを扱う店は、東京だけでもそれなりにあります。
「韓韓市場」の参入で、プチブームのようになってきましたね。
見た目のヘルシーさも手伝って、意外に流行るかもしれません。
分厚い豚焼肉とは、また違ったよさを楽しめる料理です。
もうひとつの売りがスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)。
ランチメニューに10種類を揃えているそうですが、
こちらはちょっと、甘味の強い仕上がりになっていましたね。
韓国料理が辛い、というのはある程度広い認識ですが、
その辛さを中和するために、甘味方面へと傾くケースはままあります。
日本で作られているキムチが妙に甘いのも同じ理由でしょうね。
韓国の味に慣れると、どうしてもこの甘さが気になります。
特にチゲ系の料理はその傾向が強いですね。
シメに頼んだプデチゲ(ソーセージ鍋)のスープもやはり甘め。
また、スープが最初、たっぷりの具に隠れて見えにくいため、
「これスープ入っているんですかね?」
「忘れられたりしていないですよね?」
「店の人に聞いてみます?」
と不安になります。
でも、話をしているうちに、水分がどんどん出てきて、
「うわ、ちゃんと鍋料理になった!」
という驚くような仕掛け。
具だくさんで汁は少なめ、というのはチゲの鉄則ですが、
見ている限りでは、楽しい演出でした。
といった感じに、ヤカンのマッコリを飲みつつ2時間少々。
楽しく飲んで、その後、有志を募って2次会へと移動しました。
会場は予約をとれなかった、さらに新しい銀座のもう1軒。
次回の記事へと続きます。
店名:韓韓市場
住所:東京都中央区銀座8-10-17銀座サザンビル3階
電話:03-3573-9977
営業:11:30~14:30、17:00~23:30(月~金)、17:00~23:30(土、日、祝)
定休:なし
http://www.rincrew.co.jp
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