新大久保「海家」で貝料理&魚介料理三昧。

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職安通りから歌舞伎町に入った路地の地下。
ちょっとわかりにくい場所でひっそりとオープンした店ですが、
貝焼きの専門店、ということで気になっておりました。
以前は何軒かありましたが、いまはたぶんここだけでしょうね。

冒頭の写真が自慢料理の貝焼き盛り合わせですが、
驚いたのは値段。タイラギ、ハマグリ、アワビ、牡蠣などが写真の量で、

「3000円!」

というのはけっこう破格の値段じゃないですか?
なんでも店のオーナーさんが、水産会社を経営しており、
普段は韓国や日本各地の漁場から、市場に卸す仕事をしているとのこと。
築地あたりに持っていく海産物を、そのまま店に運んでいるため、
一般の店に比べ、市場、仲買という2ヶ所をカットしていることになります。

貝料理で安い、となると微妙に鮮度が心配だったりもしたのですが、
安さの秘密を聞いて、ああ、なるほどと納得した次第です。

なお出している貝は、みな活きたものを使用しているとのこと。
新鮮なものを焼いて食べる、というシンプルさがいいですね。

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焼けた貝は店員さんが、食べやすい大きさにカットしてくれます。
上の写真はブログ用として、カットする前のを撮っています。
盛り合わせだと、誰がどの貝を食べるかケンカになりそうですが、
みんなでチョコチョコつまめる、というのはいいことですね。

なお、食べたい貝は単品でも注文可。

・活アワビ……650円
・活ホタテ……250円
・活カキ……120円
・活ハマグリ……250円
・活サザエ……120円
・活ムール貝……100円
・活タイラギ貝……650円

なんてメニューを見ると悩みますね。

アワビが1個650円というのも充分安いですが、
サザエ120円あたりを、ずらり並べて焼くのも楽しそう。
ちなみにこの日食べた中では、ハマグリが大ぶりで美味しかったです。
焼き方もバター焼き、コチュジャン焼きなどいろいろ楽しめる様子。
日本人としては、醤油だけ、といった食べ方も試したいですね。

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まだオープンから間もないため、メニューはいろいろ試している様子。
こちらはアワビを醤油ダレで煮込んだ、いわゆるチャンジョリム。
韓国風に作った、煮貝といった感じでしょうか。

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鍋からはみ出まくっている、貝の蒸し煮。
これも出てきたときは、正直、目を疑いましたね。

かさばる貝殻がスペースの大半とは頭でわかっていても、
これがテーブルに出てきたらボリューム感に圧倒されます。
ちなみに鍋の底にはスープとともにテナガダコが沈んでいたり。
大量の貝に踏み潰された不幸なタコ、という想像すらしてしまいます。

こちらも店員さんが、貝を取り分けてくれるので楽ですね。
焼いても鍋でも楽しめる、というのは嬉しい趣向です。

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個人的に大興奮だったのがコチラ。
メセンイ(カプサアオノリ)をたっぷり入れたスープなのですが、
要するに海藻のスープで牡蠣も入っています。

メセンイは全羅道の海側でとれるアオノリの一種、
ソウルあたりでも、あまり見かけることのない珍しい食材ですね。
僕もジョン(衣焼き)として食べたことが何度かある程度。
これだけたくさんの量で食べるのは初めての体験です。

海苔ともまた違う、磯の風味を凝縮したスープ。
冷たくして食べるバージョンと、温かいスープの2種類があり、
メセンイの風味を楽しむなら、温かいほうがくっきり味わえますね。
冷たいほうはネングクと呼ばれる料理で、酸味を効かせて作ります。
夏場にさっぱり飲むなら、冷たいほうが爽快でしょう。

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そのほか、茹でたワタリガニや……。

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イクラの醤油漬けなども出して頂きました。
どちらもレギュラーメニューには見当たらないので、
たまたまあったのか、裏メニューとして置いてあるのか。
経営母体が水産会社であることを考えると、

「とりあえずいろいろな魚介類がある」

といった厨房状況なのかもしれません。
魚介好きには、まあなんとも幸せな店です。

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こちらも新メニューとして開発中の商品。

なんとも贅沢なアワビ入りのサムゲタン(雛鶏のスープ)なのですが、
上に載っている1個のほか、お腹の中にももう1個詰まっています。
韓国では最近、この手のサムゲタンもよく見かけるようになりましたが、
日本ではまだまだ海鮮と組み合わせる例は珍しいですよね。

「で、これいくらなんですか?」
「んー、3000円ぐらい?」

とお店の方。
3000円って、普通のサムゲタンと変わらないじゃないですか。
実際にメニューに載せるときは、もう少し高めにするのかもしれませんが、
どうも店の考え方として、値段をできるだけ安くというのがあるようです。

客としては嬉しいことですけどね。
話を聞いていると、逆に心配したくなるぐらい。

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シメにしたのはチョンボクトルソッパプ。
アワビをスライスして入れた炊き込みごはんです。
これまでの流れがありましたから、普通に食べてしまいましたが、
これも冷静に考えると、贅沢な料理ですよね。

値段が1200円って、やっぱり石焼きビビンバと大差ありません。
自分の中で考えるアワビの希少性と貴重さが破壊される店です。

あんまり不思議だったので、

「これってチリアワビ(ロコ貝)だったりします?」

などと失礼なことも聞いてしまいましたが、
韓国の莞島産エゾアワビを使用しているとのこと。
莞島といえば海苔の養殖で有名なところですが、
その海苔を食べて育てているので、味がいいとの説明でした。

いやはや、それにしてもたくさんの貝を食べました。

あと、いま思いましたが、貝はたっぷり食べたとしても、
基本的にローカロリーなので、それも大きなメリットかもですね。
リーズナブルでヘルシーな料理を楽しめる韓国料理店。
いまのところ、まだあまり知られていない様子なので、
新大久保の新規開拓が好きな方はぜひ足を運んでみてください。

店名:海家(うみや)
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-19-7新田中ビル地下1階
電話:03-6457-6959
営業:18:00~翌6:00
定休:不定休



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