1月下旬。師匠と訪れたのはいつもの「南陽屋」です。
東新宿駅と若松河田駅の中間に位置する家庭料理店。
江原道横城郡出身のママさんが切り盛りしています。
席について飲み物も頼まないうちから、
ひょいっと運ばれてきたのが、冒頭の写真。
これを説明なしに、なんという料理か当てられる方は、
おそらく無類の江原道通ではないかと思います。
事実、この日はそうそうたる韓国通が集まっており、
それぞれがあれやこれやと料理名を挙げましたが、正解はなし。
江原道の特産品である蕎麦粉で包まれているのはわかりましたが、
「メミルジョン(蕎麦粉のチヂミ)ですか?」
「いや、メミルトク(蕎麦餅)というんじゃなかったかな」
「済州島のピントクに似てますよね」
と答えが出ません。
結局、ママさんが教えてくれましたが、
「わたしらはチョントクっていったけどね」
とのセリフに反応できたのは師匠だけ。
僕もまるで聞いたことのない料理名でした。
いやはや知らない料理、まだまだたくさんありますね。
ちなみにチョントクを直訳すると「銃の餅」。
その形状が銃床に似ていることから、
チョントクと呼ばれるようになったそうです。
蕎麦粉という意味を加えて、メミルチョントクとも呼ぶようですね。
蕎麦粉の生地で大根や白菜キムチを巻いており、
この日はキムチのほかにモヤシなども入っていました。
素朴な味わいですが、これがなんともいえず美味しい。
たぶんママさんが子どもの頃から食べていた料理なんでしょうね。
たまたま作ったから出してくれたのでしょうが、
こういう料理こそメニューに載せたらいいのに、と思います。
江原道料理が食べられる店って、本当に少ないですから。
さて、その他の料理は「南陽屋」名物をずらり。
かつて師匠が風邪を引くたびに食べていたニンニク焼き。
コンニャク入りのスジ煮込み。
残った煮汁にはごはんを入れて食べると美味です。
カムジャジョン(ジャガイモのチヂミ)と……。
トンテチゲ(スケトウダラ鍋)は立派な江原道料理。
この写真では見えませんが、ぶつ切りにしたスケトウダラが、
赤いスープの下にたっぷりと沈んでおります。
こちらはナクチボックム(テナガダコ炒め)。
この店で食べたのはたぶん初めてだったと思います。
びっくりしたのはこれですか。
夏季限定で発売される翡翠色のコングクス(豆乳麺)。
通常は大豆で作るところを、この店では枝豆にアレンジしています。
従って、枝豆が出回る時期しか置いていないはずですが、
「八田さんのブログを読んで頼む人がたまにいるのよ」
という理由でシーズンオフにも準備せざるを得なくなった模様。
いろいろ気を遣って書いているつもりでも迷惑かけますね。
なんとも申し訳ない限りですが、とりあえずその場では一同大喜び。
久しぶりに緑鮮やかなコングクスを楽しみました。
といった感じに1次会は終了。
有志で2次会に行き、3次会は師匠宅だった模様。
2次会終了時で失礼したので、そこまでは参加できませんでした。
ギリギリでしたが、なんとか終電で帰宅できたのは幸い。
ブログの記事にはなっておりませんが、その2日前に終電を逃し、
禁断のタクシー帰りをしてしまったのは深い反省事項です。
店名:南陽屋(なみゃんおく)
住所:東京都新宿区新宿7-1-4
電話:03-3202-6888
営業:11:30~14:00、17:00~翌2:00(月~金)、17:00~24:00(土、日、祝)
定休:第2、4日曜日
<過去の関連日記>
(02月24日)東新宿「南陽屋」でトンテチゲ。
(04月24日)東新宿「南陽屋」でトンテチゲ&ニンニク焼き。
(07月09日)東新宿「南陽屋」で翡翠色のコングクス。
(12月17日)東新宿「南陽屋」で江原道料理。
▲(2007年)
▼(2009年)
(01月14日)東新宿「南陽屋」で師匠と打ち合わせ。
2 Responses to 東新宿「南陽屋」で季節外れのコングクス。