鶴橋「Korean Kitchenまだん鶴橋店」で社長とごはん。

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前回の大阪出張時に、オフ会を開きました。
その会場となったのが「Korean Kitchenまだん心斎橋店」。
こちらの店が大阪での最初の食事であったため、
韓食日記においては記念すべき初めての大阪記事となりました。

それだけでも充分にめでたいことですが、予想外だったのは、
その記事に店の社長さんから直接コメントを頂いたこと。
その縁から今回、本店で一緒に食事をする機会が生まれました。

社長さん、取締役さん、そして大阪チンチャトークを主催頂いた、
ピースブリッジの取締役さん、という豪華な顔ぶれでの食事です。
大阪の韓国料理事情など、いろいろ貴重な話を伺えました。

そして頂いた料理のほうも、社長さんチョイス。

「まだん」は大阪でもモダンなイメージの韓国料理店ですが、
出てきた料理を見て、大きな発見をすることになります。

冒頭の写真は、スープ状のコブクロたたき。

原型は済州島料理のセッキフェ(豚胎児の刺身)でしょうか。
済州島には豚の子宮、羊水、胎児をそのまま刺身に仕立て、
粉唐辛子や他の薬味類を混ぜて食べる郷土料理があります。
東京でもしばらく前までは上野あたりで食べられたとか。

さすがに胎児入りのものはもう食べられないようですが、
コブクロ(子宮)だけのものは、いくらか残っているようです。
実際に東京で食べたことはまだないんですけどね。

それが大阪に行けば当たり前にある、とも聞いていましたが、
いきなり1品目として出てきたのがこれで驚きました。

コリコリとした歯触りのコブクロが細かく刻んで入っており、
酸味と辛味が折り重なった、冷たいスープと頂きます。
思った以上に爽快感あふれるさっぱりとした味わい。
真夏の暑い時期には、いいスタミナ源になりそうですね。

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炒めずに和えて作る方式のチャプチェ(春雨炒め)。
全部の食材を一斉に炒めて作ることも多いですが、
丁寧に作るのであれば、素材を個々に炒めて最後に和えます。

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面白いなと思ったのが、この豚キムチポッカ。
豚肉とキムチを炒めた料理ですが、
「まだんの挑戦状」というメニューに含まれています。

(2辛)辛口オモニの唐揚げ
(3辛)炎の焼鳥プルタッ
(4辛)痛い系青唐辛子のチヂミ
(5辛)ムチャぶり豚キムチポッカ
(6辛)そのまんま青唐辛子と特製味噌
(7辛)グツグツ熱辛キムチチゲ
(8辛)真っ赤なユッケジャンスープ
(10辛)最強ピビン麺

というメニューに辛い指数のぶんだけ唐辛子の絵がついており、
「あなたはどこまで食べられますか」、とあおっています。
ここまで書かれると、チャレンジしたくなるのが人のサガ。
ネーミングの面白さも相乗効果となっているでしょうね。

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こちらも印象的だった蒸し物の盛り合わせ。
豚肉、鶏肉、ハチノス(牛の第2胃)などの蒸し物を、
大皿に盛り合わせて塩か、ヤンニョム(薬味ダレ)、
またはアミの塩辛につけて食べます。

東京ではこういう料理はあまり見ないですよね。
在日の家庭で作る、祭祀料理の系統だと思います。

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サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)。

社長さんが焼いてくれたものを、取締役さんが葉野菜で包み、
「はい、どうぞ」と渡してくれる超VIP待遇に恐縮しきり。
申し訳ないくらいに贅沢な食べ方をさせて頂きました。

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こちらのキムチは長芋で作ったもの。
シャクッっとした歯触りと、独特の粘り気が特徴です。

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そして、今回「まだん」でぜひ食べたかったのがケジャン
ワタリガニを薬味ダレに漬け込んだ料理ですが、
身を食べた後にもうひとつのお楽しみがあります。

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ケジャンのタレと身の残りで作る絶品チャーハン。
温泉卵と韓国海苔を加え、全体を突き崩して食べます。
この2度美味しい、というのがなんとも嬉しいですね。

といった感じの料理を食べて思ったこと。

最初にも書いた通り「まだん」というのはずいぶんモダンな店です。
客層も若いですし、大阪各地に店舗展開もしています。
同じように展開を進めている店自体は東京にも多いですが、
料理のラインナップを見る限り、立ち位置が微妙に異なる気がします。

東京の韓国料理は新大久保に代表されるように、
80年代以降に韓国から来たニューカマーの料理が主流です。
そこをアレンジしつつ、新しい韓国料理がどんどん生まれており、
現在進行形で新しいタイプの店が注目を浴びてきています。

それとは逆に大阪は鶴橋、桃谷のコリアンタウンに代表されるように、
在日1世、2世が作り上げた焼肉店、ホルモン店が強く定着しています。
今里、東心斎橋、島之内あたりを中心にニューカマーの店も多いですが、
僕が見た限り、インパクトとしては東京ほどではないようです。

僕は韓国料理店のジャンルを個人的に、

第1世代:在日1世、2世の焼肉店、ホルモン店など
第2世代:ニューカマーの韓国家庭料理店
第3世代:コリアンダイニングなど新しい韓国料理店(+α)

と分類しているのですが、
この第3世代の出発点が違っているのだと思います。

東京ではほとんどが第2世代に対してのアレンジですが、
大阪ではそこに第1世代からのアレンジが色濃く影響している。
東京と大阪での韓国料理の根付き方がそこでよくわかります。

「大阪の韓国料理は本当に面白い!」

と僕が感激しているのはこういう部分でしょうね。
東京で少しずつ「ちりとり鍋」のような料理が進出しているように、
今後、大阪テイストの韓国料理は東京の韓国料理とも交じり合うはず。
どんな時代がやってくるのか、今から非常に楽しみです。

店名:Korean Kitchenまだん鶴橋店
住所:大阪府大阪市天王寺区舟橋町5-14ループ真田山1階
電話:06-6767-2525
営業:17:00~翌1:00(月~土)、17:00~23:00(日、祝)
定休:不定休

<過去の関連日記>
(06月11日)心斎橋「KoreanKitchenまだん心斎橋店」で大阪オフ会



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