先日、取材でお邪魔したコチラのお店。
あまりに美味しそうな話ばかり聞かせて頂いたので、
我慢できず、プライベートでもう1度お邪魔してきました。
これまでも取材で食べたり、ランチで利用することはありましたが、
ディナーメニューをゆっくり食べるのは初めてです。
冒頭の写真、いきなり美しいポッサム(茹で豚)ですが、
これがこの冬から初めた新商品とのこと。
最近はどこの店にもあって、人気のある料理ですよね。
奥にある塩漬け白菜と、エゴマの葉で豚肉を包み、
左側にある大根キムチと、右側のアミの塩辛で味付けます。
サムジャン(合わせ味噌)を出す店も多いですが、
アミの塩辛と豚肉は、韓国では定番の組み合わせです。
なんでも豚肉の消化を促進させる役割があるとかなんとか。
また、アミの塩辛もそのままではなく、粉唐辛子などを加えた、
アミの塩辛ベースのヤンニョムジャン(薬味ダレ)でした。
見た目の見事さ通り、素晴らしい味わいでしたが、
もっと驚かされたのが、その奥に控えるウゴジクク。
ポッサムの豚を茹でた残りの汁を有効利用したもので、
ポッサムを頼むと、サービスで一緒についてきます。
白菜を具にした、味噌味のスープというだけなのですが、
びっくりするほど白菜が甘く、食べつつも後を引く味わい。
豚肉から出た脂が、いい感じにコクを与えています。
こういう一工夫は気が利いていていいですよね。
ありふれた料理を、特別な一品に押し上げる一手間でした。
箸休めにと思って頼んだトマトサラダにも、
刻んだエゴマの葉と、揚げたスライスニンニクのトッピング。
ちょっとした工夫ですが、しっかり韓国テイストです。
キムチ盛り合わせはサービスで頂いてしまいました。
白菜キムチ、カクトゥギ(大根の角切りキムチ)、
キュウリのキムチという3種が別の器に盛られています。
まあ、とにかく野菜の使い方が見事な店なのですが、
このユッケも、普通のユッケとはひと味違います。
牛肉の合間に、ちょっと異なるシャキシャキの食感。
極細切りのタケノコが忍ばせてあるという仕掛けです。
韓国料理にタケノコを使うっていうのは珍しいんですけどね。
そういえば、コチラのママさんは全羅北のご出身。
全羅道には有名なタケノコの産地がありますからね。
そのあたりから生まれた発想なのでしょうか。
ちなみにこの日は陰暦1月1日にあたる旧正月。
韓国では陰暦で正月を祝うため、お祝いということで、
パッシルトク(アズキの蒸し餅)を頂きました。
アズキの餅は邪気を払う効果があると信じられており、
歳時風俗や、人生儀礼の場によく登場します。
メイン料理にはオリタン(鴨鍋)を注文しました。
小サイズと大サイズがあり、これは2~3人向けの小サイズ。
骨のついた鴨肉に加え、ネギ、ジャガイモなどの野菜が入ります。
韓国でもオリタンはいろいろな作り方がありますが、
タットリタン(鶏と野菜の鍋)の鴨版という雰囲気でしたね。
エゴマの粉と葉っぱがたくさん入っているので、
カムジャタン(豚の背骨とジャガイモの鍋)風の味でもあります。
どうしても肉質が堅いのは仕方ないところですが、
鴨らしい野趣あふれる味わいは魅力的です。
もうひとつのメインとして期待していたプルコギサラダ。
牛焼肉の下にたっぷりの生野菜を敷き詰めた料理です。
ランチの人気メニューとして定食スタイルになっているのですが、
ちょっとした裏ワザ風のアレンジがあり……。
なんと、底にウドンを入れてもらうことができます。
ランチメニューには、しっかり記載されているんですけどね。
定食のイメージが強いと、つい見逃しがちな情報です。
ママさんの息子さんは、店に来るとこればかりを食べるとか。
シメには高麗人参ジュースを注文しました。
高麗人参をミキサーにかけ、牛乳と蜂蜜を加えた飲み物。
下手なものだと、たいてい土臭くて飲みにくいのですが、
ここの高麗人参ジュースは飲みやすく、たいへんに美味です。
ランチに行くと、これがサービスで出てくるという贅沢さ。
赤坂界隈で昼食をとるときは、ぜひともおすすめしたい店です。
もちろんディナーでも目いっぱい楽しんできましたけどね。
さすがに頼みすぎて、おなかがはちきれんばかり。
取材も楽しいですが、やはりプライベートで行くのがいちばんです。
店名:古家庵(こかあん)
住所:東京都港区赤坂3-20-8臨水ビル地下1階
電話:03-5570-2228
営業:11:00~14:00、17:00~23:00
定休:日曜日、祝日
※この店は『東京 本気の韓国料理店』のP84にも紹介されています。
<過去の関連日記>
(07月30日)赤坂「古家庵」でトンテジグイ定食。
2 Responses to 赤坂「古家庵」でポッサム&プルコギサラダうどん。