昨年夏、五味子茶をかけて味わうパッピンス(カキ氷)で、
ヤフーのトップニュースにも載るなど話題を集めた店。
新大久保の「韓サラン」がリニューアルを行ったそうです。
民俗的な店内は同じですが、メニューが一新されておりました。
新しい料理長さんの就任とともに、刷新を図ったようですね。
詳しい話を聞いてみたところ、新料理長は意外な有名人。
ヨン様レストラン「高矢禮」の初代料理長を務めていた方です。
すごい大物を引っ張ってきたな、という印象でしょうか。
なんでもこの料理長さん、宮中料理のみならず、
寺刹料理(精進料理)や薬膳料理の修行も積んでいるとか。
新たなメニューには宮中、寺刹、漢方といった文字が、
さまざまな料理の上に冠されておりました。
冒頭の写真はサムゲタン(雛鶏のスープ)ですが、
見ての通り、スープが茶色に染まった漢方仕立て。
・淫羊藿(イカリソウの葉)
・白朮(オオバオケラの根)
・玉竹(アマドコロ)
・枸杞子(クコの実)
といった韓国でもあまり聞かない漢方薬を入れて煮出しています。
韓国料理を食べていると漢方薬の話題もよく出るので、
僕もある程度の名称は勉強していたんですけどね。
上の2つは聞いたことすらない漢方薬でした。
石焼きビビンバや……。
普通のビビンバも具が豪華になったようです。
緑豆粉を固めたチョンポムクが入っているのもいいですね。
日本で食べることを考えれば、気の利いたひと手間です。
しかもビビンバの味付けには3種類の味を用意。
牛肉コチュジャン、キノココチュジャン、ジャガイモサムジャン。
それぞれの味わいを楽しむことができるそうです。
メニューに並んでいる料理は、家庭料理と共通ですが、
プロの技法を加えて、一味違うものに仕立てているという印象。
本やドラマに出てくる典型的な宮中料理というよりも、
身近な料理を宮中式にアップグレードしたという感じですね。
お店の方が熱烈にすすめてくれたチョレギサラダ。
ごくありふれた料理ですが、
「うちの料理長が作ると違うんです!」
という言葉通り、確かに味付けがフルーティ。
さらりと口で溶ける上品な甘さのチョレギサラダというのは、
これまであまり見ることがなかったように思います。
流行の料理も加えられておりましたね。
テジカルビの先端、バックリブを辛めに味付けて焼いた料理。
韓国語ではトゥンガルビ(背中のカルビ)と呼ばれますが、
ここ数年、少しずつ知名度を高めている部位です。
メニュー名はメウンテジトゥンガルビ。
辛口豚バックリブ焼きという訳がついていました。
サクサクに焼き上げられたノクトゥジョン(緑豆のチヂミ)。
中央にあるタレも、柔らかな酸味が秀逸でした。
全体的にタレ関係は、どれもかなり細かな気配りがうかがえます。
新大久保でこういった料理というのは斬新ですね。
大半は家庭料理でありながら、調理技術にひと工夫ある。
こういうプロの仕事が新大久保にも登場してくるとなると、
また、界隈のレベルが一段階引き上げられるのかもしれません。
唯一の難は値段が少し高めになる点でしょうか。
美味しい料理と値段との綱引きはどこにでもありますが、
新大久保で高めの値段設定がどの程度受け入れられるのか。
そのあたりが実に興味深いところです。
あと、新メニューにも五味子パッピンスはなかったのですが、
今年の夏はまた復活してもらえるのか気になります。
昨年10月半ばに行ったら、もう終わったといわれてガックリ。
独創的なオリジナルメニューだけに通年販売を期待したいです。
冬でも食べたいときは、食べたいんですよね、パッピンス。
そもそも韓国料理ってデザートが少ないですし。
店名:韓サラン(はんさらん)
住所:東京都新宿区大久保1-16-15豊生堂ビル2階
電話:03-5292-1161
営業:11:00~翌1:00
定休:なし
http://www.hanryukan.net/default.php
※この店は『東京 本気の韓国料理店』のP56にも紹介されています。
<過去の関連日記>
(05月08日)新大久保「韓サラン」でアイス五味子茶。
(07月18日)新大久保「韓サラン」で五味子茶パッピンス。
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