日本橋「御廚」で母の還暦祝い。

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8月2日が僕の誕生日ですが、5日は母の誕生日です。
僕のほうはすでに祝いなど、どうでもいいような年齢ですが、
3日遅れで誕生日を迎える母のほうは今年で還暦でした。
せっかくなので、ちょっと特別な韓国料理でお祝いを。

母がヨン様にハマっていたら間違いなく「高矢禮」でしたが、
あいにく韓流ドラマは見つつも、ヨン様には興味がないようで。
もろもろの事情を考慮しつつ、日本橋「御廚」にお邪魔しました。

ちなみに店の確定までにあがっていた条件は下記の通り。

・特別な日なので豪華な料理
・家族での食事なので個室を希望
・祖母の体調面なども考慮

上の2つはたいていどこでもクリアできますが、
大正生まれの祖母を案内できる店というところで悩みました。
最終的に「御廚」に決めたのは妹夫婦が近くに住んでいることから。
いざとなったら、そこで休んで帰ることもできますしね。
また、以前から取材などでお世話になっていたというのもひとつです。

でも、結果として「御廚」でよかった、と思ったのはまた別の理由。
そのあたりは後回しにして、まずは料理を紹介していきましょう。
今回、予約したのは1人1万2000円のパラムコースでした。

冒頭の写真は、最初に出てくる前菜3品。
手前からスルメの和え物、サツマイモの煮物、牛肉の醤油煮ですね。
海のもの、畑のもの、そして肉という3種を揃えてあります。

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続いても前菜的な皿。左から松の実粥、大根と白菜の水キムチ、
魚鮮(オソン)、宮廷蒸豆腐という4種類が並んでいます。

食事の始めにお粥を食べるのは、食欲の増進を促す定番の一品。
松の実ともち米を粉にし、ポタージュ風に炊いたお粥です。
オソンというのは白身魚で牛肉、キノコなどを巻いて蒸した料理。
宮廷蒸豆腐とともに、宮中では酒肴として作られた料理です。
見た目にも美しい料理が、ちょこちょこと出てくるのはいいですね。

これらをつまみながら、ドリンクをビールから百歳酒にチェンジ。
普段から飲んでいる酒ですが、こういう席にはぴったりです。

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手前がチャプチェ(春雨炒め)、奥はタンピョンチェ
タンピョンチェは緑豆のデンプンをゼリー状に固めたチョンポムクと、
セリ、モヤシ、錦糸卵などを和えて、酢醤油で味付けたもの。
どちらも宮中料理や、韓定食のコースでは定番の料理です。

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壷に入って出てくるポッサムキムチ(包みキムチ)。
宮中式に唐辛子を使わず、ペッキムチ(白キムチ)風に作っています。
中にはタコ、セリ、ギンナン、ナツメなどの具が入っており……。

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断面が見える形で、食べやすく切って取り分けてもらえます。
韓国料理に欠かせないキムチも、宮中料理の店ではだいぶ上品です。

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このあたりから徐々にメイン料理へと進出。
まずは宮中料理の代表格として知られるクジョルパンが登場しました。
8種類の具を、中央にある小麦粉の薄焼きで包んで食べる料理。
緑色の薄焼きが見えていますが、下には白と黄色の薄焼きもあります。
ホウレンソウやニンジンを練り込んで色をつけているとのこと。

クジョルパンが出て、テーブルが華やかになったあたりから、
どんどん主役級の料理が出てきて、そのたびに歓声があがります。

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テハチム(エビの蒸し物)。

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ヨンジョユッチム(豚肉と豆腐の煮物)。
豚肉を豆腐、クルミ、朝鮮人参、松の実と煮込んでいます。
ヨンジョユッチムは『大長今』にも出てきましたね。
あのドラマ放映以降、急速に有名になった料理です。

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ポソッジョンゴル(キノコ鍋)。
キノコだけでなく、牛タンが入っているのが珍しいですね。

と、こんな感じに豪華な料理が次から次へと出てきます。
満腹具合から、そろそろ最後の料理かな、と思っていると、
また次に手の込んだ料理が出てくるといった感じですね。
事前にコースを確認し、メニューを知っているはずなのに、

「うは、まだ出るんだ!」

といった感じでした。
少量ずつでも、重なるとけっこうなボリュームになります。
自分がおなかいっぱいになってきているので、

「韓国料理は残してもいいんだからね」

といったフォローをいれたりもしていましたが、
むしろ母や祖母のほうがよく食べておりましたね。
なんだかんだで、いちばん食べていたのは祖母でしたでしょうか。
ともかくも気に入ってもらえたようで、ほっとしました。

ちなみに、この鍋と一緒にごはんが出てくるのですが、
そこにミヨックク(ワカメスープ)を加えて頂きました。
誕生日の定番料理。こうした配慮も嬉しかったです。

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デザートは五味子茶とお餅、そしてファチェ(シロップと果物)。
これらを食べる頃には、身も心も満腹という感じでした。

この間、お店の人は丁寧に料理の解説をしてくれたほか、
楽しくなった祖母の長話に付き合ってくれたりなどもしました。
母へのプレゼントだった花束なども預かって頂いたほか、
店側からも、それとは別に花束を頂いてしまったりも。
本当に至れり尽くせりなサービスでもてなして頂きました。

おかげでよい思い出となった母の還暦祝い。
祖母も最後まで元気だったので、そのままタクシーで帰宅しました。
料理、サービスもろもろ含めて「御廚」に感謝の1日です。

こういう特別な日に使える韓国料理店もだいぶ増えてきました。
用途に応じて、いろいろ楽しめるようになって嬉しい限りですね。
特別な日の韓国料理。ぜひ機会があったら試してみてください。

店名:御廚(おじゅ)
住所:東京都中央区日本橋2-6-6
電話:03-3244-0010
営業:11:00~14:00、17:00~22:00
定休:日曜日
http://www.oju.jp

<過去の関連日記>
(12月16日)日本橋「御廚」で韓国家庭料理膳。



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