赤坂「呉氏カムジャタン」でカムジャタン。

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赤坂をウロウロすることが多かった8月上旬。
この日、ちょっと早い夕食として足を踏み入れたのは、
カムジャタン(豚の背骨とジャガイモの鍋)の専門店でした。

新大久保にはいくつかカムジャタン専門店がありますが、
赤坂でとなると、専門店を名乗るのはここぐらいでしょうか。
しばらく前までは脚光を浴びていたカムジャタンですが、
ここ最近は、目立って取り上げられることも少なく静かですね。

以前も「カムジャタンの考察」という記事を書きましたが、
日本で食べるカムジャタンはとかく不満を多く感じます。
たいていは背骨につく肉が少ない、ということなんですけどね。

韓国では肉を食べた! というイメージの残る料理ですが、
日本では骨の間にこびりつく肉をせせった! という感じ。
骨まわりの肉の少なさに、失望することが少なくありません。
日本では豚の背骨を料理して食べる習慣がないため、
骨まわりの肉というが、解体段階で重視されていないのでしょう。

「このままではカムジャタンの未来は暗いなぁ……」

と思っておりましたが、その不満に対する解答の一端を、
この「呉氏カムジャタン」にて見つけてきました。

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こちらの店ではカムジャタンを注文する際に、
大きさ(量)だけでなく、辛さも選ぶことができます。
標準、1辛、2辛と3段階あり、1辛が韓国的な辛さとのこと。
青唐辛子を加えた激辛(2辛)も楽しめるとのことです。
好みによって選択肢を増やすサービスは日本人受けしそうですね。

また、食べてみて驚いたのが具の豊富さです。
通常のカムジャタンは豚の背骨とジャガイモが入るだけですが、
こちらの店ではホルモンとスジェビ(すいとん)が、
レギュラーの具として最初から入っていました。
骨まわりの肉だけで勝負せず、具を増やすというのは新しいですね。

この発想なら、背骨にこだわらず別部位の肉を足してもよいかと。
元は捨てられる部位だった背骨を、有効利用するための料理でしたが、
現在であれば部位よりも、味のほうにこだわっていいですもんね。

また、最初からスジェビを入れるというのも面白い点。
食べ終わった残りのスープにスジェビを入れることはありますが、
最初から入れて具として楽しむというのは初体験でした。

ちなみにこれらの具すべてがトッピングとして別注文可。
背骨、ジャガイモ、スジェビなど、それぞれに増やすことができます。

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個人的にはサイドメニューで頼んだこちらがヒット。
トゥブジョン(豆腐の衣焼き)にキュウリをはさんだものです。
中のキュウリが爽やかさを演出し、おつまみに最適です。

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シメのラーメンが生麺というのも新しい試みでしたね。
厨房で下茹でしたものが、テーブルに運ばれてきます。

生ラーメンと書かれていたので、店の人に確認してみたところ、
確かにインスタントではなく、生麺だと胸を張っておられました。
日本で食べるのなら、生麺という選択肢は確かにアリです。
韓国的なインスタントラーメンも嫌いじゃないですけどね。

ということで久しぶりにカムジャタンを楽しんできました。

ここ最近の韓国料理人気で既存の料理がどんどん進化しています。
その工夫や磨かれ方は、すでに本場をしのぐ勢いとも思えるほど。
安易なアレンジではない、新しい韓国料理が日本から生まれています。

もちろん、そのすべてが必ずしも成功しているわけではありませんし、
場合によっては韓国料理からかけ離れてしまうこともあります。
試行錯誤の時期なのでしょうが、着実に新たな時代の訪れを感じます。

W杯、韓流と来て、日本人が一斉に韓国を見た2002~2005年。
そこで触れた韓国の姿を、消化、吸収、再構築しているのが今です。
切り開かれてゆく韓国料理の未来が、楽しみで仕方ありません。

店名:呉氏カムジャタン(おしかむじゃたん)
住所:東京都港区赤坂3-18-10サンエム赤坂ビル2階
電話:03-3568-6623
営業:11:30~14:00、17:00~翌3:00(月~金)、17:00~翌3:00(土)、17:00~24:00(祝)
定休:日曜日



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