新大久保で犬を食べられるところは? という質問をよく頂きます。
そんなときに迷わずおすすめしているのがこちらのお店。
旧「グリーン食堂」、現在は名前が変わって「恵美寿」です。
オーナーさんは変わりましたが、厨房で働いている人は同じです。
ホールのアルバイトさんたちは少し入れ変わったみたいですけどね。
新大久保界隈にはいくつか犬料理を出している店がありますが、
ここは初心者にも食べやすい部分の肉を選んで出してくれるのが特徴。
通になるとゼラチン質の多い皮ぎしを選んで食べるといいますが、
鮮度なども含めて、よほどいい店でないと食べにくかったりします。
食べやすい肉を本格的な味付け、付けダレとともに提供してくれるお店です。
犬肉料理は全部で4種類あり、この日はチョンゴル(鍋)にしました。
ほかに1人前ずつ出してくれるポシンタン、スユク(茹で肉)、
ムッチム(和え物)といったメニューが用意されております。
タイトルに書いたケゴギジョンゴルは「犬肉の鍋」という意味。
鍋ひとつで3、4人前になりますが、これで値段は5000円です。
牛肉などと比べても、ずいぶんと高価な料理になってしまいます。
よほど好きな人か、あるいは食べてみたいという盛り上がりがなければ、
そうそう無理して食べるような料理ではないと思います。
サイドメニューとして頼んだトトリムクムッチム。
ドングリのデンプンをゼリー状に固めたものをトトリムクと呼び、
それを生野菜を加えてサラダ風に和えた料理です。
チヂミはちょっと粉が多めの、もったりした味わいでした。
家庭で作るお好み焼きを思わせるような鈍い舌触り。
もうちょっとカリッと仕上げてくれるといいんですけどね……。
いろいろと頼みましたが、やはり犬鍋がいちばん好評でした。
最後は残ったスープにごはんを入れて、おじや状の炒めごはんに。
キムチ、海苔なども加えて、これでシメといたしました。
ちなみにこの日は全部で10名弱が集まったのですが、
師匠を含め、70年代、80年代の韓国を知る大先輩方ばかり。
すぐ前で古きよき韓国の爆笑エピソードを語っていた方が、
何冊も韓国語の本を出していらっしゃる高名な先生だったり。
あるいは著名な作家先生がちょっと遅れていらしたり。
話の端々に出てくるお仲間の名前もビッグネームの連発でした。
間違いなくこれまでの日韓関係を引っ張ってきた方々。
鍋をつつきながら、貴重な話をたくさん聞かせて頂きました。
なにしろ僕が生で体験しているのは90年代後半以降。
酔っ払いながらも、こういう話は覚えておかなきゃと強く思ったり。
門前の小僧さながらに、韓国7、80年代を学んだ一夜でした。
なお、この日は前オーナーの奥さんが店に来ていらっしゃいました。
かつての常連さんが来ていたので、少し顔を出しに来たご様子。
閉店はご主人の体調不良が理由でしたが、すでにだいぶ回復されたそうです。
またそのうち店を始めたい、などとおっしゃっておりましたので、
いずれは「グリーン食堂」の復活などもあるのかもしれません。
もろもろ世話になっていただけに、ちょっと嬉しい話でした。
店名:恵美寿(えびす)
住所:東京都新宿区百人町1-7-16サイトピア和昌1階
電話:03-3207-0350
営業:24時間
定休:なし
<過去の関連日記>
(07月21日)新大久保「恵美寿」でポシンタン&ユッケジャン。
3 Responses to 新大久保「恵美寿」でケゴギジョンゴル。