コリアうめーや!!第293号

コリアうめーや!!第293号

<ごあいさつ>
5月15日になりました。
ここ数日、暖かいどころか暑い日もあり、
すっかり春から初夏に向かっています。
数日前には今年初の素麺も味わって、
気持ちの上での夏仕度も万全です。
どころか今年はあちこちから頂き物が多く、
韓国の冷やし麺ばかりを食べています。
仕事と役得の境目でなんとも幸せな日々。
満喫しながら、夏を乗り切りたいと思います。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
久しぶりに出張ネタから外れてみました。
そろそろ書き飽きたというのが本音ですが、
おそらく読むほうにとっても同じかなと。
少し切り口を変え、ぐっと身近な話題です。
コリアうめーや!!第293号。
ワガママ放題を前置きする、スタートです。

<近所のスーパーにアレがない!!>

先日、近所のスーパーへ買い物に出かけ、
あるたいへん衝撃的な事実に気付いた。

「なんと!」
「なんと!」
「なんとぉっ!」

などとジラす必要はまるでないのだが、
そうでもせねば、僕の衝撃は伝わるまい。

「近所のぉっ!」
「スーパーにはぁっ!」
「韓国ならぁっ!」
「ごく当たり前にあるぅっ!」

「あの食材がぁっ!」
「ないっ!」
「ないっ!」
「ないのだぁぁぁぁっっっ!!」

あー、行数稼ぎ?

という疑問が湧くかもしれない。
だが、僕の衝撃は極めて些細な発見であり、
効果的な前フリなしには伝わりにくいと思われる。
なので、これはあくまでも必要な前置き。

「その食材とはぁぁっっ!」
「とはぁぁ……」

いいや、もう飽きた。

いえね、こないだスーパーに行ったら、
缶詰コーナーにサンマの水煮缶が見当たらなくて。
サバの水煮缶は普通に置かれているんだけど、
サンマは見事なまでに蒲焼きしかない。

「なぜ水煮缶も置かないのかと!」

韓国だったら、ツナ缶やランチョンミートと並び、
サバの水煮缶、サンマの水煮缶は必ずある。

缶詰の定番! という先入観があったため、
日本でもサンマの水煮缶は売っていて当然と思っていた。
だが、近所のスーパー5軒を回ったにもかかわらず、
サンマの水煮缶を置いている店はひとつもない。

もちろんネットで検索すれば作っている会社はある。
店によっては常備しているところもあるだろう。
だが、ウチの近所で気軽に買えないのでは意味がない。

「サンマチゲを作れないじゃないか!」

と僕は憤慨しているのである。

さて、ここでサンマチゲなる単語が出てきた。

韓国語でいうならばコンチチゲが正しい。
コンチがサンマを意味するので、半分直訳でサンマチゲ。
日本の韓国料理店などでもたまに見かける。

この料理はいわゆるキムチチゲの亜種で、
キムチチゲの具としてサンマの水煮を用いたもの。
サンマのかわりにサバの水煮を使ってもよく、
その場合はコドゥンオチゲと名前がかわる。

同様に、

・コンチキムチチゲ(サンマキムチチゲ)
・コドゥンオキムチチゲ(サバキムチチゲ)

という呼び名も一般的だ。

さらにはツナ缶入りのキムチチゲもあり、
チャムチチゲ、チャムチキムチチゲと呼ばれる。

韓国の家庭ではポピュラーなアレンジで、
ごく普通のキムチチゲが、ぐっと豪華に感じられる。
とはいえ、生のサンマ、サバを使ってしまうと、
骨が邪魔になるので、これはあまりよろしくない。

「水煮缶を使うのがいちばん!」

ということなのだが、最近はよく出来たもので、
キムチチゲ用のサバ缶、サンマ缶も発売されている。
キムチチゲと缶詰は切っても切れない関係だ。

ちょっと長くなったが、上記をひとつの例として、
本題はタイトルにもある、

「近所のスーパーにアレがない!!」

という問題を語りたい。

もちろんアレがない、コレがないというのは、
ニーズによるものなので一概にワガママはいえない。
だが、韓国料理を家庭で楽しむために、

「これを置いてくれ!」

という主張はしてもバチは当たらないはずだ。
自宅で快適な韓食ライフを送るためにも、
全国の関係者に向けて要望は出しておきたい。

ということで以下、近所のスーパーに欲しいもの。

とはいえ、現実的でないものは除いてある。
6年物の高麗人参とか、カムジャタン用の豚の背骨とか、
内子(未成熟卵)を抱えたメスのワタリガニとか。

あくまでも常識的な範囲内にとどめたうえで、
ありそうなのにない、という商品に焦点を置いた。

また、

「ウチの近所のスーパーにはあるよ!!

というものもあるかもしれないが、
これは地域性もあるし、単純にゴメンということで。
要は個人的不満を発露したいだけである。

問答無用で、さあいこう。

1、サンマの水煮缶
理由は上記の通り。ここでは割愛。

2、熟成の進んだ酸っぱいキムチ
どのスーパーでもキムチは種類豊富にあるが、
買ってすぐ鍋や炒め物にできる商品がなくて困る。
例えば、賞味期限ギリギリみたいなキムチでもいいので、
少量を用意しておいてくれるとたいへん助かる。

3、水キムチ
白菜以外のキムチが少ないのも不満だが、
それでも大根、キュウリは用意しているところは多い。
個人的に欲しいのは水キムチで、主に冷麺用。
鶏肉の茹で汁などに混ぜ、自前でつるつるやりたい。

4、海苔巻き用のハム
海苔の長さに成形した専用のハムが欲しい。
魚肉ソーセージではイメージした味にならないし、
韓国スーパーで買おうにも、これが意外に高い。
検疫の問題があるので韓国からも買って来られない。

5、青唐辛子
テンジャンチゲに少し刻んで入れたいのに、
たいてい少量の使用なので常備しておくほどでもない。
また、保存も効かないだけに近所でなんとかしたい。
シシトウじゃダメだし、万願寺トウガラシも違う。

6、皮むきニンニク
韓国のスーパーでいつも便利だなと思うのがこれ。
皮をむいた粒状のものや、みじん切りにしたものも買える。
いちいち皮をむいて、フードプロセッサにかける手間を、
できればスーパーで担当してもらえないものか。

7、韓国カボチャ
親戚筋のズッキーニとはやはり似て非なるもの。
チヂミも作りたいし、テンジャンチゲにも入れたい。
エビと一緒に炒めておかずの1品にするのもいい。
どうしても韓国カボチャがダメならシロウリでもいい。

8、エゴマの粉
エゴマの葉も欲しいけど、それより僕の場合は粉。
すりゴマの隣に、エゴマの粉をぜひ常備して欲しい。
辛い鍋料理のコク出し、風味付けに使うほか、
トゥルケタン(エゴマスープ)もよく作る料理。

9、季節外れの梨
韓国料理では秋以外の季節でも年中必要。
プルコギをはじめとした甘味のある薬味ダレは、
すりおろした梨でないとやはり味が違う。
あと、季節外れの栗もごく稀に必要。

10、生マッコリ
流通の難しさは充分承知の上で心からの願い。
冷蔵庫に溜めておけないので、急なお客さんが来たとき、
韓国的なお酒でもてなそうと思っても難しい。
そろそろなんとか。お願いだからどうにか。ね!

以下、次点を兼ねたボツネタ。

・包み野菜各種(焼肉、サムパプなどに使用)
・乾燥ワラビ(ユッケジャンなどに使用)
・料理用の水飴(韓国の水飴はさらっとしている)
・黄身と白身を分けた錦糸卵(飾り用)
・イシモチの干物(個人的に好物なので)
・皮付きの豚バラ肉ブロック(ポッサム用)

まあ、どこまでいってもワガママだよね。

ただ、そんなワガママばかりを貫いて、
文句ばかりいっているのもフェアではないだろう。
最後に、

「近所のスーパーにアレがある!!」

という部分を褒め称えて終わろう。
最近は近所のスーパーにもこんな商品がある。

・韓国料理の素全般
・トッポッキ、トックッ(雑煮)用の餅
・チヂミの粉
・焼肉用のサムジャン(包み味噌)
・柚子茶
・ホットク(お焼き)の粉

さらに、店によっては、

・サムギョプサル用の厚切り豚肉
・チャプチェ用の韓国春雨
・スンドゥブチゲ専用の豆腐

などを用意しているところも。

昨今のスーパーが韓国に向けるアンテナは高い。
僕のワガママが、ワガママでなくなる日は、
意外に近いのではと密かに思っている。

<新刊情報>
韓国料理には、ご用心!
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<リンク>
ブログ「韓食日記」
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<八田氏の独り言>
逆に韓国の大型スーパーを見て回ると、
意外に日本の商品が充実していたりします。

コリアうめーや!!第293号
2013年5月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

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