コリアうめーや!!第268号

コリアうめーや!!第268号

<ごあいさつ>
5月になりました。
ゴールデンウィーク真っ只中です。
どこかにパァッと遊びに行きたいところですが、
あいにく仕事が山積みで身動きとれません。
連休初日から3日連続で自宅にこもり、
ようやく本日は外出するも、目的は打ち合わせ。
連休終盤に多少楽しい予定もありますが、
明日以降もひたすら仕事です。はぁ……。
まあ、そんな愚痴はさておくとして。
メルマガのテーマぐらいは季節を意識し、
春らしい食材から選んでみました。
みなさんの食卓にももう並びましたか?
コリアうめーや!!第268号。
元気にニョキニョキと、スタートです。

<韓国料理とタケノコの関係を問う!!>

ふと、思いついて自分のブログで、

「タケノコ」

と検索をしてみた。
ヒットしたのは全部で11件の記事。

これまでの記事合計が1371件なので、
僕のブログにおけるタケノコ率は0.8%となる。
だが、よく見るとその中には日本料理も多く、
数ある野菜の中でも、かなり希薄な扱いだ。

ちなみに他のめぼしい野菜を調べると……。

01位、唐辛子(169件/12.3%)
02位、ジャガイモ(133件/9.7%)
03位、ネギ(132件/9.6%)
04位、白菜(131件/9.6%)
05位、大根(129件/9.4%)
06位、ニンニク(114件/8.3%)
07位、モヤシ(77件/5.6%)
08位、サンチュ(77件/5.6%)
09位、キュウリ(73件/5.3%)
10位、トマト(71件/5.2%)

こんなランキングになった。

唐辛子がダントツなのは当然として、
2位のジャガイモというのは正直意外であった。
確かに鍋料理やチヂミなどで活躍するが、
ネギや白菜をも超えるというのは驚きである。

ほかのランキングがまあまあ妥当であるため、
余計にジャガイモの存在感が際立っている。
これからはもっとジャガイモを見直すとしよう。

とジャガイモを持ちあげておきつつ、
それでも本題は「タケノコ」なのである。

韓国語ではチュクスン。

漢字では「竹筍」と書いてチュクスンなので、
意味がダブって見えるがこれで正しい。
中国では「竹笋(筍の別字)」と書くらしいので、
その影響もあって「竹筍」なのだろう。

さて、それではタケノコ話。

まず、韓国におけるタケノコのポジションだが、
ブログの検索結果通り、あまり目立った存在ではない。
これまでの個人的な体験を振り返っても、

「そういえば、あんまり見ないなぁ……」

というのが本音である。

日本だとシーズン以外でも水煮が多く出回り、
煮物のレギュラーメンバーとして頻繁に見かける。

まして旬ともなれば、

・若竹煮
・土佐煮
・タケノコの木の芽焼き
・タケノコの天ぷら
・タケノコごはん

といったメニューがすぐに思い浮かぶ。
タケノコの存在感は、春の最盛期を除いても、
それなりのポジションに収まることだろう。

むしろ、中国料理のチンジャオロースだとか、
ラーメンのメンマで、タケノコに出会うこともある。

それに比べると、やはり韓国でタケノコに出会う機会は、
日本と比較しても、ずいぶん少ないように思う。

個人的な体験を振り返っても……。

・チュクスンチム(タケノコの蒸し煮)
・ホンシチュクスンチェ(熟柿とタケノコの和え物)

というふたつが印象的なぐらい。

蒸し煮は光州の韓定食店で出てきたもの。
熟柿との和え物はソウルの宮中料理店「宮宴」にて、
『チャングムの誓い』の登場料理として頂いた。

あとは定食のパンチャン(副菜)として、
タケノコのナムルがごく稀に出てくるぐらい。
それでもその頻度を考えるのであれば、
居酒屋で竹筒の薬酒を飲む機会のほうがよっぽど多い。

すなわちである。
誤解を恐れずに、個人的な断定をするならば、

「タケノコは韓国で冷遇されている!」

ということになる。

それに気付いた瞬間、衝動が胸を突き上げ、
ここはタケノコ派の決起が必要ではと思った。
タケノコ好きを結集し、たけのこの里派も巻き込み、
韓国でタケノコの地位向上運動を始めるのだ!

いざ、いざ、いざ、と思い始めたところ、
思わぬ方向から、異議が飛んできた。

「ウチの地元はタケノコ食べるよ!」

虚を突かれたタケノコ派は結党5秒で解散し、
喜色満面でその地元を訪れることとなった。

到着したのは全羅南道潭陽(タミャン)郡である。

そう、韓国でタケノコといえば潭陽。
また、その大前提として、竹といえば潭陽なのだ。
潭陽は韓国一の竹どころとして知られ、
韓国が有する竹林の約4分の1は潭陽にある。

郡内には広大な竹林公園があり、竹博物館もあり、
また「彩箱(チェサン)」と呼ばれる竹工芸も有名。
ちなみにグーグルで「潭陽」と画像検索すると、
画面いっぱいに、緑色の景色が表示される。

潭陽画像検索
http://bit.ly/ITM8NA

この癒しの光景こそが、なによりも潭陽の魅力。
まあ、竹以外にメタセコイアの緑も混ざっているのだが。

その潭陽で1軒の郷土料理店に入った。
そこで試してみたタケノコ料理は以下の3種類。

・テトンバプ(竹筒ごはん)
・チュクスンチュオタン(タケノコ入りドジョウ汁)
・チュクスンフェ(タケノコの刺身)

竹筒ごはんはほかでも食べたことがあるが、
タケノコのドジョウ汁と刺身は初体験である。

まず意表を突かれたのが刺身であった。

日本的な感覚でタケノコの刺身というと、
穂先の部分を薄切りにしてワサビ醤油で、と思ってしまう。
だが、韓国式の刺身は根本から考え方が違う。

湯がいたタケノコを1センチ幅に切り、
生のニンジン、キュウリ、葉ネギも同様に切る。
これらを辛酸っぱいヤンニョム(薬味ダレ)と絡め、
全体を真っ赤にしたものがタケノコの刺身。

「こ、これが刺身!?」

と一瞬驚いたが、冷静に考えてみると、
これはフェムッチム(刺身和え)の応用版。

しかも、タケノコとのダブルメインで、
コルベンイ(つぶ貝)までもが具として入っている。
要は「タケノコを刺身にする」のではなく、
「刺身のかわりにタケノコを使う」料理なのだ。

食べてみると、酸味が効いていてさっぱり。
また、各野菜とも大き目に切られているので、
ガシガシかじりつく感覚も韓国人好みだ。

酸味の中には梅のような甘酸っぱさもあり、
タケノコのシャクシャクとした食感も軽快。
意表を突かれたが、これはこれで美味しかった。

また、タケノコ入りのドジョウ汁もよかった。

具にタケノコが入るという珍しさの前に、
ドジョウの気配が濃厚で、チュオタンとして美味しい。
野菜の甘味に加え、エゴマの粉がコクを出している。

タケノコがどう交わるのか興味があったが、
個人的にはアクセントとしての存在感を楽しんだ。

最近のチュオタンはドジョウをすりつぶすので、
ドジョウそのものをカリカリかじることはない。
その代役をタケノコが果たしているともいえそうだ。

また、その汁に竹筒ごはんを浸して味わうもよし。

もち米を加えて炊いたもっちりごはんには、
竹筒の香りと、ナツメの甘味が染み込んでいた。

ちなみに潭陽ではほかにも……。

・チュクスンティギム(タケノコの天ぷら)
・チュクスンユッケ(タケノコ入り牛刺身)
・チュクスンナクチボックム(タケノコとテナガダコの炒め物)
・チュクスンソバギ(タケノコのキムチ)

といったタケノコ料理があるようだ。

僕が食べたタケノコ料理はごく一部であり、
いずれまた、それらを楽しみに再訪してみたい。

とはいえ、初めて訪れた潭陽の地で、
これだけタケノコ料理に出会えたのは収穫だった。
いまはまだ地方の限られた名物かもしれないが、
潭陽の頑張りいかんでは可能性を秘めている。

いや、むしろ潭陽はもっと頑張るべきではないか。
タケノコの地位向上は潭陽の手にかかっている。

まずは潭陽限定で韓国版「たけのこの里」を販売してはどうか。

すでに「きのこの山」の類似商品として、
「チョコソンイ」はあるが、「たけのこの里」はない(はず)。
潭陽でしか買えない「チョコチュクスン」を作れば、
観光客へのいいお土産にもなることだろう。

でも、その場合、ライセンスはしっかりやってね。

<店舗情報>
店名:徳仁館新館
住所:全羅南道潭陽郡潭陽邑栢洞里408-5
電話:061-381-7881

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
潭陽はトッカルビの本場でもあります。
その魅力もおおいに語りたいですね。

コリアうめーや!!第268号
2012年5月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

メールマガジン購読・解除用ページ
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000669



Comments are closed.

 

 
 
previous next