コリアうめーや!!第35号

コリアうめーや!!第35号

<ごあいさつ>
毎日暑い日が続きます。
暦の上では立秋を過ぎ、秋の声を聞きましたが、
1歩外に出るとまだまだ気合の入った夏真っ盛りです。
ところで今日は8月16日。
いつもより1日遅れてのコリアうめーや!!です。
通常は毎月1日、15日の配信なのですが、
メルマガ発行スタンドめろんぱんのサーバーメンテナンスという、
きちんとした理由があって1日遅れました。
八田氏がすかーんと忘れていた訳ではありません。念の為。
さて、コリアうめーや!!第35号。
今回はなんとコリアうめーや!!1年5ヶ月の歴史の中で、
初めてという異変が起こりました。
かつて1度も扱わなかった、幻の食材がついに登場。
封印されていたネタがとうとう解禁なのであります。
ハラハラドキドキ。そしてワクワクの初体験。
コリアうめーや!!第35号。
一夏の思い出、スタートです。

<焼肉食うよりカルビタン!!>

八田氏は牛肉を軽視しているのではないかという指摘があった。
これは非常に鋭い。事実、今回で第35号を数えるコリアうめーや!!であるが、
その歴史の中で牛肉が題材となった回はただのひとつもない。

過去のメルマガを読み返してみると、今までに肉料理を取り上げたのは全部で9回。
その内訳は鶏肉料理5回、豚肉料理3回、犬肉料理1回である。
その中には比較的マイナー料理も混じっているが、牛肉料理は一切ない。

カルビ、プルコギ、ユッケ。
韓国を代表する牛肉料理もまったく登場していない。
コリアうめーや!!には何故牛肉が出て来ないのだろうか。

その疑問を解くカギとして、第8号(タッカンマリ)を紹介してみよう。
この号の冒頭部分で八田氏は次のように述べている。

「韓国で肉といえば「牛肉」だと思っている人が結構いる。間違ってはいない。それで正
しい。しかし八田氏は違う。韓国で肉といえば輝く第1位は「鶏肉」であると強く主張す
る。次に豚肉。そして最後に牛肉(他の肉はとりあえず省略)。その理由。鶏肉は安く、
牛肉は高い。」(コリアうめーや!!第8号より)

また第14号(サムギョプサル)では、次のようにも語っている。

「最近の焼肉ブームは、やれハラミだ中落ちカルビだ、A5級だ、1頭の牛から何百グラ
ムしか取れない貴重な部分だなんだと、やたら高級指向だが、鼻でせせら笑って豚バラ肉
を目の前にどーんと積んでやりたい。一皿に4切れしかない高級肉をありがたがって食べ
るより、みんなでワイワイ言いながら食べたいだけ好きに食べるほうがいいじゃない
か。」(コリアうめーや!!第14号より)

この号では高い牛肉、特に高級焼肉を徹底的に粉砕した上で、
安い豚バラ肉の焼肉(サムギョプサル)を褒め称え、さらには自分を豚肉信奉者だと述べ
ている。

これら過去のメルマガを詳細に検討していくと、
八田氏が牛肉を嫌う、あるひとつの共通点が浮かび上がる。

それは、値段であり、価格であり、金額である。

結論。

「なーんだ。八田氏、お金ないから牛肉食べられないだけじゃん。
 それで僻んで牛肉を差別してるんだね。」

「て、いうか。コリアうめーや!!でも牛肉を扱わないんじゃなくて、
 食べたことないから書けないだけじゃないの? あっはっは。」

 (一同爆笑)

むきー。牛肉だって食べたことあるわい!!

超有名店の生カルビだって食べたし、チャドルペギ(牛の肋間にある固い脂肪質の肉)と
かアンチャンサル(ハラミ)とかのマニアックな部位だって食べたさ。焼肉を食べた後の
冷麺のうまさだって知っているし、プルコギだって何度も食べていたんだからな。
やーいやーい。

って、その中のほとんどはおごってもらったんだけどね……。

ともかく値段の高い牛肉方面を苦手としているのも事実。
韓国に行って牛肉を食べることなんかまずないし、過去の記憶を遡っても両手に余る。

前置きが長くなった。
そんな牛肉一方的敵視の八田氏にも、実はひとつだけ熱く語れる料理がある。

お金のない留学生時代。
お昼ごはんのちょっとした贅沢として、高級焼肉店で食べた焼肉じゃないメニュー。
名前も焼肉のように「カルビ」の文字が入っているが焼肉とは違う。

カルビではあるが、鉄板でジュージュー焼いたりはしない。
サンチュで巻いてほおばったり、タレにつけて食べたりもしない。
ましてハサミでチョキチョキ食べやすい大きさに切ったりもしない。

カルビでありながら焼肉でない料理。
焼肉屋のメニューに並びながらも焼肉でないカルビ。

その料理を「カルビタン」と言う。

カルビタンとは牛カルビを煮込んだスープ料理。
カルビとは「肋骨及び肋骨まわりの肉」のことを表す。
つまり一般に旨みが凝縮されていると言われる骨まわりの肉。そして骨そのもの。
これらをじっくり煮込んだスープであるから、まずかろうはずはない。

とろとろとじっくり煮込まれたスープに、ネギやニンニクを入れ、
塩、胡椒で薄味をつける。韓国料理における唐辛子の刺激的な辛さはなし。
濃厚な牛の旨みだけを追い求めた、滋味深いスープである。

またカルビはダシにするだけではない。具としてもきちんと存在する。
スプーンで刻みネギをかきわけてゆくと、スープの中から白い骨が顔をのぞかせる。
5センチ間隔で切り落とされた肋骨には、まわりをぐるっと囲んで筋のような肉がしがみ
ついており、この部分の肉を食べるのだ。

このカルビまわりの肉は前歯ではがしながら食べる。
この肉は骨にぴったりくっついており、スプーンや箸でチマチマやっていても埒があかな
い。骨の両端を手で持ち、前歯に少しの力を入れてガブリと齧る。

うまくいくと一気にズルリと剥がれ落ちるが、スープからあげたばかりの骨の熱さにオタ
オタしているといつまでも食べられない。さりげないテクニックが要求されるのだ。

歯でこそげて食べる肉は、少し固いが味に深みがある。
焼肉などで味わう柔らかさはないが、そのぶんしっかりした肉の味がする。
この肉を噛みしめながらスープを一口。ごはんをほおばってもまた良しだ。

焼肉店で食べる焼肉でない料理。
カルビタンは決して焼肉に負けるとも劣らない素晴らしいメニューだ。
それでいて値段の差は雲泥。

考えてみて欲しい。
焼肉にしてうまい最高級の肉と、まったく同じ牛の肉で作ったスープ。
価格は安くともうまさはやはり最高級だ。

韓国で本場の焼肉。それはそれでよい。
だがその脇にも安価でおいしいメニューが存在することも知って欲しい。

カルビタン。万歳。

<お知らせ>
カルビタンの写真がホームページで見られます。
よかったらのぞいてみてください。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
友達に呼び出されたので、ちょっと船旅なんぞしてきます。
下関→釜山→済州島→牛島(ウド:済州島の北東にある小島)。
行くだけでも3日はかかる見込み。とっほっほ。

コリアうめーや!!第35号
2002年8月16日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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