コリアうめーや!!第20号

コリアうめーや!!第20号

<ごあいさつ>
あけましておめでとうございます!!
そして「セヘ ポン マニ パドゥセヨ!!」
これが韓国でのお正月の挨拶です。
直訳すると「新年、福を沢山お受け下さい」という意味になります。
コリアうめーや!!を愛読して下さっている皆様にとって、
そして今年サッカーW杯を共催する日韓両国にとっても、
福多き1年でありますようお祈り申し上げます。

さてコリアうめーや!!新年号。
こちらもめでたい韓国の正月料理特集!! 
と、思ったら実は大間違いなのです。
韓国は陰暦で正月を祝う為、2002年の正月はまだまだ先。
陽暦の2月12日が正月になっております。
韓国ではこの日を前後して、10日の日曜日から4連休。
なので1月1日だけはさすがに祝日ですが、明日からはもう仕事だそうです。
と、いう訳でコリアうめーや!!第20号。
新年号ではないものの、一応めでたい記念の号。
第10号から引き続きまして、韓国の乾杯文化パート2です!!

<韓国の乾杯文化2>

某超有名グルメ漫画に韓国での酒のマナーが紹介されている。

目上の人の前では決して酒を飲んではいけない。
しかし3回勧められたら、これを固辞しては返って失礼。
目上の人から顔をそむけ、かつ口元を手で隠して飲む。

間違ってはいない。非常に正しい。

でも、これは青信号の横断歩道を、手をあげて渡るような飲み方だ。
富井副部長はこれで名誉を挽回したが、普通ここまでやる必要はない。
韓国で酒を飲むときに、必要なマナーは他にたくさんある。

と、いっても別に堅苦しいものでもない。
基本的には美味しく、楽しく、気持ちよく飲めばOK。
マナーの基本なんて相手を不快にさせないためにあるんだから、
たとえ儒教の国だろうが普通の節度を守ればそれでいい。

でも、外国人として酒席のマナーを知っておくのも悪いことではない。
ただ、韓国の酒席にはネタ的なものも含め、膨大なマナー及び慣習が存在し、一辺にすべ
てを紹介するのは到底不可能なので、今回は乾杯のマナーだけに絞って紹介してみたいと
思う。韓国人と酒を飲むチャンスがあったら役立ててみて欲しい。

まず、マナーその1。
「乾杯時の発声はにこやかに、そして大声で」

場合によっては奇声の部類に入るくらいの声でもかまわない。
なにしろ嬉し楽しい飲み会のスタートである。
雰囲気を盛り上げ、パーンと弾ける為にもセレモニーは晴れやかに行われなければなら
ない。
そしてこの時、発声すべき単語は「コンベ!!」、もしくは「ウィハヨ!!」である。

「コンベ」とは漢字語の「乾杯」を韓国語読みしたもの。
「ウィハヨ」というのは「~の為に」という意味で、これもよく使われる。
場合によって「我々の輝ける未来の為に」だったり、「友情の為に」だったり、「これか
ら行われるであろう3次会、4次会の後にドロドロの状態で見る朝日の為に」だったりも
する。
要はなんでもいいのだが、最後は「ウィハヨ」になるので、音頭を取った人の声に続き、
大声で「ウィハヨ」と言ってみよう。最後が「コンベ」だったら、続いて「コンベ」でか
まわない。

次に、マナーその2。
発声を行ったら、グラスをぶつけ合わねばならない。
この瞬間がむちゃくちゃ重要。
「グラスは相手の飲み口よりも下にぶつける」

これが相手に対する最大限の敬意となる。
この時グラスを持つ右手のヒジに、左手を添えておくとさらによい。
それを見た韓国人の目が「むむっ、こやつ出来る!!」キラーンと輝くはずだ。

しかしこの時問題になるのは、相手も同じ事をしてくる場合があるということ。
グラスの下を狙ってぶつけにいったら、なんと相手がさらに下を狙ってくる。
仕方ないのでさらに下に当てようとすると、なんと相手はそのまた下に。

普通であれば互いに妥協して、まあまあと適当なところでぶつけあうところだが、
ネタ度の高い人材構成であった場合、どんどんグラスを持つ手が下がり、
最終的には2人でテーブルの下にもぐりこむことになる。

もうひとつ、同様の大ネタとして、親しい仲間内で、かつ相手が年下であった場合。
自分のグラスの底を相手の飲み口めがけて、ゴンと叩き落とすという荒技の乾杯もある。
「おー、なんだお前飲んでねえなあ。飲め。うら。ゴン。」
敬意なんざ微塵もない。相手を最下級に扱う強烈な乾杯だ。

しかしこれはあくまで笑い用のネタなので、実際にはオススメしない。
ネタ的には最高なのだが、相当の演技力をもってしないと外国人には難しい。
うっかりすると乾杯で血の雨が降る。

さて、乾杯をしたら後はグーッと干すだけ。

マナーその3。
「威勢よく、ぐーっと飲む。」

チビチビ飲まない。
ビールだったらジョッキの半分くらいまで。
グラスの小さい焼酎やマッコルリなら一気飲み。

韓国では酒の注ぎ足しはマナー違反とされている。
チビチビといつまでも飲んでいると、韓国人はいつ注いでいいのかわからず、
気が気でないという状態に陥ってしまう。
これでは盛りあがるものも盛りあがらない。

グラスは最後まで干す。
グラスが空いたらさっと注ぐ。
そうしてぐいぐい飲んでいくことによって、
酒席は加速度的に盛りあがっていく。

ここまでやったらもう韓国人。
どんな飲み会であれ、打ち解け、仲良くなれること間違いない。
2次会、3次会、カラオケ行って、朝日が昇るまで。
泥酔し、肉体的にも精神的にもボロボロの状態になるが、
あたたかい友情に包まれた幸せな気分になることだろう。

マナーのためのマナーなんていらない。
互いの距離をより近づけるためのマナーこそ、真のマナーではないだろうか。

<おまけ>
この後、酒の注ぎ方のマナーというのもありますが、
それはまた今度やります。お楽しみに。

<お知らせ>
乾杯の仕方、韓国の色々な酒の写真をホームページで見られます。
よかったらのぞいてみて下さい。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
2002年の韓国の正月は2月12日火曜日。
日本も建国記念日の関係で、月曜日まで3連休になっておりますが、
この時期に韓国旅行を考えている方は要注意。
みんなが里帰りしているので、店も閉まっているところが多いです。

コリアうめーや!!第20号
2002年1月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com



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