コリアうめーや!!第298号

コリアうめーや!!第298号

<ごあいさつ>
8月になりました。
夏好きで、夏生まれの僕にとっては、
1年でもっともウキウキする時期です。
と書いた直後に、ふと自分の年齢を思い、
「もう37歳か……」
と愕然としたのも本音だったりします。
遠くなった20代。近づいてきた40代。
これはこれで悪くないなとも思うんですけどね。
中年まっしぐらの夏を迎えています。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
長いことサボっていた大ネタに手をつけました。
実に4年半以上ぶりとなるリニューアル。
最終回まで、今号を入れてあと3回なので、
心残りないよう、ラストスパートを頑張っています。
コリアうめーや!!第298号。
予定を前倒しての、スタートです。

<韓国語食の大辞典Version3.1を配布!!>

振り返ると、あれは2001年4月。
ごく親しい友人に向けて、

「韓国語食の大辞典Version1.0」

をメールで送付した。
食に関する韓国語の単語を2339語集め、
それを日本語に翻訳してまとめたもの。

韓国語食の大辞典の歴史はここから始まった。

当時の僕は韓国留学から帰ってきた直後で、
休学していた大学に戻るまで、少しのヒマがあった。
新大久保で始めたアルバイトは3ヵ月足らずでクビになり、
ますますヒマになって、日々を無為に過ごしていた。

「このままではいかん!」

と当時の僕も思ったのだろう。

留学で得たものを何かの形で活かさねばいけない。
そんな焦燥感にも似た情熱が妙な形で爆発した。
僕は自宅にこもりつつ、睡眠時間を削って作業に没頭し、
ほぼ1ヵ月がかりでこの辞典を完成させた。

特に何かの依頼があったという訳ではない。

まったくもって自分のため。
それは、

「大学で韓国の食文化に関する卒業論文を書く!」

という留学に出た本来の目的とも関わる。
また、クビになった新大久保でのアルバイトを経て、

「仕事をするなら、専門の用語を学ぶ必要がある!」

という当たり前のことを痛感したのも大きい。
それらのきっかけが復学前のヒマ期間と入り混じって、
うまいこと作用したのがこの辞典ということになる。

なお、ほぼ同時期にこのメルマガも創刊しており、
僕の初期創作物としては、表裏一体ともいえる存在だ。
このメルマガは第300号で閉じることにしたが、
辞典のほうはライフワークとして今後も更新を続ける。

本来、辞典の更新は来年の元旦を予定していたが、
いい機会なので、少し早めて発表したいと思う。

まずは、下記よりファイルをダウンロードして欲しい。

韓国語食の大辞典Version3.1
http://www.koparis.com/~hatta/jiten_version3.1.zip

中はエクセルファイルとワードファイルがひとつずつ。
基本的にはこれまで配布していた「Version3.0」と大差ない。
中身に手を入れて、単語の追加修正を行っただけだ。

具体的にはこれだけの手が加わっている。

・追加単語……607語
・修正単語……153語

合計の単語数は6317語。

「Version1.0」の段階では2339語だったので、
12年ちょっとかけて約2.7倍に増やした。

自己満足な感動ではあるが、いまこれを見て……。

「じいぃぃぃぃぃぃん……」

と胸が熱くなっているのは本音である。
ただ、頑張ったように見えて、前回の発表が2009年1月。
4年半以上かけて、607語しか増えていないので……。

「怠慢だな!」

という声も自分の中にはある。

まあ、そのあたりの評価は置いとくとして、
ともかくもなんとか新しいバージョンを発表できた。
今回、新規で追加した単語、修正した単語は、
リストのいちばん左端に目印がある。

白い星が追加単語、黒い星が修正単語。

これまでに「Version3.0」を自分なりにカスタマイズし、
手を加えた人は、これらだけを新しく足してもいい。
星のついていない部分は、そのまま手つかずだ。

余談だが、これらの追加単語、修正単語は、
この4年半における、僕自身の歩みといってもいい。
地方に行って、珍しい郷土料理に出合ったとか、
新しい食材を見つけるたびにコツコツと追加。

「カワハギの煮物は済州島で食べたなぁ」
「スケトウダラの澄まし仕立て鍋は江原道で食べたなぁ」
「おからドーナツは全羅道で食べたなぁ」

と美味しかった記憶がよみがえる。
単語の羅列を見るだけで、

「じわぁぁぁぁぁぁっ……」

とヨダレがにじんでいるのは事実である。

だが、一方で修正単語のほうは心苦しいものもある。
修正した内容の中には、単純な用語の統一などもあるが、
見つけた瞬間に青ざめたような間違いもある。

今回の例でいうと、魚の名前でビクニンとクサウオ。
宮中料理用語の「水剌」などはその例に当たる。

もしこの辞典を使ったことで間違えた人がいたら……。

「ぬわぁぁぁぁぁぁっ!」

と頭を抱えて深い後悔に苛まれる。
一応、使用説明書には免責事項の記載もあるが、
使用は自己責任と開き直るのも心苦しい。

正直、間違いをゼロにするのは不可能なので、
そのへんは「ごめん!」というしかない。

まあ、ともかく今回修正した単語については、
その内容をすべて明記し、変化を一目瞭然にしてある。
不安な単語があったら、念のため確認して欲しい。

それと、後は細かな部分でのお知らせ。

使用説明書にも主な改訂内容として示しておいたが、
単語の追加修正のほか、以下2点を加えた。

・カテゴリ欄に「アジア料理」を追加。表記は【亜】
・修正単語の補足として修正備考欄をいちばん右に追加

これまでカテゴリ欄の料理は、韓国料理全般のほか、
洋食全般、日本料理、中華料理という区別しかなかった。
そこへ主に東南アジアの料理を分類するものとして、
「アジア料理」というカテゴリーを作ってみた。

ただ、実際にはまだ2単語しかなく……。

・センチュンクォン(生春巻)
・ウォルラムサム(生春巻)

これをどこに入れるか迷った結果に過ぎない。
ただ、韓国でもタイ、ベトナムの料理は流行しているし、
今後さらに、単語として増やしていく必要性は高い。

また、中東やアフリカ料理の単語などは手つかずなので、
いずれそのへんも新設するか、あるいは統合したい。
未来への布石として、まずは作ったという程度だ。

そして、修正備考欄のほうは修正単語の補足。
先にも述べたが、なにをどう修正したのかを明示し、
前回版のミスを少しでも取り戻す意図がある。

今回版での大きな変化は以上である。

さて、最後は少し未来的な部分も書いておこう。

この辞典は僕のライフワークとして今後も更新を続け、
どんどん蓄積を増やしていきたいと考えている。
同時に内容だけでなく、使い勝手も進化させねばならない。

これまで、この韓国語食の大辞典は、

・Version1.0~1.5 → ワード(印刷して見る)
・Version2.0~2.2 → ウェブ(ネット上で見る)
・Version3.0~3.1 → エクセル(自宅PCなどで見る)

といった使い方を想定してきた。
だが、僕がちんたら作業しているうちに時代が変わり、
この辞典をより実用的に使うとしたら、

「もう、そろそろスマホじゃね?」

という時代になってしまった。
なので、いまようやく作業として取り掛かったのは、
この辞典を携帯でも楽に見られる環境を作ること。

・Version4.0~ → ウェブ&アプリ(携帯などで見る)

まだ、いつ発表できるかも未定なのだが、
そう遠くないうちに、これを実現したいと考えている。
今回の「Version3.1」もそこに向けた作業のひとつ。

来年の元旦より前に発表できたのは大きな収穫だ。
ここはひとつ、

「くわぁぁぁぁぁぁっ!」

と気合いを入れて頑張るとしよう。
乞うご期待。

<新刊情報>
韓国料理には、ご用心!
http://www.amazon.co.jp/dp/4883205800/
http://books.rakuten.co.jp/rb/12257440/

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
さて、これで定番ネタの回収もひと段落。
ラス2は振り返りと、今後の話を予定しています。

コリアうめーや!!第298号
2013年8月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

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