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=== 魚介料理 === | === 魚介料理 === | ||
+ | 島嶼地域である済州道では、さまざまな魚介が水揚げされる。代表的な特産品としては、サバ([[고등어]])、タチウオ([[갈치]])、アマダイ([[옥돔]])、スズメダイ([[자리돔]])、ヤリイカ([[한치]])、アワビ([[전복]])、トコブシ([[오분자기]])、ウニ([[성게]])などがあげられる。鮮度のよいものを刺身で味わうほか、焼き物、煮付け、スープ、粥など多様な調理法が用いられる。 | ||
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;ヘムルトゥッペギ(海鮮味噌鍋/해물뚝배기) | ;ヘムルトゥッペギ(海鮮味噌鍋/해물뚝배기) | ||
− | :ヘムルトゥッペギ([[해물뚝배기]])は、海鮮味噌鍋。ヘムル([[해물]])は漢字で「海物」と書いて魚を除いた海産物のこと。トゥッペギ([[뚝배기]] | + | :ヘムルトゥッペギ([[해물뚝배기]])は、海鮮味噌鍋。ヘムル([[해물]])は漢字で「海物」と書いて魚を除いた海産物のこと。トゥッペギ([[뚝배기]])は素焼きの鍋。単にトゥッペギと呼ばれることもある。アワビ、トコブシ、ミナミアカザエビ([[딱새우]])、アサリ([[바지락]])、ウニなどの海産物を、味噌仕立ての鍋料理に仕立てて作る。1人前のトゥッペギで提供し、ごはん、副菜とともに定食として提供されることが多い。済州道では代表的な郷土料理のひとつであり、郷土料理店、刺身店などで提供される。飲食店によっては済州道の名産であるアワビを前面に出して、チョンボクトゥッペギ(アワビ海鮮味噌鍋、[[전복뚝배기]])と呼ぶこともある。ただし、近年の済州道では養殖物のアワビが主流となっていることから、2010年代前半までは天然のトコブシを用いたオブンジャギトゥッペギ(トコブシ入りの海鮮味噌鍋、[[오분자기뚝배기]])が人気を集めていたが、2010年代半ば以降はトコブシも激減している。 |
;フェ(刺身/회) | ;フェ(刺身/회) | ||
− | :フェ([[회]])は、刺身(「[[センソンフェ(刺身/생선회)]] | + | :フェ([[회]])は、刺身(「[[センソンフェ(刺身/생선회)]]」の項目も参照)。島嶼地域である済州道では、一般に鮮度落ちの早いサバや、タチウオを刺身で味わえるほか、クエ([[다금바리]])、キジハタ([[붉바리]])、マハタ([[구문쟁이]], [[능성어]])ブリ([[방어]])、サワラ([[삼치]])、アジ([[각재기]])、ヤリイカ、アワビ、サザエ([[소라]])、ウニ、ナマコ([[해삼]])など、多様な種類の魚介を刺身として味うことができる。なお、サバとタチウオは両者の頭文字を取って、コガルフェ(サバとタチウオの刺身、[[고갈회]])という名前で盛り合わせにすることも多い。食べ方は一般的な[[センソンフェ(刺身/생선회)|センソンフェ]]と同様だが、ブリの刺身をキムチで巻いて食べる、サワラの刺身を海苔で包んで食べる、といった個性的な食べ方もある。 |
*済州道のサムバリ | *済州道のサムバリ | ||
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;ムルフェ(冷汁風刺身/물회) | ;ムルフェ(冷汁風刺身/물회) | ||
− | :ムルフェ(물회)は、冷汁風の刺身(「[[ムルフェ(水刺身/물회)]] | + | :ムルフェ(물회)は、冷汁風の刺身(「[[ムルフェ(水刺身/물회)]]」の項目も参照)。大きな丼状の器に生野菜と刺身を盛り付け、氷水、コチュジャン、酢などを加えて作る。済州道の特産品である、アワビ、サザエ、ナマコ、スズメダイ、ヤリイカなどを用いて作ることが多い。済州道方言でチェピ([[제피]])と呼ばれるケカラスザンショウの葉を、香りのアクセントとして加えることもある。 |
;クイ(焼き物/구이) | ;クイ(焼き物/구이) | ||
− | :クイ([[구이]])は、焼き物(「[[センソングイ(焼き魚/생선구이)]] | + | :クイ([[구이]])は、焼き物(「[[センソングイ(焼き魚/생선구이)]]」の項目も参照)。済州道の特産品である、アマダイ、サバ、タチウオ、アジ、アワビ、サザエなどを焼いて食べることが多い。 |
;チョリム(煮付け/조림) | ;チョリム(煮付け/조림) |