チャンポン(激辛スープの海鮮麺/짬뽕)
ナビゲーションに移動
検索に移動
この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。 |
チャンポン(짬뽕)は、激辛スープの海鮮麺。
概要
料理名は日本語のちゃんぽんが定着したとみられるが、料理自体は日本から伝わったという説と、中国から伝わった炒碼麺(초마면)をルーツとするとの説がある。鶏ガラや豚骨などでスープを作り、豚肉、魚介、野菜、キノコなどの具を加えて中華麺とともに味わう。味付けは塩、醤油のほか、粉唐辛子や唐辛子油を加えて辛く仕上げるのが特徴である。チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)と並んで韓国における中華料理の代表格であり、中華料理店で味わえるほか、チャンポンに特化した専門店も多い。インスタント麺としてもチャンポンは多くの商品が販売されている。チャンポンのバリエーションとしては、サムソンチャンポン(3種の海鮮チャンポン、삼선짬뽕)、ヘムルチャンポン(海鮮チャンポン、해물짬뽕)、クルチャンポン(牡蠣チャンポン、굴짬뽕)、コチュチャンポン(唐辛子チャンポン、고추짬뽕)、チャドルチャンポン(牛バラ肉チャンポン、차돌짬뽕)などがある。また、スープに麺ではなくごはんを入れたものはチャンポンパプ(激辛海鮮スープごはん/짬뽕밥)と呼ぶ。粉唐辛子を入れずに作る白いスープのものは、ハヤンチャンポン(하얀짬뽕)、ペクチャンポン(백짬뽕)と呼ぶ。
- 全国5大チャンポン(전국 5대 짬뽕)
- チャンポンを自慢とする5軒の有名店を指したフレーズ。2010年6月30日に有名グルメブロガーの緑豆将軍(녹두장군)氏が、自身のブログに投稿した記事に由来する(現在はブログサービス自体が終了)[1]。このフレーズは大きな反響を生み、大手メディアでも取り上げられたり、選定された飲食店が自身のPRに利用するなど、全国的な用語として広まった。選定された5軒の店は以下の通りである。
地域
大邱市のヤキウドン
- 仁川市
- 仁川市は、1883年の仁川港開港によって日本や中国の租界が置かれ、多くの外国人が住むようになった。現在も仁川駅前には韓国最大のチャイナタウンが広がっており、多くの中国料理店が集まってチャンポンやチャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)などを提供している。
- 京畿道平沢市
- 大邱市
- 大邱市では、チャンポンを汁なしに仕立てた大邱市の料理#ヤキウドン(辛口焼きうどん/야끼우동)が名物料理になっている。名称こそ日本料理の「焼きうどん」と共通するが、もともと韓国の中国料理店には日本語が多く浸透しており、焼き餃子をヤキマンドゥ(야끼만두)、ダールー麺をウドン(우동)と呼ぶことから、両者を総合してヤキウドンという名称に至った。中区南一洞(チュング ナミルトン、중구 남일동)に位置する「中和飯店(중화반점)」にて、1970年代に新メニューとして開発されたとされる。
- 慶尚南道咸安郡
- 慶尚南道咸安郡では、ハヌクッパプ(韓牛のスープごはん/한우국밥)が郷土料理として親しまれており、スープにごはんだけでなく麺も加えたメニューを「チャンポン(짬뽕)」と呼んでいる。
- 全羅北道群山市
- 全羅北道群山市は、1899年の群山港開港により中国からも大勢の人が渡って居留するに至り、現在もたくさんの中国料理店がある。1952年創業と市内でもっとも古い「濱海園(빈해원)」をはじめ、「韓国5大チャンポン」のひとつに数えられる「福成楼(복성루)」など、数多くの有名店が点在する。2019年には、中国料理店の多く集まる蔵米洞(チャンミドン、장미동)地区の一角が、群山市によって「群山チャンポン特化通り(군산짬뽕특화거리)」として指定された。
- 全羅北道全州市
- 全羅北道全州市では、ムルチャジャン(물짜장)と呼ばれる中華麺に辛口の海鮮あんをかけたものが中華料理店の定番として親しまれる。名前からチャジャンミョンの亜種とされるが、とろみをつけてあんかけにしたチャンポンのようでもある。全国的には馴染みの薄いメニューだが、全州市を中心として全羅北道の近隣地域では中国料理店の定番となっている。市内の有名店に「ノーベル飯店(노벨반점)」「一品香(일품향)」「真味飯店(진미반점)」などがある。
- 光州市
- 光州市の北区林洞(プック イムドン、북구 임동)に位置する老舗中国料理店「永発園(영발원)」は、チャンポンのスープをあんかけ状にした、コンチャンポン(激辛のあんかけ海鮮麺、건짬뽕)が名物となっている。
脚注
- ↑ 짬뽕열전 (전국 5대 짬뽕 + @) 、ブログ「녹두장군의 식도락(緑豆将軍の食道楽)」(Internet Archive)、2023年10月11日閲覧
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)