束草市の料理

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この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。
渡し船のケッペ

束草市(ソクチョクシ、속초시)は江原道の北東部に位置する地域。本ページでは束草市の料理、特産品について解説する。

地域概要

雪岳山国立公園内にある新興寺の極楽宝殿(宝物第1981号)

束草市は江原道の北東部に位置する地域。市の北部は江原道高城郡と接し、東部は東海岸に面する。南部は江原道襄陽郡、西部は麟蹄郡と接する。人口は8万2092人(2023年11月)[1]。市の西部は太白山脈(テベクサンメク)の一角を成す山岳地域で、南西部にあって麟蹄郡襄陽郡にまたがる雪岳山(ソラクサン、설악산)は特に有名である。東部は東海岸に面しており、西高東低の地形をしている。市南部を流れる双川(サンチョン、쌍천)は下流域において襄陽郡との境界をなし、市中心部を流れる青草川(チョンチョチョン、청초천)は潟湖の青草湖(チョンチョホ、청초호)へと注ぐ。

代表的な観光地としては、前述の雪岳山を中心とする雪岳山国立公園(ソラクサン クンニプコンウォン、설악산 국립공원)があり、海岸部には外甕峙海水浴場(ウェオンチ ヘスヨクチャン、외옹치해수욕장)や、束草海水浴場(ソクチョ ヘスヨクチャン、속초해수욕장)があって、山と海の両方を楽しめる地域として人気がある。青湖洞(チョンホドン、청호동)には、朝鮮戦争時に北部の咸鏡道(ハムギョンド、함경도)から避難してきた人たちや、その子孫らが集住するアバイ村(アバイマウル、아바이마을)があり、咸鏡道料理の専門店が多く集まっている。アバイ村はドラマやバラエティ番組のロケ地としても多く使われており、市街地と結ぶ渡し船のケッペ(갯배)とともに観光地として有名である。

ソウル市から束草市までのアクセスは、高速バスで東ソウル総合ターミナルから束草高速バスターミナルまで約2時間10分、ソウル高速バスターミナルから約2時間20分の距離である。

  • 春川束草線
春川束草線(춘천속초선)は、江原道春川市から華川郡楊口郡麟蹄郡を経て、束草市までを結ぶ高速鉄道。2028年の開業に向けて工事が進められている。

食文化の背景

アバイ村。咸鏡道料理の専門店が並ぶ

東海岸に面した港町で、海岸部ではスルメイカ(오징어)、カレイ(가자미)、ベニズワイガニ(홍게, 붉은대게)、イサゴビクニン(곰치, 미거지)などが名産であるほか、干物や塩辛などの生産も盛んであり、センソンフェ(刺身/생선회)センソングイ(焼き魚/생선구이)などの魚介料理を提供する飲食店も多い。青湖洞(チョンホドン、청호동)のアバイ村には朝鮮戦争によって避難してきた咸鏡道(ハムギョンド、함경도)の出身者が多く住んでおり、アバイスンデ(大腸を使った太い腸詰/아바이순대)や、ミョンテスンデ(スケトウダラの印籠蒸し、명태순대)、カジャミシッケ(カレイの馴れ寿司/가자미식해)といった咸鏡道料理が味わえるほか、それらをアレンジしたオジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)が名物となっている。市中心部の束草観光水産市場(ソクチョ クァングァン スサンシジャン、속초관광수산시장)では、タッカンジョン(鶏の蜜揚げ/닭강정)シアッホットク(ナッツ入りのお焼き/씨앗호떡)が観光客の人気を集める。蘆鶴洞(ノハクトン、노학동)地区の鶴沙坪コンコッ村(ハクサピョン コンコッマウル、학사평 콩꽃마을)には、にがりのかわりに海水を用いたスンドゥブ(おぼろ豆腐、순두부)の専門店が集まっている。

  • 1981年の郷土料理指定
束草市は観光地として注目され始めた1981年に、10種類の料理を郷土料理(토산음식)に指定した。当時の報道には、オジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)ムルフェ(水刺身/물회)、フェグクス(刺身麺、회국수)、トチボックム(ホテイウオの炒め物、도치볶음)、ピョゴボソットッパプ(シイタケ丼、표고버섯덮밥)、サンチェピビムパプ(山菜ビビンバ/산채비빔밥)マッククス(冷やしそば/막국수)、トトリグクス(ドングリ麺、도토리국수)の名前があげられている(残り2種は未確認)[2]

代表的な料理

スルメイカ、カレイ、ウニ、ホヤ、ナマコ、サザエなどを具としたムルフェ

ムルフェ(水刺身/물회)

ムルフェ(물회)は、冷汁風の刺身(「ムルフェ(水刺身/물회)」の項目も参照)。東海岸の名産品であるスルメイカ(오징어)や、カレイ(가자미)、ウニ(성게)、ツブ貝(골뱅이)などを主材料として用い、スープにはコチュジャン、酢を加えてさっぱり爽快な味に仕上げる。ムルフェは地域差の多い料理だが、一般的にムルフェと言うと束草市のスタイルを指すことが多い。

オジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)

オジンオスンデ
オジンオスンデ(오징어순대)は、詰め物をした蒸し以下(「オジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)」の項目も参照)。束草市の名産品であるスルメイカ(오징어)に、もち米、野菜、刻んだスルメイカの足、春雨などを詰めて、蒸して作る。食べやすくスライスしたものをチョジャン(唐辛子酢味噌、초장)につけて食べたり、溶き卵にくぐらせてから焼いて提供する方法もある。その発祥には諸説あり、朝鮮戦争時に避難してきた咸鏡道(ハムギョンド、함경도)の出身者が、故郷の料理であるアバイスンデ(大腸を使った太い腸詰/아바이순대)や、ミョンテスンデ(スケトウダラの印籠蒸し、명태순대)を模してスルメイカで作ったとの説や、数日かけてスルメイカ漁に出た漁師が船上で作って食べたのが始まりとの説が有力とされる。青湖洞(チョンホドン、청호동)のアバイ村(アバイマウル、아바이마을)を中心に、市内各地の郷土料理店、刺身料理店などで味わえるほか、一部の屋台でも提供される。朝鮮民主主義人民共和国では、同様の料理をナクチスンデ(낙지순대)と呼ぶ。

咸鏡道料理(함경도요리)

アバイスンデ
咸鏡道(ハムギョンド、함경도)は、朝鮮半島の北東部に位置する地域。朝鮮戦争時に南部へと避難したものの、分断によって故郷へと帰れなくなった人たちや、その子孫らが束草市には多く住んでいる。青湖洞(チョンホドン、청호동)のアバイ村(アバイマウル、아바이마을)がその中心的な存在で、アバイは咸鏡道の方言で「アボジ(お父さん、아버지)」を意味する。現在もアバイ村には咸鏡道料理を提供する店が多く、代表的なものに以下がある。

アバイスンデ(豚の大腸の腸詰/아바이순대)

アバイスンデ(아바이순대)は、豚の大腸の腸詰(「アバイスンデ(大腸を使った太い腸詰/아바이순대)」の項目も参照)。豚の大腸に、干した大根の葉や、豚肉、新鮮な豚の血液(선지)、ニンニクなどを入れ、蒸して作る。

ミョンテスンデ(スケトウダラの印籠蒸し/명태순대)

ミョンテスンデ(명태순대)は、スケトウダラの印籠蒸し。ミョンテ(명태)はスケトウダラ、スンデ(순대)は腸詰めを意味する(「スンデ(韓国式の腸詰/순대)」の項目も参照)。新鮮なスケトウダラのエラ部分から内臓と骨を抜き出し、スンデのように具を詰めて作る。スケトウダラには塩を振っておき、具には抜き出した内臓や白子、卵に加え、豚肉、ベニズワイガニ(홍게, 붉은대게)、白菜、緑豆モヤシ、豆腐、キムチなどをそれぞれ茹でたり、炒めたりして火を通したうえで、全体を混ぜ合わせてスケトウダラに詰める。その後、天日に干して数日間熟成させ、焼くか、または蒸して味わう。

ハムンネンミョン(咸興冷麺/함흥냉면)

ハムンネンミョン(함흥냉면)は、咸鏡南道咸興市を本場とするネンミョン(冷麺/냉면)。本場ではジャガイモのでんぷんで麺を作るが、束草市を含めて韓国ではサツマイモのでんぷんを用いることが多い。スケトウダラ(명태)や、カレイ(가자미)の刺身を具とするフェネンミョン(刺身冷麺/회냉면)が代表的なメニューであり、使用する魚によって、ミョンテフェネンミョン(スケトウダラの刺身冷麺、명태회냉면)、カジャミフェネンミョン(カレイの刺身冷麺、가자미회냉면)とも呼び分ける。刺身は薬味ダレと和えてあり、甘酸っぱい少量のスープを注いで提供することが多い。同様の刺身和えをククス(=グクス、素麺)に載せたフェグクス(刺身麺、회국수)を提供する店もある。なお、咸鏡道では上記のようなフェネンミョンをフェグクス(회국수)と呼ぶ。
  • コダリネンミョン
コダリネンミョン(코다리냉면)は、コダリ(スケトウダラの生干し、코다리)を薬味ダレと和えて具としたミョンテフェネンミョンを指す。

カジャミシッケ(カレイの馴れ寿司/가자미식해)

カジャミシッケ(가자미식해)は、カレイの馴れ寿司。カジャミ(가자미)はカレイ、シッケ(식해)は馴れ寿司を意味する(「シッケ(韓国式の馴れ寿司/식해)」の項目も参照)。カレイの身を生のまま、粟飯、または米飯、粉唐辛子、塩、大根、ニンニク、ショウガ、麦芽などとともに漬け込み、発酵させて作る。

センソングイ(焼き魚/생선구이)

センソングイ
センソングイ(생선구이)は、焼き魚(「センソングイ(焼き魚/생선구이)」の項目も参照)。専門店では卓上の網に種類豊富な魚を並べ、目の前で手際よく焼いて提供する。東海岸の名産であるサンマ(꽁치)、ニシン(청어)、ハタハタ(도루묵)、イカナゴ(양미리)などを中心に、魚以外にもスルメイカ(오징어)を焼いたりもする。渡し舟のケッペ(갯배)乗り場近くや、アバイ村(アバイマウル、아바이마을)に専門店が多い。

ヤンミリグイ(イカナゴ焼き/양미리구이)

ヤンミリグイ(양미리구이)は、イカナゴ焼き。ヤンミリ(양미리)はイカナゴ(까나리)の東海岸方言。グイ(=クイ、구이)は焼き物を表す。新鮮なイカナゴを丸ごと網などで焼いて食べるほか、生干しにしたものを焼く場合もある。12~2月頃が最盛期であり、同時期に旬を迎えるハタハタ(도루묵)と一緒に提供されることも多い。束草市では11月下旬から12月上旬にかけて、「束草イカナゴ&ハタハタ祭り(속초 양미리&도루묵 축제)」が開催される。
  • イカナゴとシワイカナゴ
ヤンミリ(양미리)は本来シワイカナゴを指す名称であるが、東海岸沿いの地域ではイカナゴを指してヤンミリと呼んでいる。イカナゴは標準語で「カナリ(까나리)」と呼ばれ、主に西海岸でとれるサイズの小さなものを塩辛、魚醤に利用することが多い。一般的にシワイカナゴが食用とされることはない。

ムルゴムタン(イサゴビクニンの鍋/물곰탕)

ムルゴムタン
ムルゴムタン(물곰탕)は、イサゴビクニンの鍋。ムルゴム(물곰)はイサゴビクニン(미거지)の江原道方言。タン()は鍋、スープ料理を表す。イサゴビクニンを食べやすい大きさに切り、大根や長ネギなどの野菜と一緒に煮込んで作る。店によって、粉唐辛子を入れるメウンタン(매운탕)と、澄まし仕立てにしたマルグンタン(맑은탕)に分けて提供するところもある。イサゴビクニンは深海魚の一種で、身はゼラチン質でぷるぷると柔らかく、とろけるような食感を持ち味とする。ムルゴムタンに白菜キムチを入れて調理したものは、コムチクッ(곰치국)と呼ぶ。束草市をはじめ、江原道の東海岸沿い地域で広く食べられる。朝食のメニューとしても人気が高く、専門店では早朝から営業を始める。
  • コムチクッ(イサゴビクニンとキムチのスープ)
コムチクッ(곰치국)は、イサゴビクニンとキムチのスープ。コムはムルゴム(イサゴビクニン、물곰)、チはキムチ(김치、クッ()はスープを意味する。ムルゴムタンの一種であり、熟成したキムチを加えることで味わいに酸味とコクが加わる。なお、コムチ(곰치)は、ムルゴム(물곰)とともにイサゴビクニン(미거지)の江原道方言としても使用されるため、コムチクッは料理名の総称としてムルゴムタン(물곰탕)と同義にも用いられる。
  • イサゴビクニンとクサウオ
イサゴビクニン(미거지)とよく似た魚にクサウオ(꼼치, 물메기)がいる。イサゴビクニンが江原道慶尚北道の北部を主産地とするのに対し、クサウオは南海岸、西海岸沿いの各地域で水揚げされる。近年はイサゴビクニンが稀少となり、冷凍にも不向きな魚であることから、クサウオで代用する例も見られる。ただし、市場価値としてはイサゴビクニンのほうがはるかに高価であるため、ムルゴムタンや、コムチクッの名前を掲げてクサウオを使用することに対しては批判的な意見がある[3]。また、いずれの魚も標準名よりも地方名の使用が一般的であり、それが他の魚の標準名と重なることもあって混乱をきたすことが多い。
  • コムチ(곰치)……ウツボの標準名(一般に食用とはされない)
  • コムチ(곰치)……イサゴビクニン(미거지)の江原道方言(クサウオで代用する場合もある)
  • コムチ(꼼치)……クサウオの標準名(語頭が濃音であるのに注意)
  • ムルゴム(물곰)……イサゴビクニン(미거지)の江原道方言(クサウオで代用する場合もある)
  • ムルメギ(물메기)……ビクニンの標準名(一般に食用とはされない)
  • ムルメギ(물메기)……クサウオ(꼼치)の俗称
  • ミゴジ(미거지)……イサゴビクニンの標準名(料理名にはほぼ使用されない)

スンドゥブ(おぼろ豆腐/순두부)

スンドゥブ(순두부)は、おぼろ豆腐。押し固める前のもろもろとした豆腐を液体ごと器に盛り付け、少量の薬味醤油を加えて味わう。スンドゥブチゲのように辛く味付けをするのではなく、豆腐本来の甘味と、海水によるほんのりとした塩気で味わう。江原道江陵市の名物であるチョダントゥブ(草堂豆腐/초당두부)と同じく、にがりのかわりに海水を用いて作るのを特徴とする。蘆鶴洞(ノハクトン、노학동)地区の鶴沙坪コンコッ村(ハクサピョン コンコッマウル、학사평 콩꽃마을)に専門店が集まっている。

セウティギム(エビの天ぷら/새우튀김)

セウティギム(새우튀김)は、エビの天ぷら(「セウティギム(エビの天ぷら/새우튀김)」の項目も参照)。大浦洞(テポドン、대포동)の名物であり、専門店の集まる「元祖ティギム通り(원조튀김골목)」がある。イートインスペースもあるが、テイクアウトでの販売を中心とする。店によってオジンオティギム(スルメイカの天ぷら、오징어튀김)や、ケサルティギム(カニの身の天ぷら、게살튀김)など、さまざまな種類のティギム(天ぷら/튀김)も提供する。

束草観光水産市場の料理

束草観光水産市場
束草観光水産市場(ソクチョ クァングァン スサンシジャン、속초관광수산시장)は、市中心部の中央洞(チュンアンドン、중앙동)に位置する水産市場。渡し舟のケッペ(갯배)乗り場から近く、対岸にアバイ村(アバイマウル、아바이마을)があってアクセスもよいことから観光客にも人気が高い。市場の地下には「水産物刺身センター(수산물회센터)」があり、鮮魚店に併設された客席ではセンソンフェ(刺身/생선회)や、オジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)などの魚介料理を味わえる。市場の名物としてタッカンジョン(鶏の蜜揚げ/닭강정)が有名であるほか、シアッホットク(ナッツ入りのお焼き/씨앗호떡)、ロングサイズのソーセージ入りケランパン(目玉焼き入り今川焼き/계란빵)なども名物として知られる。

タッカンジョン(鶏の蜜揚げ/닭강정)

持ち帰り用のタッカンジョン
タッカンジョン(닭강정)は、鶏の蜜揚げ(「タッカンジョン(鶏の蜜揚げ/닭강정)」の項目も参照)。束草観光水産市場内に専門店の集まった「タッカンジョン通り(닭강정골목)」があり、名物として人気を集めている。イートインの客席を設けているところもあるが、本来はテイクアウトが主流であり、購入したタッカンジョンの箱を手にした観光客も多く見かける。タッカンジョンはもともと、フライドチキンを冷めても美味しく食べられるよう薬味ダレでコーティングした料理であるため、観光客が宿泊先で食べるのにも向いている。店によってツルニンジン(더덕)や、エゴマの葉(더덕)などを加えた個性派のアレンジもある。

代表的な特産品

スルメイカ(오징어)

束草市の特産品としてスルメイカ(오징어)は全国的に有名である。初夏から秋にかけてがシーズンであり、代表的な郷土料理としてオジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ/오징어순대)があるほか、オジンオフェ(スルメイカの刺身、오징어회)、オジンオボックム(イカ炒め/오징어볶음)、オジンオティギム(スルメイカの天ぷら、오징어튀김)など、さまざまな調理法で味わう。スルメ(마른오징어)や、塩辛(오징어젓)などの加工品も生産が盛んである。東明洞(トンミョンドン、동명동)の束草港旅客ターミナル近くには、5月末頃から12月にかけて「東明港スルメイカ市場(동명항 오징어난전)」と呼ばれるテント屋台群が出店し、さまざまなスルメイカ料理を提供する。11月以降は同じく名産であるイカナゴ(양미리)、ハタハタ(도루묵)料理も扱う。

ベニズワイガニ(홍게)

東海岸の港町では10月頃からベニズワイガニ(홍게, 붉은대게)がシーズンを迎え、ホンゲチム(ベニズワイガニ蒸し、홍게찜)や、ホンゲラミョン(ベニズワイガニラーメン、홍게라면)にして味わう。束草市も代表的な産地であり、専門店ではズワイガニ(대게)、タラバガニ(킹크랩, 왕게)などと一緒に扱う。2015年にはコンビニのCUが、地方の特産品を活かしたカップ麺シリーズのひとつとして「束草ベニズワイガニラーメン(속초홍게라면)」を発売した。

代表的な酒類・飲料

束草市内の観光名所をラベルに描いた缶ビール

クラフトビール

蘆鶴洞(ノハクトン、노학동)にクラフトビールのブルワリー「CRAFTROOT(크래프트루트)」があり、束草市内の観光名所をラベルに描いた缶ビールを生産している。

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • 南浦洞元祖チャプサルホットク(남포동 원조 찹쌀호떡)
住所:江原道束草市収復路187番キル2(琴湖洞490-16)
住所:강원도 속초시 수복로187번길 2(금호동 490-16)
電話:010-3920-0462
料理:シアッホットク(ナッツ入りのお焼き)
  • 端川食堂(단천식당)
住所:江原道束草市アバイマウルキル17(青湖洞842)
住所:강원도 속초시 아바이마을길 17(청호동 842)
電話:033-632-7828
料理:アバイスンデ(大腸を使った太い腸詰)
  • マンソクタッカンジョン市場1号店(만석닭강정 시장1호점)
住所:江原道束草市中央路147番キル16(中央洞471-4)
住所:강원도 속초시 중앙로147번길 16(중앙동 471-4)
電話:033-632-4084
料理:タッカンジョン(鶏の蜜揚げ)
  • 鳳浦モグリチプ(봉포머구리집)
住所:江原道束草市永郎海岸キル223(永郎洞148-30)
住所:강원도 속초시 영랑해안길 223(영랑동 148-30)
電話:033-631-2021
料理:ムルフェ(水刺身)
  • 北青タッカンジョン(북청닭강정)
住所:江原道束草市中央路147番キル16(中央洞471-4)
住所:강원도 속초시 중앙로147번길 16(중앙동 471-4)
電話:033-633-0078
料理:タッカンジョン(鶏の蜜揚げ)
  • 束草東海ムルゴムタン(속초동해물곰탕)
住所:江原道束草市永郎海岸1キル11(永郎洞131-142)
住所:강원도 속초시 영랑해안1길 11(영랑동 131-142)
電話:033-635-2358
料理:ムルゴムタン(イサゴビクニンの鍋)
  • チニャンフェッチプ(진양횟집)
住所:江原道束草市青草湖畔路318(中央洞478-35)
住所:강원도 속초시 청초호반로 318(중앙동 478-35)
電話:033-632-7739
料理:オジンオスンデ(詰め物をした蒸しイカ)
  • 88センソングイ(88생선구이)
住所:江原道束草市中央埠頭キル71(中央洞468-55)
住所:강원도 속초시 중앙부두길 71(중앙동 468-55)
電話:033-633-8892
料理:センソングイ(焼き魚)

エピソード

韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2003年1月に初めて束草市を訪れた。名物のスルメイカ料理を食べるのが目的であったが、その当時は旬が初夏から夏にかけてであることを知らず、飲食店で頼んだオジンオプルコギ(イカ炒め、오징어불고기)が冷凍のスルメイカだったことに衝撃を受けた。その後、足を運んだ水産市場でまったくスルメイカが目に入らず、不思議に思って尋ねた市場関係者から、いまの時期には冷凍しかないと教えられ旬の重要性を学んだ。

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2023年12月13日閲覧
  2. [都市의 鼓動 港口는 적적…観光은 북적 、NAVERニュースライブラリー(東亜日報1981年9月22日記事)、2023年11月10日閲覧
  3. [교양먹거리 X파일_209회] 、YouTube(채널A WORLD)、2023年12月14日閲覧

外部リンク

関連サイト
制作者関連サイト

関連項目