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:<pre>【訳文】全羅北道の淳昌(スンチャン、순창)で韓方薬局を営む韓方医の息子として生まれたハン・ドンギル(한동길)は、父の影響で韓方医学を学んでいたところ、1894年の東学農民運動に巻き込まれ、仁川に移住することになりました。傾いた一家の生計を立てるために、京仁鉄道会社の人夫として働いていたハン・ドンギルは、食事も抜いたまま作業していた人夫たちのために、持ち合わせていた韓医学の知識を活用し、もっとも安価な材料だった菜っ葉、ジャガイモ、豚の背骨を利用したスープを作って労働者たちに提供しました。栄養価が高く、健康によい、豚の背骨とジャガイモの鍋は人気を得て、1900年に漢江鉄橋の工事が大詰めを迎えた鷺梁津の近くで、飯場を本格的に運営し始めました。【原文1】※丸カッコ内は訳注 | :<pre>【訳文】全羅北道の淳昌(スンチャン、순창)で韓方薬局を営む韓方医の息子として生まれたハン・ドンギル(한동길)は、父の影響で韓方医学を学んでいたところ、1894年の東学農民運動に巻き込まれ、仁川に移住することになりました。傾いた一家の生計を立てるために、京仁鉄道会社の人夫として働いていたハン・ドンギルは、食事も抜いたまま作業していた人夫たちのために、持ち合わせていた韓医学の知識を活用し、もっとも安価な材料だった菜っ葉、ジャガイモ、豚の背骨を利用したスープを作って労働者たちに提供しました。栄養価が高く、健康によい、豚の背骨とジャガイモの鍋は人気を得て、1900年に漢江鉄橋の工事が大詰めを迎えた鷺梁津の近くで、飯場を本格的に運営し始めました。【原文1】※丸カッコ内は訳注 | ||
| − | :【原文1】전라북도 순창에서 한약방을 운영하던 한의사의 아들로 태어난 한동길은 부친의 영향으로 한의학 교육을 받던 중 1894년 동학농민운동에 휘말려 인천으로 이주하게 되었습니다. 가문이 기울고 일가의 생계를 위해 경인철도 회사의 인부로 일하던 한동길은 끼니도 거른 채 작업하던 인부들을 위해 평소에 갖고 있던 한의학 지식을 활용하여 가장 싼재료였던 시래기, 감자, 돼지뼈를 이용한 탕국을 만들어 노동자들에게 제공하게 되었는데 영양가가 높고 건강에 좋은 통뼈 감자탕이 인기를 얻게 되어 1900년 한강철교 공사가 막바지에 이른 노량진 근처에서 함바집을 본격적으로 운영하기 시작했습니다.<ref>김찬별, 2008, 『한국음식 그 맛있는 탄생』, 로크미디어, P80~82</ref | + | :【原文1】전라북도 순창에서 한약방을 운영하던 한의사의 아들로 태어난 한동길은 부친의 영향으로 한의학 교육을 받던 중 1894년 동학농민운동에 휘말려 인천으로 이주하게 되었습니다. 가문이 기울고 일가의 생계를 위해 경인철도 회사의 인부로 일하던 한동길은 끼니도 거른 채 작업하던 인부들을 위해 평소에 갖고 있던 한의학 지식을 활용하여 가장 싼재료였던 시래기, 감자, 돼지뼈를 이용한 탕국을 만들어 노동자들에게 제공하게 되었는데 영양가가 높고 건강에 좋은 통뼈 감자탕이 인기를 얻게 되어 1900년 한강철교 공사가 막바지에 이른 노량진 근처에서 함바집을 본격적으로 운영하기 시작했습니다.</pre><ref>김찬별, 2008, 『한국음식 그 맛있는 탄생』, 로크미디어, P80~82</ref> |
:同店の名前は上記のハン・ドンギルから取ったと見られ、内容もたいへん具体的ではあるが、ウェブサイトに書かれていた以上の情報は現状として見つけることができず、実質的に検証が不可能である。裏付けの調査は今後の課題と言える。 | :同店の名前は上記のハン・ドンギルから取ったと見られ、内容もたいへん具体的ではあるが、ウェブサイトに書かれていた以上の情報は現状として見つけることができず、実質的に検証が不可能である。裏付けの調査は今後の課題と言える。 | ||
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=== 1950年代 === | === 1950年代 === | ||
;『東亜日報』(1958年)の記述 | ;『東亜日報』(1958年)の記述 | ||
| − | :1958年6月29日の『東亜日報』には、児童文学作家の馬海松(マ・ヘソン、마해송)によるコラム「趣味の妙境(3)珍食」が掲載されており、自身がよく行く店として「タグィチプ([[따귀집]])」(=[[ピョダグィヘジャンクッ(豚の背骨のスープ/뼈다귀해장국)]]の専門店)を紹介している。文中では「肉をはがした豚骨だけを、夏であればジャガイモと、煮るというよりも煮込んだスープの鍋に、50ファン(当時の通貨単位)の薬酒が長安第一である」【原文2】<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1958062900209106004 趣味의妙境(3)珍食] | + | :1958年6月29日の『東亜日報』には、児童文学作家の馬海松(マ・ヘソン、마해송)によるコラム「趣味の妙境(3)珍食」が掲載されており、自身がよく行く店として「タグィチプ([[따귀집]])」(=[[ピョダグィヘジャンクッ(豚の背骨のスープ/뼈다귀해장국)]]の専門店)を紹介している。文中では「肉をはがした豚骨だけを、夏であればジャガイモと、煮るというよりも煮込んだスープの鍋に、50ファン(当時の通貨単位)の薬酒が長安第一である」【原文2】<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1958062900209106004 趣味의妙境(3)珍食] 、NAVERニュースライブラリー(東亜日報1958年6月29日記事)、2025年2月25日閲覧</ref>と述べており、豚骨を煮込んだスープにジャガイモを入れた例としては、これが初出と見られる。 |
:【原文2】돼지뼈다귀 살점다긁어버린 뼈다귀만여름이면 감자하고 삶는다기보다 곤국물 한뚝배기에 五十환藥酒가 長安第一일게다. | :【原文2】돼지뼈다귀 살점다긁어버린 뼈다귀만여름이면 감자하고 삶는다기보다 곤국물 한뚝배기에 五十환藥酒가 長安第一일게다. | ||
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*京畿道南部 | *京畿道南部 | ||
:[[京畿道の料理|京畿道]]南部の[[水原市の料理|水原市]]、[[烏山市の料理|烏山市]]、[[華城市の料理|華城市]]などには、サデンイ(豚の背骨とジャガイモの鍋、[[사뎅이]])と呼ばれるカムジャタンと酷似した料理がある。サデンイクッ([[사뎅이국]])、サデンイタン([[사뎅이탕]])、サデンイジョンゴル([[사뎅이전골]])などとも呼ぶ。カムジャタンの方言と解釈されることが多いが、酷似した別の料理と考える見方もある。一例として、サデンイには背骨以外のさまざまな骨が使用され、カムジャタンには背骨が主に使われるとの違いがあげられるが、その場合も近年のサデンイはほぼ背骨を煮込んで作るため違いはほとんどないと言える<ref>[https://www.donga.com/news/Culture/article/all/20200226/99876796/1 〔석창인 박사의 오늘 뭐 먹지?〕감자탕과 똑닮은 ‘사뎅이’ 아시나요] 、東亜日報(2020年2月26日記事)、2025年1月2日閲覧</ref>。韓食ペディアの執筆者である八田靖史がサデンイを提供する飲食店でカムジャタンとの違いを店主に尋ねたところ、即答で「同じ、方言!」との回答であった(八田靖史の取材記録より、2024年11月24日)。サデンイの語源として、サルドンイ(肉塊、[[살덩이]])が変化したとするもの(サルドンイの全羅道方言がサデンイとの説もある)と、サドゥンイピョ(背骨、[[사등이뼈]])が変化したもの、との説が多く語られる。 | :[[京畿道の料理|京畿道]]南部の[[水原市の料理|水原市]]、[[烏山市の料理|烏山市]]、[[華城市の料理|華城市]]などには、サデンイ(豚の背骨とジャガイモの鍋、[[사뎅이]])と呼ばれるカムジャタンと酷似した料理がある。サデンイクッ([[사뎅이국]])、サデンイタン([[사뎅이탕]])、サデンイジョンゴル([[사뎅이전골]])などとも呼ぶ。カムジャタンの方言と解釈されることが多いが、酷似した別の料理と考える見方もある。一例として、サデンイには背骨以外のさまざまな骨が使用され、カムジャタンには背骨が主に使われるとの違いがあげられるが、その場合も近年のサデンイはほぼ背骨を煮込んで作るため違いはほとんどないと言える<ref>[https://www.donga.com/news/Culture/article/all/20200226/99876796/1 〔석창인 박사의 오늘 뭐 먹지?〕감자탕과 똑닮은 ‘사뎅이’ 아시나요] 、東亜日報(2020年2月26日記事)、2025年1月2日閲覧</ref>。韓食ペディアの執筆者である八田靖史がサデンイを提供する飲食店でカムジャタンとの違いを店主に尋ねたところ、即答で「同じ、方言!」との回答であった(八田靖史の取材記録より、2024年11月24日)。サデンイの語源として、サルドンイ(肉塊、[[살덩이]])が変化したとするもの(サルドンイの全羅道方言がサデンイとの説もある)と、サドゥンイピョ(背骨、[[사등이뼈]])が変化したもの、との説が多く語られる。 | ||
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| + | *光州市 | ||
| + | :[[光州市の料理|光州市]]の光山区松汀洞(クァンサング ソンジョンドン、광산구 송정동)は、[[トッカルビ(叩いた牛カルビ焼き/떡갈비)]]が名物となっており、豚の背骨を澄まし仕立てのスープにしたピョクッ(豚の背骨のスープ、[[뼈국]])を添えるのが定番となっている。 | ||
== 飲食店情報 == | == 飲食店情報 == | ||
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*[[テジカルビチム(豚カルビの蒸し煮/돼지갈비찜)]] | *[[テジカルビチム(豚カルビの蒸し煮/돼지갈비찜)]] | ||
*[[テジモリピョニュク(茹でた豚の頭肉/돼지머리편육)]] | *[[テジモリピョニュク(茹でた豚の頭肉/돼지머리편육)]] | ||
| + | *[[トッカルビ(叩いた牛カルビ焼き/떡갈비)]] | ||
*[[ペッパン(定食/백반)]] | *[[ペッパン(定食/백반)]] | ||
*[[プデチゲ(ソーセージ鍋/부대찌개)]] | *[[プデチゲ(ソーセージ鍋/부대찌개)]] | ||
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*[[仁川市の料理]] | *[[仁川市の料理]] | ||
*[[京畿道の料理]] | *[[京畿道の料理]] | ||
| + | *[[富川市の料理]] | ||
*[[水原市の料理]] | *[[水原市の料理]] | ||
*[[烏山市の料理]] | *[[烏山市の料理]] | ||
*[[華城市の料理]] | *[[華城市の料理]] | ||
| + | *[[光州市の料理]] | ||
[[Category:韓食ペディア]] | [[Category:韓食ペディア]] | ||
[[Category:鍋・スープ料理の一覧]] | [[Category:鍋・スープ料理の一覧]] | ||
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[[Category:ソウル市の料理]] | [[Category:ソウル市の料理]] | ||
[[Category:京畿道・仁川市の料理]] | [[Category:京畿道・仁川市の料理]] | ||
| + | [[Category:全羅南道・光州市の料理]] | ||