「ピビムパプ(ビビンバ/비빔밥)」の版間の差分

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'''ピビムパプ'''([[비빔밥]])は、韓国式の混ぜごはん。
 
'''ピビムパプ'''([[비빔밥]])は、韓国式の混ぜごはん。
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== 名称 ==
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ピビムパプは混ぜごはんのこと。ピビムは混ぜるという動詞の名詞形で、パプはごはんを意味する。かつてはコルドンバン(骨董飯、[[골동반]])とも呼ばれた。日本語においては「ビビンバ」「ピビンバ」「ビビンパ」「ピビンパ」「ピビンパッ」「ビビンパッ」「ピビムパッ」「ビビムパッ」など多様な表記が混在している。本辞典ではピビムパプを用いる。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
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*朝鮮3大ビビンバ(韓国3大ビビンバ)
 
*朝鮮3大ビビンバ(韓国3大ビビンバ)
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[[ファイル:23010828.JPG|thumb|300px|ユッケピビムパプ(チンジュピビムパプ)]]
:[[全羅北道の料理|全羅北道]][[全州市の料理|全州市]]のチョンジュピビムパプ(全州式のビビンバ、[[전주비빔밥]]=20種類前後の具材を用いたビビンバ)と、[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[晋州市の料理|晋州市]]のチンジュピビムパプ(晋州式のビビンバ、[[진주비빔밥]]=[[ユッケピビムパプ(牛刺身載せビビンバ/육회비빔밥)]])はほぼ確定で入り、朝鮮3大ビビンバとした場合は残りのひとつに[[北朝鮮の料理|黄海南道海州市]]のヘジュピビムパプ(海州式のビビンバ、[[해주비빔밥]]=鶏肉とワラビ、海苔などを具材としたビビンバ)が入ることが多い。韓国だけに限定する場合は、語り手によって[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[安東市の料理|安東市]]のアンドンピビムパプ(安東式のビビンバ、[[안동비빔밥]]=[[ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)]])や、[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[統営市の料理|統営市]]のトンヨンピビムパプ(統営式のビビンバ、[[통영비빔밥]]=モンゲピビムパプ(ホヤビビンバ、[[멍게비빔밥]]))、[[全羅北道の料理|全羅北道]][[益山市の料理|益山市]]のファンドゥンピビムパプ(黄登市場式のビビンバ、[[황등비빔밥]]=コチュジャン味のごはんを使用)などのいずれかが選ばれる。
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:[[全羅北道の料理|全羅北道]][[全州市の料理|全州市]]のチョンジュピビムパプ(全州式のビビンバ、[[전주비빔밥]]=20種類前後の具材を用いたビビンバ)と、[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[晋州市の料理|晋州市]]のチンジュピビムパプ(晋州式のビビンバ、[[진주비빔밥]]=[[ユッケピビムパプ(牛刺身載せビビンバ/육회비빔밥)]])はほぼ確定で入り、朝鮮3大ビビンバとした場合は残りのひとつに[[北朝鮮の料理|黄海南道海州市]]のヘジュピビムパプ(海州式のビビンバ、[[해주비빔밥]]=鶏肉とワラビ、海苔などを具材としたビビンバ)が入ることが多い。韓国だけに限定する場合は、語り手によって[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[安東市の料理|安東市]]のアンドンピビムパプ(安東式のビビンバ、[[안동비빔밥]]=[[ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)]])や、[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[統営市の料理|統営市]]のトンヨンピビムパプ(統営式のビビンバ、[[통영비빔밥]]=野菜や海藻、貝と豆腐のスープなどを具材としたビビンバ)、[[全羅北道の料理|全羅北道]][[益山市の料理|益山市]]のファンドゥンピビムパプ(黄登市場式のビビンバ、[[황등비빔밥]]=コチュジャン味のごはんを使用)などのいずれかが選ばれる。
  
 
*朝鮮3大料理
 
*朝鮮3大料理
 
:20世紀初頭の新聞記者で歴史家、独立運動家の文一平(ムン・イルピョン、문일평)は、1936年8月27日の『朝鮮日報(조선일보)』紙面で「朝鮮人と飲食物」<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1936082700239105001 朝鮮人과飲食物] 、NAVERニュースライブラリー(朝鮮日報1936年8月27日記事)、2023年10月5日閲覧</ref>というコラムを書き、地方の代表的な名物料理として「ケソンタンバン(開城湯飯=開城式のクッパ、[[개성탕반]])」「ピョンヤンネンミョン(平壌式の冷麺、[[평양냉면]])」「チョンジュコルトンバン(全州骨董飯=全州式のビビンバ、[[전주골동반]])」の3種をあげた。この評価は現代まで継承されており、今日では「朝鮮3大料理(조선3대음식)」と称される。
 
:20世紀初頭の新聞記者で歴史家、独立運動家の文一平(ムン・イルピョン、문일평)は、1936年8月27日の『朝鮮日報(조선일보)』紙面で「朝鮮人と飲食物」<ref>[https://newslibrary.naver.com/viewer/index.naver?articleId=1936082700239105001 朝鮮人과飲食物] 、NAVERニュースライブラリー(朝鮮日報1936年8月27日記事)、2023年10月5日閲覧</ref>というコラムを書き、地方の代表的な名物料理として「ケソンタンバン(開城湯飯=開城式のクッパ、[[개성탕반]])」「ピョンヤンネンミョン(平壌式の冷麺、[[평양냉면]])」「チョンジュコルトンバン(全州骨董飯=全州式のビビンバ、[[전주골동반]])」の3種をあげた。この評価は現代まで継承されており、今日では「朝鮮3大料理(조선3대음식)」と称される。
  
== 名称 ==
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== 歴史 ==
ピビムパプは混ぜごはんのこと。ピビムは混ぜるという動詞の名詞形で、パプはごはんを意味する。かつてはコルドンバン(骨董飯、[[골동반]])とも呼ばれた。日本語においては「ビビンバ」「ピビンバ」「ビビンパ」「ピビンパ」「ピビンパッ」「ビビンパッ」「ピビムパッ」「ビビムパッ」など多様な表記が混在している。本辞典ではピビムパプを用いる。
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=== 文献上の記録 ===
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;『是議全書』(19世紀末)の記述
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:19世紀末に書かれた料理書『是議全書([[시의전서]])』(原著者不詳)には、ピビムパプの調理法が掲載されており、文献上の初出とされる。料理名は漢字で汨董飯(コルトンバン、[[골동반]])と書かれ、ハングルでプビムパプ([[부븸밥]])と併記されている。内容は以下の通りである。
  
== 歴史 ==
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:「ごはんを上手に炊く。下味をつけた肉を炒め、カルラプ(牛の内臓チヂミ、[[간랍]])を焼いて切り、各種野菜を炒め、良質な揚げ昆布を砕き、それぞれをごはんに加える。粉唐辛子、すりゴマ、油を多めに入れて混ぜ、器に盛る。 短冊型に切った薄焼き卵と、ひき肉を団子状に丸めて小麦粉を薄くまぶし、溶き卵をつけて焼いたものを載せる。ピビムパプの膳には、チャプタンクッ(牛肉と魚介のスープ、[[잡탕국]])を添える」<ref>이효지 외(엮음), 2004,『시의전서』, 신광출판사, P174</ref>【原文1】(カッコ内は訳注)
  
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:【原文1(現代語訳)】「밥을 잘 짓고, 고기는 재웠다가 볶아서 넣고, 간랍을 부쳐 썰어 넣고, 각색 채소도 볶아 넣고, 좋은 다시마튀각도 튀겨 부숴 넣고, 고춧가루, 깨소금, 기름을 많이 넣어 비벼서 그릇에 담는다. 위에는 잡탕거리처럼 달걀을 부쳐 골패쪽만 하게 썰어 얹고 완자는 고기를 곱게 다져서 잘 재워 구슬만 하게 빚어 밀가루를 약간 묻히고 달걀을 씌워 부쳐 얹는다. 비빔밥 상에 장탕국으로 하여 놓는다.」
  
 
== 種類 ==
 
== 種類 ==
[[ファイル:23010236.JPG|300px|thumb|トルソッピビムパプ]]
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[[ファイル:23010637.JPG|thumb|300px|ホッチェサバプ(アンドンピビムパプ)]]
[[ファイル:22122532.JPG|300px|thumb|サンチェピビムパプ]]
 
 
ピビムパプには次のような種類がある。
 
ピビムパプには次のような種類がある。
  
*ケアルピビムパプ(게알비빔밥):カニの卵とご飯を混ぜた料理。
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=== チョンジュピビムパプ(全州式のビビンバ/전주비빔밥) ===
*トルソッピビムパプ(돌솥비빔밥):石焼きビビンバ。
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:チョンジュピビムパプ([[전주비빔밥]])は、全州式のビビンバ(「[[全州市の料理]]」の項目も参照)。[[全羅北道の料理|全羅北道]][[全州市の料理|全州市]]の郷土料理として知られる。20種類前後の具を用いて豪華に作るのが特徴であり、60度前後に温めた真鍮器([[놋그릇]])に盛り付けて提供する。[[全州市の料理|全州市]]は朝鮮半島で最大の面積を誇る湖南平野(ホナムピョンヤ、호남평야)の一角を成し、古くから良質の米や野菜のとれる地域として有名であった。チョンジュピビムパプはこうした地の利を活かした料理で、代表的な具材として用いられる大豆モヤシ([[콩나물]])、セリ([[미나리]])、大根([[무]])、エホバク(カボチャの未熟果、[[애호박]])、ファンポムク(クチナシで黄色く染めた緑豆寒天、[[황포묵]])は、いずれも全州10味([[전주십미]])に含まれる。専門店によっては近隣である[[金堤市の料理|金堤市]]のブランド米や、[[淳昌郡の料理|淳昌郡]]のコチュジャンなど、周辺地域の名産品も取り入れている。[[全州市の料理|全州市]]内の有名店に「盛味堂(성미당)」「韓国館(한국관)」「家族会館(가족회관)」「ハングッチプ(한국집)」などがある。
*テンジャンピビムパプ(된장비빔밥):テンジャンチゲ(된장찌개)を麦飯にかけて食べるピビムパプ。
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*サンチェピビムパプ(산채비빔밥):山菜を具にしたピビムパプ。
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=== チンジュピビムパプ(晋州式のビビンバ/진주비빔밥) ===
*ヤンプンピビムパプ(양푼비빔밥):調理器具のボール、またはそれに類する大きな器に盛り付けたピビムパプ。
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:チンジュピビムパプ([[진주비빔밥]])は、晋州式のピビムパプ。[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[晋州市の料理|晋州市]]の郷土料理として知られる。[[ユッケ(牛刺身/육회)]]を具の中心とした、いわゆる[[ユッケピビムパプ(牛刺身載せビビンバ/육회비빔밥)]]のことで、見た目の美しさから、ファバン(花飯、[[화반]])、または7つの宝物のような具材を盛り合わせたとしてチルボファバン(七宝花飯、[[칠보화반]])とも呼ばれる。牛肉のほかは、野菜の[[ナムル(ナムル/나물)]]や、ソクテギ(岩海苔、[[속대기]])と呼ばれる海藻を加える。付け合わせには、[[ソンジクッ(牛の血入りスープ/선지국)]]を添えるのが定番である。
*ユッケピビムパプ(육회비빔밥):[[ユッケ(牛刺身/육회)]]を載せたピビムパプ。
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=== ヘジュピビムパプ(海州式のビビンバ/해주비빔밥) ===
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:ヘジュピビムパプ([[해주비빔밥]])は、海州式のビビンバ。[[北朝鮮の料理|黄海南道海州市]]の郷土料理として知られ、ヘジュギョバン(海州交飯、[[해주교반]])とも呼ぶ。海州市北部の首陽山(スヤンサン、수양산)でとれるワラビ([[고사리]])と、西海岸の名産である海苔を載せるのが特徴で、茹でて細く裂いた鶏肉や、セリ([[미나리]])、キキョウの根([[도라지]])、錦糸卵などを加える。ごはんを豚の脂で炒めてから、具を載せる調理法を特徴とする場合もある。海州市のある[[北朝鮮の料理|黄海南道]]には延白平野(ヨンベクピョンヤ、연백평야)、載寧平野(チェリョンピョンヤ、재령평야)といった稲作の盛んな地域があり、朝鮮半島北部における米の名産地として知られる。
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=== アンドンピビムパプ(安東式のビビンバ/안동비빔밥) ===
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:アンドンピビムパプ([[안동비빔밥]])、安東式のビビンバ。[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[安東市の料理|安東市]]の郷土料理として知られる。[[ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)]]の名前で呼ばれることが多く、代表的な祭祀料理である[[ナムル(ナムル/나물)]]や、[[チョン(チヂミ/전)]]、魚の干物、スープなどを用意し、ごはんを添えて定食風にする。ごはんを鉢状の大きなものに盛り付け、[[ナムル(ナムル/나물)|ナムル]]を入れてピビムパプとして味わうことから、アンドンピビムパプとも呼ぶ。
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=== トンヨンピビムパプ(統営式のビビンバ/통영비빔밥) ===
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:トンヨンピビムパプ([[통영비빔밥]])は、統営式のビビンバ。[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[統営市の料理|統営市]]の郷土料理として知られる。地元の方言で「ノムル([[너물]])」と呼ばれる各種野菜の[[ナムル(ナムル/나물)]]や、ヒジキ([[톳]])、ワカメ([[미역]])などの海藻、トゥブタンクッ(貝と豆腐のスープ、[[두부탕국]])などを具として、コチュジャンなどの薬味ダレ([[양념]])を用いずに混ぜて食べるのが特徴である。もともとは祖先の祭祀を行った後、祭祀膳に捧げた料理を器にまとめてピビムパプとして食べたのが始まりとされる。その成り立ちは[[慶尚北道の料理|慶尚北道]][[安東市の料理|安東市]]の[[ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)]]ともよく似る。
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=== ファンドゥンピビムパプ(黄登式のビビンバ/황등비빔밥) ===
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[[ファイル:23100811.JPG|300px|thumb|ファンドゥンピビムパプ]]
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:ファンドゥンピビムパプ([[황등비빔밥]])は、黄登式のビビンバ。[[全羅北道の料理|全羅北道]][[益山市の料理|益山市]]黄登面(ファンドゥンミョン、황등면)の黄登市場(ファンドゥンシジャン、황등시장)やその周辺の郷土料理として知られる。ごはんに具を盛り付ける前に、スープをかけてこぼすことを繰り返すトリョム([[토렴]])という作業を行い、ごはんを温めるとともに下味を加えることや、そのごはんに薬味ダレを混ぜてから具を盛り付けることを特徴とする。具には各種の[[ナムル(ナムル/나물)]]とともに、[[ユッケ(牛刺身/육회)]]や、チョンポムク(緑豆寒天、[[청포묵]])、またはファンポムク(クチナシで黄色く染めた緑豆寒天、[[황포묵]])などを用いる。
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=== その他の種類 ===
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*[[ケアルピビムパプ(カニ卵ビビンバ/게알비빔밥)]]
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*[[トルソッピビムパプ(石焼きビビンバ/돌솥비빔밥)]]
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*[[テンジャンピビムパプ(味噌ビビンバ/된장비빔밥)]]
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*[[モンゲピビムパプ(ホヤビビンバ/멍게비빔밥)]]
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*[[サンチェピビムパプ(山菜ビビンバ/산채비빔밥)]]
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*[[ヤンプンピビムパプ(大きな器のビビンバ/양푼비빔밥)]]
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== 脚注 ==
 
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2026年3月30日 (月) 22:29時点における最新版

この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。
チョンジュピビムパプ

ピビムパプ비빔밥)は、韓国式の混ぜごはん。

名称

ピビムパプは混ぜごはんのこと。ピビムは混ぜるという動詞の名詞形で、パプはごはんを意味する。かつてはコルドンバン(骨董飯、골동반)とも呼ばれた。日本語においては「ビビンバ」「ピビンバ」「ビビンパ」「ピビンパ」「ピビンパッ」「ビビンパッ」「ピビムパッ」「ビビムパッ」など多様な表記が混在している。本辞典ではピビムパプを用いる。

概要

ピビム(비빔)は混ぜるという単語の名詞形。パプ()はごはんの意。日本ではビビンバと呼ばれることが多い。かつてはコルトンバン(骨董飯、골동반)とも呼ばれた。ごはんの上に牛肉や野菜などの具を載せ、コチュジャンをベースにした薬味ダレを全体に混ぜて食べる。具は店によって5~20種類ほどが盛り付けられ、炒めた牛肉、またはユッケ(牛刺身/육회)のほか、ワラビ、大豆モヤシ、ホウレンソウ、ニンジン、キキョウの根(도라지)などの野菜類、卵(目玉焼き、生の卵黄、薄焼き卵など)、シイタケなどのキノコ類、緑豆のでんぷんを寒天状に固めたチョンポムク(청포묵)など、よく用いられる材料だけでも多岐に渡る。家庭料理としても作られるほか、専門店も多く存在し、食堂や、フードコートなど幅広い飲食店でメニューに載る。アレンジの幅も広く、トルソッピビムパプ(石焼きビビンバ/돌솥비빔밥)ユッケピビムパプ(牛刺身載せビビンバ/육회비빔밥)サンチェピビムパプ(山菜ビビンバ/산채비빔밥)テンジャンピビムパプ(味噌ビビンバ/된장비빔밥)ケアルピビムパプ(カニ卵ビビンバ/게알비빔밥)などがある。

  • 朝鮮3大ビビンバ(韓国3大ビビンバ)
ユッケピビムパプ(チンジュピビムパプ)
全羅北道全州市のチョンジュピビムパプ(全州式のビビンバ、전주비빔밥=20種類前後の具材を用いたビビンバ)と、慶尚南道晋州市のチンジュピビムパプ(晋州式のビビンバ、진주비빔밥ユッケピビムパプ(牛刺身載せビビンバ/육회비빔밥))はほぼ確定で入り、朝鮮3大ビビンバとした場合は残りのひとつに黄海南道海州市のヘジュピビムパプ(海州式のビビンバ、해주비빔밥=鶏肉とワラビ、海苔などを具材としたビビンバ)が入ることが多い。韓国だけに限定する場合は、語り手によって慶尚北道安東市のアンドンピビムパプ(安東式のビビンバ、안동비빔밥ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥))や、慶尚南道統営市のトンヨンピビムパプ(統営式のビビンバ、통영비빔밥=野菜や海藻、貝と豆腐のスープなどを具材としたビビンバ)、全羅北道益山市のファンドゥンピビムパプ(黄登市場式のビビンバ、황등비빔밥=コチュジャン味のごはんを使用)などのいずれかが選ばれる。
  • 朝鮮3大料理
20世紀初頭の新聞記者で歴史家、独立運動家の文一平(ムン・イルピョン、문일평)は、1936年8月27日の『朝鮮日報(조선일보)』紙面で「朝鮮人と飲食物」[1]というコラムを書き、地方の代表的な名物料理として「ケソンタンバン(開城湯飯=開城式のクッパ、개성탕반)」「ピョンヤンネンミョン(平壌式の冷麺、평양냉면)」「チョンジュコルトンバン(全州骨董飯=全州式のビビンバ、전주골동반)」の3種をあげた。この評価は現代まで継承されており、今日では「朝鮮3大料理(조선3대음식)」と称される。

歴史

文献上の記録

『是議全書』(19世紀末)の記述
19世紀末に書かれた料理書『是議全書(시의전서)』(原著者不詳)には、ピビムパプの調理法が掲載されており、文献上の初出とされる。料理名は漢字で汨董飯(コルトンバン、골동반)と書かれ、ハングルでプビムパプ(부븸밥)と併記されている。内容は以下の通りである。
「ごはんを上手に炊く。下味をつけた肉を炒め、カルラプ(牛の内臓チヂミ、간랍)を焼いて切り、各種野菜を炒め、良質な揚げ昆布を砕き、それぞれをごはんに加える。粉唐辛子、すりゴマ、油を多めに入れて混ぜ、器に盛る。 短冊型に切った薄焼き卵と、ひき肉を団子状に丸めて小麦粉を薄くまぶし、溶き卵をつけて焼いたものを載せる。ピビムパプの膳には、チャプタンクッ(牛肉と魚介のスープ、잡탕국)を添える」[2]【原文1】(カッコ内は訳注)
【原文1(現代語訳)】「밥을 잘 짓고, 고기는 재웠다가 볶아서 넣고, 간랍을 부쳐 썰어 넣고, 각색 채소도 볶아 넣고, 좋은 다시마튀각도 튀겨 부숴 넣고, 고춧가루, 깨소금, 기름을 많이 넣어 비벼서 그릇에 담는다. 위에는 잡탕거리처럼 달걀을 부쳐 골패쪽만 하게 썰어 얹고 완자는 고기를 곱게 다져서 잘 재워 구슬만 하게 빚어 밀가루를 약간 묻히고 달걀을 씌워 부쳐 얹는다. 비빔밥 상에 장탕국으로 하여 놓는다.」

種類

ホッチェサバプ(アンドンピビムパプ)

ピビムパプには次のような種類がある。

チョンジュピビムパプ(全州式のビビンバ/전주비빔밥)

チョンジュピビムパプ(전주비빔밥)は、全州式のビビンバ(「全州市の料理」の項目も参照)。全羅北道全州市の郷土料理として知られる。20種類前後の具を用いて豪華に作るのが特徴であり、60度前後に温めた真鍮器(놋그릇)に盛り付けて提供する。全州市は朝鮮半島で最大の面積を誇る湖南平野(ホナムピョンヤ、호남평야)の一角を成し、古くから良質の米や野菜のとれる地域として有名であった。チョンジュピビムパプはこうした地の利を活かした料理で、代表的な具材として用いられる大豆モヤシ(콩나물)、セリ(미나리)、大根()、エホバク(カボチャの未熟果、애호박)、ファンポムク(クチナシで黄色く染めた緑豆寒天、황포묵)は、いずれも全州10味(전주십미)に含まれる。専門店によっては近隣である金堤市のブランド米や、淳昌郡のコチュジャンなど、周辺地域の名産品も取り入れている。全州市内の有名店に「盛味堂(성미당)」「韓国館(한국관)」「家族会館(가족회관)」「ハングッチプ(한국집)」などがある。

チンジュピビムパプ(晋州式のビビンバ/진주비빔밥)

チンジュピビムパプ(진주비빔밥)は、晋州式のピビムパプ。慶尚南道晋州市の郷土料理として知られる。ユッケ(牛刺身/육회)を具の中心とした、いわゆるユッケピビムパプ(牛刺身載せビビンバ/육회비빔밥)のことで、見た目の美しさから、ファバン(花飯、화반)、または7つの宝物のような具材を盛り合わせたとしてチルボファバン(七宝花飯、칠보화반)とも呼ばれる。牛肉のほかは、野菜のナムル(ナムル/나물)や、ソクテギ(岩海苔、속대기)と呼ばれる海藻を加える。付け合わせには、ソンジクッ(牛の血入りスープ/선지국)を添えるのが定番である。

ヘジュピビムパプ(海州式のビビンバ/해주비빔밥)

ヘジュピビムパプ(해주비빔밥)は、海州式のビビンバ。黄海南道海州市の郷土料理として知られ、ヘジュギョバン(海州交飯、해주교반)とも呼ぶ。海州市北部の首陽山(スヤンサン、수양산)でとれるワラビ(고사리)と、西海岸の名産である海苔を載せるのが特徴で、茹でて細く裂いた鶏肉や、セリ(미나리)、キキョウの根(도라지)、錦糸卵などを加える。ごはんを豚の脂で炒めてから、具を載せる調理法を特徴とする場合もある。海州市のある黄海南道には延白平野(ヨンベクピョンヤ、연백평야)、載寧平野(チェリョンピョンヤ、재령평야)といった稲作の盛んな地域があり、朝鮮半島北部における米の名産地として知られる。

アンドンピビムパプ(安東式のビビンバ/안동비빔밥)

アンドンピビムパプ(안동비빔밥)、安東式のビビンバ。慶尚北道安東市の郷土料理として知られる。ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)の名前で呼ばれることが多く、代表的な祭祀料理であるナムル(ナムル/나물)や、チョン(チヂミ/전)、魚の干物、スープなどを用意し、ごはんを添えて定食風にする。ごはんを鉢状の大きなものに盛り付け、ナムルを入れてピビムパプとして味わうことから、アンドンピビムパプとも呼ぶ。

トンヨンピビムパプ(統営式のビビンバ/통영비빔밥)

トンヨンピビムパプ(통영비빔밥)は、統営式のビビンバ。慶尚南道統営市の郷土料理として知られる。地元の方言で「ノムル(너물)」と呼ばれる各種野菜のナムル(ナムル/나물)や、ヒジキ()、ワカメ(미역)などの海藻、トゥブタンクッ(貝と豆腐のスープ、두부탕국)などを具として、コチュジャンなどの薬味ダレ(양념)を用いずに混ぜて食べるのが特徴である。もともとは祖先の祭祀を行った後、祭祀膳に捧げた料理を器にまとめてピビムパプとして食べたのが始まりとされる。その成り立ちは慶尚北道安東市ホッチェサバプ(祭祀風定食/헛제사밥)ともよく似る。

ファンドゥンピビムパプ(黄登式のビビンバ/황등비빔밥)

ファンドゥンピビムパプ
ファンドゥンピビムパプ(황등비빔밥)は、黄登式のビビンバ。全羅北道益山市黄登面(ファンドゥンミョン、황등면)の黄登市場(ファンドゥンシジャン、황등시장)やその周辺の郷土料理として知られる。ごはんに具を盛り付ける前に、スープをかけてこぼすことを繰り返すトリョム(토렴)という作業を行い、ごはんを温めるとともに下味を加えることや、そのごはんに薬味ダレを混ぜてから具を盛り付けることを特徴とする。具には各種のナムル(ナムル/나물)とともに、ユッケ(牛刺身/육회)や、チョンポムク(緑豆寒天、청포묵)、またはファンポムク(クチナシで黄色く染めた緑豆寒天、황포묵)などを用いる。

その他の種類

脚注

  1. 朝鮮人과飲食物 、NAVERニュースライブラリー(朝鮮日報1936年8月27日記事)、2023年10月5日閲覧
  2. 이효지 외(엮음), 2004,『시의전서』, 신광출판사, P174

外部リンク

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関連項目