霊岩郡の料理

2023年2月25日 (土) 14:30時点におけるHatta (トーク | 投稿記録)による版 (→‎エピソード)
この記事はウィキペディアではありません。「韓食ペディア」はコリアン・フード・コラムニストの八田靖史が作る、韓国料理をより深く味わうためのWEB百科事典です。以下の内容は八田靖史の独自研究を含んでいます。掲載されている情報によって被った損害、損失に対して一切の責任を負いません。また、内容は随時修正されます。

霊岩郡(ヨンアムグン、영암군)は全羅南道の南西部に位置する地域。本ページでは霊岩郡の料理、特産品について解説する。

霊岩郡鶴山面犢川里のバスターミナル前に設置された「テナガダコ料理村(낙지요리촌)」の看板。

地域概要

霊岩郡は全羅南道の南西部に位置する地域。郡の北部は全羅南道羅州市、北東部は全羅南道和順郡、東部は全羅南道長興郡、南東部は全羅南道康津郡、南西部は全羅南道海南郡、北西部は全羅南道木浦市と接する。人口は5万2395人(2022年12月)[1]

食文化の背景

代表的な料理

カルラクタン(牛カルビとテナガダコのスープ/갈낙탕)

 
カルラクタン

カルラクタン(갈낙탕)は、牛カルビとテナガダコのスープ(カルラクタン(牛カルビとテナガダコのスープ/갈낙탕)の項目も参照)。1970年代後半に、全羅南道霊岩郡で生まれたとされる。韓国では1976年より外国産牛肉の輸入を開始したことなどを理由として国内産の牛肉価格が暴落し、多くの畜産関係者が打撃を受けた。霊岩郡鶴山面犢川里(ハクサンミョン トクチョンニ、학산리 독천리)の牛市場も例外でなく、活気を失ってしまうことに危機感を覚えたある飲食店が、新メニューとして地元の名産であるテナガダコと牛肉を掛け合わせた料理を思いついた[2][3]。これがカルラクタンであり、好評を博したことから他の飲食店にも波及し、地域の名物料理となった。現在も犢川里には「犢川テナガダコ料理名所通り(독천 낙지음식 명소거리)」があって、多くの専門店でカルラクタンをはじめとしたテナガダコ料理を提供している。なお、犢川里の「犢」は「子牛」を意味し、古くから牛の飼育で有名だったことが窺われる。

  • その他のテナガダコ料理
テナガダコ料理の専門店ではカルラクタンのほかに、サンナクチ(テナガダコの踊り食い/산낙지)ナクチボックム(テナガダコ炒め/낙지볶음)ヨンポタン(テナガダコのスープ/연포탕)、ナクチスッケ(茹でテナガダコ、낙지숙회)、ナクチチョムチム(テナガダコの酢和え、낙지초무침)、ナクチホロン(テナガダコの串巻き焼き、낙지호롱)などの料理を提供している。

メミルグクス(冷やしそば/메밀국수)

 
キチャンメミルのメミルグクス

霊岩農協は2017年に、霊岩邑開新里(ヨンアムプ ケシルリ、용암읍 개신리)地区の田んぼだった土地を、菜の花畑と、そば畑として新たに造成し、特産品としての育成を開始した[4]。収穫したそばは、霊岩郡のキャッチコピーである「気の故郷」から、「キチャンメミル(気がみなぎるそば、기찬메밀)と命名された。地域の専門店では、メミルグクス(そば/메밀국수)メミルチョンビョン(そば粉のクレープ巻き/메밀전병)などの料理を提供している。

代表的な特産品

ムファグァ(イチジク/무화과)

 
霊岩郡産のイチジクジャム

霊岩郡はイチジクの主産地であり、生産量は全国の約60%を占める[5]。8~10月頃を旬とする。ジャムなどの加工品としても利用されている。

代表的な酒類・飲料

飲食店情報

エピソード

韓食ペディアの執筆者である八田靖史は、2016年1月に初めて霊岩郡を訪れた。知人の墓参りに付き合ったのが理由であるが、その帰り道に「犢川テナガダコ料理名所通り」を訪れ、名物のカルラクタン(牛カルビとテナガダコのスープ/갈낙탕)や、ナクチチョムチム(テナガダコの酢和え、낙지초무침)、ナクチホロン(テナガダコの串巻き焼き、낙지호롱)などをご馳走になって大満足であった。

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2023年1月18日閲覧
  2. 낙지와 한우의 찰떡궁합, 독천 갈낙탕 、デジタル霊岩文化大典、2023年2月24日閲覧
  3. 갈비탕과 연포탕의 환상적인 결합, 영암 갈낙탕 、知識N文化ポータル、2023年2月24日閲覧
  4. 봄에는 유채, 가을엔 메밀… 영암농협의 색다른 실험 、東亜日報(2018年5月28日紙面)、2023年2月24日閲覧
  5. 살거리 > 영암브랜드 > 무화과 、霊岩郡ウェブサイト、2023年2月25日閲覧

外部リンク

関連サイト
制作者関連サイト

関連項目