テジマクチャン(豚の直腸焼き/돼지막창)
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テジマクチャン(돼지막창)は、豚の直腸焼き。
概要
テジ(돼지)は豚。マクチャン(막창)はマジマクチャン(いちばん最後の腸、마지막창)を意味し、豚の場合は直腸を指す(牛の場合は第4胃のギアラを指す)。テジをつけず単にマクチャンとも呼んだり、焼き物を総称するクイ(=グイ、구이)をつけてマクチャングイ(直腸焼き、막창구이)と呼んだりもする。豚の直腸を下茹でし、辛味ダレと絡めて鉄板や網などで焼いて作る。よく表面を焼くことで表面のカリッとした食感と、中身のクニッとした食感の対比を楽しめる。サムジャン(쌈장)、あるいはマッチャン(맛장)と呼ばれる味噌ダレを用意し、これにつけて食べるか、またはサンチュ、エゴマの葉といった葉野菜に包んでも味わう。店によっては醤油ダレ、チリソースなどを用意するところもある。豚焼肉店のメニューに並ぶほか、テジマクチャンを専門とする店もある。豚の内臓を利用した料理としては、ほかにテジコプチャン(豚ホルモン焼き/돼지곱창)、スンデ(韓国式の腸詰/순대)、テジクッパプ(豚のスープごはん/돼지국밥)などがある。
地域
- 忠清南道礼山郡
- 忠清南道礼山郡の挿橋邑(サプキョウプ、삽교읍)は、コプチャングイ(豚ホルモン焼き、곱창구이)が名物となっている。ただし、コプチャン(小腸、곱창)とは言いつつも、実際はマクチャン(直腸、막창)やセッキボ(子袋、새끼보)を使用するため、テジマクチャンの一種と言える。鉄板で焼き、味噌ダレをつけて味わうのが特徴で、一緒にコプチャンチゲ(豚ホルモン鍋、곱창찌개)を頼み、残った煮汁でポックムパプ(チャーハン/볶음밥)を作って食べるのも定番である。1960年代頃から提供が始まったとされ、当時から牛ホルモンを用いたコプチャングイ(牛ホルモン焼き/곱창구이)はあったものの、豚のホルモンを使用するのは珍しく、大衆的な価格を実現したのが画期的であった。
- 大邱市
- 大邱市の大明洞(テミョンドン、대명동)には「アンジランコプチャン通り(안지랑 곱창골목)」と呼ばれる一角があり、長さ500mほどの通りに多数のホルモン焼き専門店が並んでいる。通りの名称としてはコプチャン(小腸、곱창)だが、テジマクチャンを専門とする店が多く、テジコプチャン(豚ホルモン焼き/돼지곱창)も一緒に扱う店が多い。串に刺した鶏のヨムトン(ハツ、염통)も通りの名物とされる。2006年に大邱市が専門家らの意見を総合して作成した「大邱10味(대구십미)」のひとつにも含まれる。
脚注
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)