ミノフェ(ニベの刺身/민어회)

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ミノフェ。皮付きの部位はペッサル(腹身)

ミノフェ민어회)は、ニベ(ホンニベ)の刺身。

概要

ミノ(민어)はニベ、正確にはホンニベを指す。フェは()は刺身の意(「センソンフェ(刺身/생선회)」の項目も参照)。主産地である全羅道地域では、夏に旬を迎えるスタミナ食材として人気が高い。韓国では一般に魚を生きた状態でさばくファロフェ(活魚の刺身、활어회)が好まれるが、ミノフェはさばいてから熟成期間を置くソノフェ(鮮魚の刺身、선어회)として調理をする。大きいものは1メートルを超える大型魚であり、皮や内臓なども細かく部位分けをして味わう。専門店ではミノフェのほか、ミノフェムチム(ホンニベの刺身和え、민어회무침)や、ミノジョン(ホンニベのチヂミ、민어전)、ミノメウンタン(ホンニベの辛い鍋、민어매운탕)、ミノチリタン(ホンニベの澄まし鍋、민어지리탕)などの料理を提供する。全羅南道木浦市の郷土料理としても有名であり、専門店が集まった万戸洞(マノドン、만호동)一帯は「ホンニベ通り(민어의 거리)」と呼ばれる。

希少部位
ミノフェの希少部位。手前がコプチル(皮)、奥がプレ(浮き袋)、右がピョダジム(骨叩き)。左奥のゴマ塩につけて味わう。
専門店ではミノフェに加えて以下の希少部位を提供するところも多い。希少部位の中でもプレは特に人気が高く、これを食べてこそミノフェを食べたと言われる珍味である。味わい自体は無味に近いが、クニクニとした食感が独特で、ミルキーな脂肪分がさらりと溶け出る。プレ、コプチル、ピョダジムはごま塩につけて味わう。
  • ペッサル(뱃살)……湯引きをした皮付きの腹身
  • コプチル(껍질)……湯引きをした皮
  • プレ(부레)……浮き袋
  • ピョダジム(뼈다짐)……骨叩き、血合い肉や余った身を叩いたもの

歴史

『是議全書』(19世紀末)の記述
19世紀末に書かれた料理書『是議全書(시의전서)』(原著者不詳)には「膾部」という項目があり、「魚膾(어회)」の名前でセンソンフェが紹介されている。同部にはユッケ(牛刺身/육회)や、ナクチフェ(テナガダコの刺身/낙지회)、クルフェ(牡蠣の刺身、굴회)などの掲載もある。「魚膾」の項目ではミノフェを例としつつ、「ニベは皮をむき、身を薄く切り、スジの方向と垂直に細く切り、油を塗って皿に盛る。カラシと唐辛子酢味噌を食卓に添えて食べる。各種の刺身はすべてこれと同じ方法にする」【原文1】と調理法を説明している[1]
【原文1】「민어는 껍질을 벗기고 살을 얇게 저며서 가로 결로 가늘게 썰어 기름을 발라 접시에 담는다. 겨자와 고추장윤즙을 식성대로 곁들여 먹는다. 각색어회는 모두 이와 같은 방법으로 한다.」

脚注

  1. 이효지 외(엮음), 2004,『시의전서』, 신광출판사, P222

外部リンク

制作者関連サイト

関連項目