タロクッパプ(別盛のスープごはん/따로국밥)

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タロクッパプ따로국밥)は、別盛のスープごはん。

タロクッパプ

概要

タロ(따로)は別々にという意味の副詞。クッパプ(국밥)はスープごはん(クッパ)の意(「クッパプ(クッパ/국밥)」の項目も参照)。メニューによっては単にタロ(따로)とも表記する。本来、スープにごはんを入れた料理をクッパプと呼ぶが、ごはんとスープを別々に盛り付けたものをタロクッパプと呼ぶ。もともとはクッパプを提供する飲食店において、「タロ(別々に)」という注文が多かったことから、いつしか単独の料理名として定着したとされる。実際は料理というよりも食べ方であり、ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)や、テジクッパプ(豚のスープごはん/돼지국밥)スンデクッ(腸詰入りのスープ/순대국)など、いろいろなスープ料理をタロクッパプとして食べている。大邱市においては、ソンジ(牛血、선지)入りの牛肉スープをタロクッパプと呼んでおり、こちらは料理の提供形態とは別に、単独の郷土料理としてタロクッパプが定着している。

  • ごはんの提供方法
 
クッパプ専門店でのトリョムの様子
クッパプの専門店では、ごはんをスープに入れて提供する場合と、別盛りにして提供する場合がある。別盛りにしたクッパプは、タロクッパプ、またはタロ(別々に、따로)の名称で呼ばれる。別盛りの場合でも、多くの人はスープにごはんを入れて食べるが、別々のほうがよかったり、途中からスープに入れて食べたりなど、人によって好みが分かれる。そのため最初からスープに入れて提供する店ではメニューなどに、タロクッパプを希望する場合は注文時に伝えるよう注意書きがある。店によっては「トリョム(飯に熱い汁をかけて温めること、토렴)」という用語を用い、「当店ではトリョムして提供します」「トリョム式」などの表現で、ごはんをスープに入れて提供することを明示している。
  • トリョム
トリョム(토렴)は、ごはんを盛った器にスープをかけてこぼすのを繰り返すこと。飲食店では注文から提供までをスピーディにするため、事前にごはんを器に盛りつけておくことが多く、ごはんを温めるとともに、下味をつける意味合いもある。

地域

  • 大邱市
大邱市では、地域の代表的な料理を総称する「大邱10味(대구10미)」のひとつにタロクッパプを選定している。慶尚道(キョンサンド、경상도)式のソゴギクッパプ(牛肉のスープごはん/소고기국밥)、あるいは大邱式のユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)から派生した料理として解釈され、牛肉のスープにごはんを入れた状態で提供していたものを、客の要望によってごはんを分けて出したのが始まりとされる。傾向としてタロクッパプにはソンジ(牛の血、선지)を加えることが多く、その点でユッケジャンとの差異を見出すこともできる。

脚注


外部リンク

制作者関連サイト

関連項目