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泗川市(サチョンシ、사천시)は慶尚南道の南西部に位置する地域。本ページでは泗川市の料理、特産品について解説する。

地域概要

泗川市は慶尚南道の南西部に位置する地域。市の北部は慶尚南道晋州市と、東部は慶尚南道固城郡、西部は慶尚南道河東郡と接する。南部は南海岸に面し、慶尚南道南海郡と橋で結ばれている。人口は10万9369人(2022年12月)[1]

食文化の背景

南海岸に面した港町であり、中でも南東部の三千浦(サムチョンポ、삼천포)港は古くからの名声を誇る。三千浦とは、高麗王朝の都であった開城(ケソン、개성)から「三千里の距離にある港」を意味し、実際に三千里(朝鮮半島での1里は約400mなので約1200km)もの距離がある訳ではないが、それほど遠くにあっても名の知られていた港であることがわかる。チィポ(カワハギの干物/쥐포)や、ファオ(みりん干し、화어)などの乾物が地元の名産であるほか、ポックッ(フグのスープ/복국)や、ペカプチュク(ハマグリ粥/백합죽)が郷土料理として知られる。キウイ(키위、참다래)の栽培が盛んなことから、タレワイン(キウイワイン、다래와인)ワインを生産している。

  • 三千浦に抜ける
韓国でよく使われる慣用句のひとつに「三千浦に抜ける(삼천포에 빠지다)」がある。意図しない方向に話が脱線したり、うまく行っていたはずの物事が予期せぬ方向に行ってしまったことを表す。

代表的な料理

ポックッ(フグのスープ/복국)

ポックッ(복국)は、フグのスープ(ポックッ(フグのスープ/복국)の項目も参照)。専門店ではシロサバフグ(은복)、クロサバフグ(밀복)、トラフグ(참복)などから種類を選ぶことができる。フグの身をセリ、大豆モヤシと一緒に煮込み、ニンニクを効かせた澄まし仕立てに仕上げる。チョゴチュジャン(唐辛子酢味噌、초고추장)と揉み海苔(김가루)を入れた器が別に用意され、フグの風味をまとったセリと大豆モヤシに、ごはんを入れて混ぜて食べるのも地元流である。専門店では早朝から営業しているので、ヘジャンクッ(酔い覚ましのスープ/해장국)としての利用も一般的である。

ペカプチュク(ハマグリ粥/백합죽)

ペカプチュク(백합죽)は、ハマグリ粥。龍峴面船津里(ヨンヒョンミョン ソンジルリ、용현면 선진리)の船津港(ソンジナン、선진항)では古くからハマグリ(백합)が特産品であり、これを粥にしたてたペカプチュクが地域の名物になっている。

代表的な特産品

  • チィポ(カワハギの干物/취포)
  • ファオ(味醂干し/화어)

代表的な酒類・飲料

タレワイン(キウイワイン/다래와인)

タレワイン(다래와인)は、キウイワイン。タレ(=ダレ、다래)は近縁種であるサルナシを意味し、キウイのことも「洋」の字をつけてヤンダレ(양다래)、または「真」を意味する「チャム」をつけてチャムダレ(참다래)と呼ぶ。泗川市では1975年よりキウイの栽培を開始し、地域の名産品となっている。2006年には魯龍洞(ノリョンドン、노룡동)に位置する「オルム酒家(オルムジュガ、오름주가)」が特産品のタレワインの生産を開始し、新たな地酒として根付いている。昆明面新興里(コンミョンミョン シヌンニ、곤명면 신흥리)には、慶全線の廃トンネルを利用した「ワインギャラリー(와인갤러리)」があり、保管倉庫を兼ねながら販売や試飲を行っている[2]

飲食店情報

エピソード

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2023年1月12日閲覧
  2. ワインギャラリー 、公式ウェブサイト、2023年3月18日閲覧

外部リンク

関連サイト
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関連項目