礼山郡の料理
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礼山郡(イェサングン、예산군)は忠清南道の中央部に位置する地域。本ページでは礼山郡の料理、特産品について解説する。
地域概要
礼山郡は忠清南道の中央部に位置する地域。郡の北部は忠清南道の唐津市、北東部は忠清南道の牙山市、南東部は忠清南道の公州市、南部は忠清南道の青陽郡、南東部は忠清南道の洪城郡、西部は忠清南道の瑞山市と接する。人口は7万7385人(2022年12月)[1]。
- 修徳寺
食文化の背景
礼山郡と、隣接する唐津市の一帯は広大な平野であり、両者の頭文字を取って礼唐平野(イェダンピョンヤ、예당평야)と呼ばれる。韓国を代表する穀倉地帯のひとつであり、稲作を中心とした農業が盛んである。代表的な観光地の修徳寺(スドクサ、수덕사)参道には、サンチェジョンシク(山菜定食、산채정식)や、サンチェピビムパプ(山菜ビビンバ/산채비빔밥)を提供する飲食店が集まる。郡内の挿橋邑(サプキョウプ、삽교읍)地区は、1960年代にコプチャングイ(곱창구이、豚ホルモン焼き)を初めて提供した地域として知られる。リンゴ(사과)の名産地でもあり、リンゴを用いたワインの「CHUSA(추사)」が地元銘酒として名高い。
代表的な料理
サンチェジョンシク(山菜定食/산채정식)
- サンチェジョンシク(산채정식)は、山菜定食。修徳寺(スドクサ、수덕사)の参道に専門店が集まっている。
コプチャングイ(곱창구이/豚ホルモン焼き)
- コプチャングイ(곱창구이)は、豚ホルモン焼き(「テジコプチャン(豚ホルモン焼き/돼지곱창)」の項目も参照)。実際はコプチャン(小腸、곱창)ではなく、マクチャン(直腸、막창)やセッキボ(子袋새끼보)を用いて鉄板で焼き、味噌ダレをつけて味わう。コプチャンチゲ(豚ホルモン鍋、곱창찌개)を一緒に頼み、残った煮汁でポックムパプ(チャーハン/볶음밥)を作って食べるのも定番である。郡内の挿橋邑(サプキョウプ、삽교읍)地区の名物であり、1960年代頃から提供が始まったとされる。当時、牛のホルモンを用いたコプチャングイ(牛ホルモン焼き/곱창구이)はあったものの、豚のホルモンを使用するのは珍しく、大衆的な価格を実現したのが画期的であった。
プンオチム(フナの蒸し煮/붕어찜)
- プンオチム(붕어찜)は、フナの蒸し煮(「プンオチム(フナの蒸し煮/붕어찜)」の項目も参照)。韓国最大の規模を誇る礼唐貯水池(イェダンジョスジ、예당저수지)でとれたフナ(붕어)を用い、シレギ(干した大根の葉、시래기)などの野菜を加え、甘辛く煮付けて作る。イェダンプンオチム(예당붕어찜)の名前でも呼ばれる。
代表的な特産品
リンゴ
代表的な酒類・飲料
CHUSA(추사)
- 古徳面大川里(コドンミョン テチョルリ、고덕면 대천리)に位置する「農業会社法人礼山リンゴワイン株式会社(농업회사법인예산사과와인주식회사)」は、礼山郡の名産品であるリンゴを用いたワイン「CHUSA(추사)」を生産している。銘柄名の「CHUSA」は礼山郡を出身とする朝鮮時代後期の実学者、金正喜(김정희)の号「秋史(추사)」にちなんでおり、また「秋史=秋の物語(가을 이야기)」との意味もある[3]。リンゴワインを蒸留した焼酎やブランデーの生産も行う。
飲食店情報
以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。
- 修徳食堂(수덕식당)
- 住所:忠清南道礼山郡徳山面修徳寺アンキル33-5(斜川里25-40)
- 住所:충청남도 예산군 덕산면 수덕사안길 33-5(사천리 25-40)
- 電話:041-337-6019
- 料理:サンチェジョンシク(山菜定食)
- シンチャンチプ(신창집)
- 住所:忠清南道礼山郡挿橋邑挿橋路4キル7-9(頭里568-51)
- 住所:충청남도 예산군 삽교읍 삽교로4길 7-9(두리 568-51)
- 電話:041-338-2357
- 料理:コプチャングイ(豚ホルモン焼き)
エピソード
脚注
外部リンク
- 関連サイト
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)