タンピョンチェ(宮中式の和え物/탕평채)

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タンピョンチェ

タンピョンチェ탕평채)は、宮中式の和え物。

概要

タンピョンチェ(탕평채)は漢字で「蕩平菜」と書き、どちらにも偏らないという意味の「蕩蕩平平(탕탕평평)」という言葉に由来する。18世紀初頭に権力闘争を繰り広げる官僚たちを諌め、公平な立場を求めた蕩平策(탕평책)という政策に添えて、象徴的な料理として出されたことから蕩平菜の名で呼ばれるようになった。チョンポムク(緑豆寒天、청포묵)や、野菜やキノコのナムル(ナムル/나물)、錦糸卵などを大皿に盛り付け、酢醤油をかけて全体をよく混ぜ合わせて食べる。宮中料理のひとつであり、宮中料理店や韓定食店において提供される。慶尚北道栄州市の郷土料理、テピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋/태평초)はタンピョンチェをルーツとして作られたものと語られる。

地域

慶尚北道栄州市のテピョンチョ
  • 慶尚北道栄州市
慶尚北道栄州市の郷土料理、テピョンチョ(そば寒天入りキムチ鍋、태평초)は、タンピョンチェにルーツがあると語られる。そば粉のでんぷんを固めて作るメミルムク(메밀묵)をキムチ鍋に入れて作るもので、ほかに豚肉や刻んだ白菜キムチなどが具として入り、海苔や錦糸卵を飾りとして散らす。栄州市の順興面(スヌンミョン、순흥면)は古くからそばの栽培が盛んで、とれたそば粉をメミルムクにして、ムッパプ(ムクのスープごはん/묵밥)や、テピョンチョを作って食べたという。下望洞(ハマンドン、하망동)で「伝統ムッチプ食堂(전통묵집식당)」を営む朴勝昌(パク・スンチャン、박승창)社長によれば、テピョンチョは「宮中料理のタンピョンチェに由来し、それを庶民的に解釈したもの」で、70代の朴社長にとって「テピョンチョは子どもの頃のご馳走料理であり、家に来客があった際に母や祖母が作ってくれた」と語る(八田靖史の取材記録より、2014年5月4日)。市内にテピョンチョを出す飲食店は「伝統ムッチプ食堂」のほか、「元祖順興ムッチプ(원조순흥묵집)」「順興伝統ムッチプ(순흥전통묵집)」などがある。

脚注


外部リンク

制作者関連サイト

関連項目