莞島郡の料理

提供: 韓食ペディア
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莞島郡(ワンドグン、완도군)は全羅南道の南西部に位置する地域。本ページでは莞島郡の料理、特産品について解説する。

地域概要

莞島郡は全羅南道の南西部に位置する地域。主要島である莞島(ワンド、완도)を中心とする島嶼地域で、大小の全265島(うち有人島は55島)でひとつの郡を構成する。郡の北部は全羅南道康津郡、西部は全羅南道海南郡と橋で結ばれている。人口は4万7310人(2023年4月)[1]

食文化の背景

莞島郡は島嶼地域であり、漁業、養殖業が盛んである。周辺海域の多くは「多島海海上国立公園(다도해해상국립공원)」として登録されており、開発が制限されることから、良好な環境が保たれていると自慢にしている。中でもアワビ(전복)の養殖が有名であり、2020年の生産量を見ると莞島郡が全体(2万0162トン)の71.0%(1万4311トン)を占め、全羅南道全体では97.9%(1万9734トン)を占める(海面養殖業と沿近海漁業の合計)[2][3]。ほかにも、コンブ(다시마)、ワカメ(미역)などの海藻類が名産であり、秋から冬にかけてはサワラ(삼치)が旬を迎える。

代表的な料理

アワビ料理のフルコース

莞島郡は韓国を代表するアワビ(전복)の名産地である(「代表的な特産品/アワビ」の項目も参照)。専門店ではチョンボクフェ(アワビの刺身、전복회)、チョンボックイ(アワビ焼き、전복구이)、チョンボッチャン(アワビの醤油煮、전복장)、チョンボッチュク(アワビ粥/전복죽)などの料理がコース形式で提供される。

サムチフェ(サワラの刺身/삼치회)

サムチフェ(삼치회)は、サワラの刺身。秋から冬にかけてを旬とする。薬味醤油につけて味わうほか、海苔で包んで食べることも多い。海苔で包む際は、キムチ、スライスニンニク、サムジャン(薬味味噌、쌈장)を一緒に載せ、少量のごはんを足してもよい。

ヘチョテンジャンクッ(海藻の味噌汁/해초된장국)

ヘチョテンジャンクッ(해초된장국)は、海藻の味噌汁。マフノリ(세모가시리)などの海藻を、アサリ(바지락)、エボヤ(미더덕)、豆腐、タマネギなどと一緒に煮込んで作る。飲食店では朝食としても提供される。

代表的な特産品

エゾアワビ

莞島郡では、2000年代の初めから海面生け簀を用いたエゾアワビ(참전복)の養殖が始まり、短期間で韓国を代表する生産地として急成長した。一般に莞島産のアワビ(전복)と言った場合は、養殖のエゾアワビを指す。莞島郡はコンブ(다시마)や、ワカメ(미역)の名産地でもあり、春から夏にかけてはコンブ、秋から春まではワカメをエゾアワビの飼料として育てる。1個のエゾアワビが7~80gまで育つのに、30kgのコンブ、ワカメを必要とするため、莞島郡が養殖で成功した一因として、コンブ、ワカメが豊富であったことがあげられる。
  • 莞島アワビ通り
莞島邑の「海辺公園路124番キル(해변공원로 124번길)」一帯は、「莞島アワビ通り(완도전복거리)」と呼ばれ、水産協同組合、魚市場、アワビを自慢とする海鮮料理の専門店などが集まっている。
  • 日本での輸入
日本では、2000年代の初めから莞島産のエゾアワビを輸入している。日本の財務省貿易統計によれば、2022年に輸入した韓国産活アワビは約2020トンにのぼり、輸入量全体(約2081トン)の97.1%を占める。輸入されるすべてが莞島産ではないが、莞島郡での生産量は全体の7割を超えているため、多くは莞島産だと考えられる。

海藻類

コンブ(다시마)や、ワカメ(미역)は、エゾアワビの飼料としてだけでなく、乾物としての販売も盛んである。ほかにも、海苔()、青海苔(파래김)、ヒジキ()、ツルアラメ(곰피)、オゴノリ(꼬시래기)、マフノリ(세모가시리)などの海藻が特産品として知られる。

代表的な酒類・飲料

飲食店情報

エピソード

脚注

  1. 주민등록 인구 및 세대현황 、行政安全部ウェブサイト、2023年5月4日閲覧
  2. 수산물 생산량 및 판매금액(전라남도완도군기본통계) 、KOSIS(国家統計ポータル)、2023年5月4日閲覧
  3. 어업별 품종별 통계(어업생산동향조사) 、KOSIS(国家統計ポータル)、2023年5月4日閲覧

外部リンク

関連サイト
制作者関連サイト

関連項目