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コングクス(콩국수)は、豆乳麺。
概要
コン(콩)は大豆、グクス(국수)は麺の意。前もって水に浸しておいた大豆を茹でて、ミキサーにかけ、液状になったものを冷やしてスープとし、茹でた麺を加えて作る。麺は小麦麺を多く用いるが、飲食店によってはそば麺、中華麺などを使うこともある。専門店では生地から自家製麺を作り、家庭では市販のカルグクス(韓国式の手打ちうどん/칼국수)や素麺などを使うことが多い。味付けは少量の塩のみで薄味に仕上げて大豆の甘味を活かし、食べる人が好みで塩を足す。南西部の全羅道(チョルラド、전라도)では砂糖を入れて甘い味付けにするとの地域差がある。具には千切りのキュウリ、トマト、茹で卵などが載ることが多い。夏の季節料理として人気が高く、町中の飲食店ではシーズンになると「コングクス開始(콩국수 개시)」の貼り紙を出す。家庭料理として作られるほか、食堂、粉食店、カフェなどでは夏季の期間限定メニューとして提供される。専門店の場合も提供は夏季のみで、シーズンオフには別の料理を提供することが多い。類似の料理としては、同様のスープにトコロテンを入れたコンクッ(トコロテン入りの豆スープ/콩국)がある。
- コムンコングクス
歴史
コングクスがいつ頃から食べられてきたかの史料は乏しく、確認できる中では、19世紀末に書かれた料理書『是議全書(시의전서)』がもっとも古いとされる。一部、情報として1680年頃に書かれた『要録(요록)』に見える「太麺(태면)」をルーツとしてあげる例も見られるが、大豆粉とそば粉を混ぜて生地を作った麺を醤油味のスープに入れるもので[1]、調理法からも別物と考えられる。
文献上の記録
- 『是議全書』(19世紀末)の記述
- 19世紀末に書かれた料理書『是議全書(시의전서)』(原著者不詳)には、ミルグクス(小麦麺、밀국수)の派生レシピとして大豆の汁に混ぜて食べる調理法が紹介されている。「水に浸した大豆を茹でてざるで濾して塩で味を調える。ここに小麦麺を入れるが、具はケックッ(ゴマ汁麺、깻국)と同様に載せる」【原文1】(カッコ内は訳注)とあり、具については直前のケックッもミルグクスと同じとしているため、ミルグクスについて書かれた「千切りにして炒めたキュウリとカボチャ(未熟果)、錦糸卵、細切りにしたキクラゲ、糸唐辛子を具として載せる」【原文2】(カッコ内は訳注)の部分を参照する必要がある[2]。
- 【原文1】「콩국은 콩을 담가 불리고 삶아서 가는 체에 밭치고, 소금을 타서 간을 맞춘다. 여기에 밀국수를 마는데, 웃기는 깻국과 같이 하여 얹는다.」
- 【原文2】「위에는 외와 호박을 채쳐 볶은 것과 얇게 부친 달걀, 그리고 석이와 고추를모두 채쳐서 얹는다.」
脚注
- ↑ 콩국수(태면) 요록(要錄) 저자미상/1680년경 、LampCook(K-Food Archive)、2025年4月21日閲覧
- ↑ 이효지 외(엮음), 2004,『시의전서』, 신광출판사, P222
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)