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チョゲタン(초계탕)は、鶏の冷製スープ。チョ(초)は漢字で「醋」と書いて酢のこと。ゲ(계)は漢字で「鶏」。タン(탕)は漢字で「湯」と書いては鍋料理、スープの意。鶏肉を酸味のある冷たいスープで味わう料理を指す。チョゲタンの「ゲ」をカラシの方言とする説もあるが、国立国語院ではそれを否定している[1]。鶏を茹でたダシ汁に酢、カラシ、砂糖、醤油、すりゴマなどを加えてスープを作り、茹でて裂いた鶏肉や、キュウリなどの生野菜を入れて味わう。本来は冷たいスープ料理ではあるが、近年は麺を入れて味わうことが多く、ネンミョン(冷麺/냉면)用のそば麺や、小麦麺、素麺などが用いられる。夏に食べる季節料理であり、一部のネンミョン専門店や、サムゲタン(ひな鶏のスープ/삼계탕)で提供されることが多い。近年は料理としての知名度が向上し、焼肉店や、麺料理店などで夏の限定メニューとして出されることもままある。かつての宮中料理であり、また現在の北朝鮮に位置する平安道(ピョンアンド、평안도)地方の郷土料理でもある。
- チョゲタンの歴史
- 17世紀末から18世紀初めにかけて洪萬選(1643~1715年)が編纂した『山林経済(산림경제)』には、チョンゲタン(葱鶏湯、총계탕)という料理の作り方が記録されており、これがチョゲタンのルーツになったとされる。その製法は現在のチョゲタンとはだいぶ異っており、以下のように記述されている。「よく太った雌鶏の毛を抜いてきれいに洗い、ネギ7本のひげ根と葉先を切り、白い部分だけを残して用いる。鉢に3~4杯の水を釜に注ぎ、ネギの白い部分と鶏を一緒に入れる。よい酢とよい醤油、ゴマ油を杯に1杯ずつ(ゴマ油は少し少なめでもよい)加える。強火や弱火で煮込み、鶏から骨が外れるぐらいになったら卵6~7個をスープに溶いて食べる。その味はとてもよい」(原文1)。
- 【原文1】肥雌鷄去毛治浄 用蔥七束 切去鬚葉 只用蔥白 以水三四椀許下鼎中 以蔥白與鷄 同納鼎水中 又以好醋清醬香油各一鐘子〔香油少减許〕灌於鼎中 用文武火爛煮 至於鷄骨可以拔出 然后以鷄卵六七介 和於汁中而食之 則其味甚佳矣[2]
- 日本での定着
- エバラ食品は2013年2月21日に、夏向けの家庭用おかずスープとして「冷製チョゲタン風」を発売した[3]。
- よく似た名前の料理
- 日本語では混同されやすい、チョゲタン(アサリスープ/조개탕)とはハングルのスペルが異なる。
脚注
外部リンク
- 制作者関連サイト
- 韓食生活(韓食ペディアの執筆者である八田靖史の公式サイト)
- 八田靖史プロフィール(八田靖史のプロフィール)