利川市の料理

提供: 韓食ペディア
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利川市(イチョンシ、이천시)は京畿道に位置する地域。本ページでは利川市の料理、特産品について解説する。

外岩民俗村

地域概要

利川市は京畿道の南部に位置し、同じ京畿道の安城市、龍仁市、広州市、驪州市、忠清北道の陰城郡と接する。人口は21万0585人(2015年5月)[1]。韓国を代表する陶磁器の生産地であり、市内には窯元やショップなどの集まる陶芸村がある。温泉地としても知られているほか、朝鮮時代からの米どころとしても有名。朝鮮時代には宮中への献上米を生産していたことから、利川米は今でもブランドとして全国に名を轟かせている。ソウル(東ソウルバスターミナル)から利川市外バスターミナルまでは市外バスで約1時間20分の距離。

食文化の背景

牙山市の北部は牙山湾に面し、かつては汽水域でとれるウナギ(장어)をはじめ多くの海産物が名産であった。ところが1970年代になって牙山湾防潮堤、挿橋川防潮堤などが相次いで建設されたことで、それまで海だった場所は人造湖へと変貌を遂げた。現在は仁州面傑梅里などにわずかな海が残るのみとなっており、漁業人口は激減している。一方で、ウナギ料理の専門店は仁州(インジュ、인주)地区にまだ多く、現在は養殖物が主となってはいるが、仁州ウナギ(인주장어)の名前で地元の名物になっている。また、一部店舗では数少ないながら天然物のウナギも扱う。そのほか市内の塩峙(ヨムチ、염치)地区には牛焼肉の専門店が集っており、松岳面駅村里の外岩民俗村(외암민속촌)では自家製の味噌や酒などを販売するとともに、入口付近の飲食店ではキビ餅(수수부꾸미)が名物となっている。

代表的な料理

牙山市の料理には国内有数の温泉地としての姿が密接にかかわっている。他地域から大勢の観光客が訪れるためウナギ焼きや牛焼肉といった高級料理が発達した。

イチョンサルバプ(利川米の釜飯定食/이천쌀밥)

  • 仁州チャンオ
牙山市の仁州地区にはウナギ焼きの専門店が集まっている。韓国観光公社が配布する『韓国の味紀行』という冊子(WEBでも閲覧可)ではその始まりを以下のように紹介している。
「1973年に牙山湾の防潮堤が建設され牙山湾は塞がれ湖になりましたが、1977年には観光地として開発されることになり、観光客のための飲食店が立ち並び始めました。牙山湾の防潮堤と挿橋川の防潮堤の間の仁州面にうなぎの蒲焼きの食堂ができたのは、その直後の1980年代からだと言われています。昔ならではのノウハウを生かした韓方ソースを考案し、観光客の口コミで牙山湾のうなぎの蒲焼きが全国的に知られるようになりました。初めは数軒だったお店も徐々に増え、現在ではうなぎの蒲焼き村が形成されています。」[2]
  • 老舗のチャンオグイ
また、牙山市得山洞には1936年創業の老舗チャンオグイ店「恋春」がある(老舗 恋春(연춘)参照)。

代表的な特産品

牙山市では農業、畜産業が盛んで、一部の特産品ではブランド化も進められている。

利川米(이천쌀)

米は牙山市の特産品であり「牙山マルグンサル(아산맑은쌀)」というブランド米を流通させている。マルグンサルとは澄んだ米、清浄な米という意味である。

ロバ肉(당나귀고기)

温陽温泉伝統市場内にある道後温泉硫黄豚の販売店
硫黄泉で有名な道後温泉地区では、硫黄を飼料に加えて育てた豚を特産品として育成している。市内の精肉店で販売されるほか、飲食店でも提供されている。

代表的な酒類・飲料

牙山蓮葉酒(아산연엽주)

忠清南道牙山市松岳面外岩里の李家に伝わるハスの葉を加えた民俗酒。もち米とうるち米を混ぜて原料とした醸造酒で、忠清南道の無形文化財第11号に指定される[3]

牙山市のマッコリ

特産品の牙山マルグンサルを利用したマッコリなどが流通しており、オナ濁酒共同製造場(온아탁주공동제조장)、陰峰醸造場(음봉양조장)、タウォン酒家(다원주가)といった酒造会社がマッコリを造っている。

老舗

恋春のチャンオグイ(右)とタックイ
  • 恋春(연춘)
牙山市得山洞に位置するウナギ料理店の「恋春」は1936年創業である。牙山市においてはもっとも古い飲食店であり、また韓国内でもウナギ料理の専門店としてもっとも古い。1926年に造られた人造湖の神井湖畔に位置し、日本統治時代に建てられた家屋をそのまま残している。店主によれば「温泉地である牙山には創業当時、日本人が休養地としてよく訪れており、日本人に向けた高級料理としてウナギを出すようになった。当時は近くに光興楼という楼閣があったため、『光興楼観光食堂』という名前を掲げ、ウナギ料理と韓定食を扱った。後に『迎春』と名前を変え、また現在は『恋春』としている。春を迎える、春に恋するというのは、もともとウナギのオフシーズンである9月末から3月は営業をせず、春を待って営業を始めたことに由来する」(八田靖史の取材記録より、2014年12月17日)。現在もメニューにはチャンオグイ(ウナギ焼き、장어구이)を筆頭に掲げ、ウナギと同じタレで焼いたタックイ(鶏肉焼き、닭구이)も他店ではあまり見ない名物として親しまれる。
店名:恋春(연춘)
住所:忠清南道牙山市神井湖キル67(得山洞15-3)
住所:충청남도 아산시 신정호길 67(득산동 15-3)
電話:041-545-2866

飲食店情報

以下は韓食ペディアの執筆者である八田靖史が実際に訪れた店を列挙している。

  • ナグィダングィ(나귀당귀)
住所:京畿道利川市徐熙路7-19(中里洞450-3)
住所:경기도 이천시 서희로 7-19(중리동 450-3)
電話:031-771-9250
料理:ロバ料理
  • 蟾津江硫黄オリ(섬진강유황오리)
住所:京畿道利川市利涉大川路1131(中里洞59-4)
住所:경기도 이천시 이섭대천로 1131(중리동 59-4)
電話:031-638-1073
料理:アヒル料理
  • クァンチョンスンドゥブ(관촌순두부)
住所:京畿道利川市京忠大路2934(沙音洞192-1)
住所:경기도 이천시 경충대로 2934(사음동 192-1)
電話:031-635-6561
料理:スンドゥブチゲ
  • シンガルミチュオタンセンソングクス(신갈미추어탕생선국수)
住所:京畿道利川市暮加面サシル路1063番キル36(薪葛里143-2)
住所:경기도 이천시 모가면 사실로1063번길 36(신갈리 143-2)
電話:031-634-0453
料理:チュオタン、センソングクス

エピソード

  • 韓食ペディアの執筆者である八田靖史は2014年11月に初めて牙山市を訪れた。以後、2014年12月、2015年2月の計3度訪問している。
  • 2014年12月に八田靖史が牙山市観光課を訪れた際、担当者にチョクタン(牛足のスープ、족탕)の店を尋ねたつもりが、同音異義語である足湯のパンフレットを出され、慌てて訂正したことがある。

脚注

  1. 주민등록인구 、利川市ウェブサイト、2015年6月25日閲覧
  2. 忠清南道味紀行 、韓国観光公社ウェブサイト、2015年6月25日閲覧
  3. 1300년 아산연엽주 、文化財庁ウェブサイト、2015年6月24日閲覧

外部リンク

関連項目