29,573
回編集
(→飲食店情報) |
(→地域) |
||
(同じ利用者による、間の7版が非表示) | |||
12行目: | 12行目: | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
− | チャジャンミョンは、韓国式ジャージャー麺。チュンジャン(春醤、[[춘장]])という黒味噌に豚肉や野菜を加えて炒め、水溶き片栗粉でとろみをつけたものを中華麺にかけて作る。19世紀後半に中国の山東省から伝わったとされるが、定着の過程でローカライズされ、中国のものや、あるいは日本の盛岡で郷土料理となった「じゃじゃ麺」などとも異なる独自の料理として発展している。韓国式の主な特徴としては、韓国で独自に開発されたチュンジャン(春醤、[[춘장]])の使用や、豚肉とともにタマネギ、ジャガイモ、キャベツ、ニンジンなどの野菜を具として加えること、水溶き片栗粉を加えて全体にとろみをつけること、などがあげられる。1960~80年代には外食の代名詞的な存在となり、その後も現在に至るまで老若男女に愛されることから国民食([[국민음식]])とも表現される。中華料理店を代表する看板メニューとして親しまれるほか、手軽な一品料理として粉食店([[분식점]])やフードコートでも提供される。インスタント麺としても多くの商品が販売されている。調理法や具の違いによってたくさんのバリエーションがあり、[[カンチャジャン(とろみ抜きジャージャー麺/간짜장)]]、サムソンチャジャンミョン(海鮮ジャージャー麺、[[삼선짜장면]])、ユニチャジャンミョン(豚ひき肉ジャージャー麺、[[유니짜장면]])、ユスルチャジャンミョン(豚細切り肉ジャージャー麺、[[유슬짜장면]] | + | チャジャンミョンは、韓国式ジャージャー麺。チュンジャン(春醤、[[춘장]])という黒味噌に豚肉や野菜を加えて炒め、水溶き片栗粉でとろみをつけたものを中華麺にかけて作る。19世紀後半に中国の山東省から伝わったとされるが、定着の過程でローカライズされ、中国のものや、あるいは日本の盛岡で郷土料理となった「じゃじゃ麺」などとも異なる独自の料理として発展している。韓国式の主な特徴としては、韓国で独自に開発されたチュンジャン(春醤、[[춘장]])の使用や、豚肉とともにタマネギ、ジャガイモ、キャベツ、ニンジンなどの野菜を具として加えること、水溶き片栗粉を加えて全体にとろみをつけること、などがあげられる。1960~80年代には外食の代名詞的な存在となり、その後も現在に至るまで老若男女に愛されることから国民食([[국민음식]])とも表現される。中華料理店を代表する看板メニューとして親しまれるほか、手軽な一品料理として粉食店([[분식점]])やフードコートでも提供される。インスタント麺としても多くの商品が販売されている。調理法や具の違いによってたくさんのバリエーションがあり、[[カンチャジャン(とろみ抜きジャージャー麺/간짜장)]]、サムソンチャジャンミョン(海鮮ジャージャー麺、[[삼선짜장면]])、ユニチャジャンミョン(豚ひき肉ジャージャー麺、[[유니짜장면]])、ユスルチャジャンミョン(豚細切り肉ジャージャー麺、[[유슬짜장면]])などがある(本項目「[[チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)#種類|種類]]」参照)。また、チャジャンを麺ではなくごはんにかけたものは[[チャジャンパプ(ジャージャーごはん/짜장밥)]]と呼ぶ。 |
=== チュンジャン(春醤) === | === チュンジャン(春醤) === | ||
70行目: | 70行目: | ||
*チュンジャンの発売(1948年) | *チュンジャンの発売(1948年) | ||
− | : | + | :1948年に「龍華醤油(용화장유)」(現、龍華食品株式会社)が、チュンジャン(春醤、춘장)を発売した(本項目「[[チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)#チュンジャン(春醤)|概要/チュンジャン(春醤)]]」参照)。 |
*剰余農産物協定の締結(1955年) | *剰余農産物協定の締結(1955年) | ||
79行目: | 79行目: | ||
=== 1970~80年代 === | === 1970~80年代 === | ||
− | 1970~80年代は経済が急速に成長し、外食が身近になっていく時代であった。チャジャンミョンは外食の代名詞的な存在となり、子どもの誕生日や卒業式など特別な日に食べる定番のメニューとして根付いていった。1960年代からの混粉食奨励運動は、1963年に初の国産商品が発売された[[ラミョン(ラーメン/라면)]] | + | 1970~80年代は経済が急速に成長し、外食が身近になっていく時代であった。チャジャンミョンは外食の代名詞的な存在となり、子どもの誕生日や卒業式など特別な日に食べる定番のメニューとして根付いていった。1960年代からの混粉食奨励運動は、1963年に初の国産商品が発売された[[ラミョン(ラーメン/라면)]](インスタント麺)が普及していく要因ともなったが、1970年にはチャジャンミョンも相次いで商品化された(本項目「[[チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)#インスタント麺|種類/インスタント麺]]」参照)。 |
=== 2000年代以降 === | === 2000年代以降 === | ||
122行目: | 122行目: | ||
== 日本における定着 == | == 日本における定着 == | ||
− | + | 東京では歌舞伎町にある1983年創業の「北京」や、同じく歌舞伎町の区役所通り沿いで1990年にオープンした「新宿飯店」(2000年に職安通りへ移転)が、チャジャンミョンを提供する韓国式中華料理店の古株として知られる。韓流の到来とともに、2005年頃から新大久保エリアに韓国式中華料理の専門店が増えていった。 | |
*香港飯店0410 | *香港飯店0410 | ||
139行目: | 139行目: | ||
== 地域 == | == 地域 == | ||
+ | [[ファイル:23102003.JPG|300px|thumb|[[慶尚南道の料理|慶尚南道]][[統営市の料理|統営市]]のウッチャ]] | ||
*仁川市 | *仁川市 | ||
:[[仁川市の料理|仁川市]]中区には韓国最大のチャイナタウンが広がり、チャジャンミョン発祥の地として地域の代表的な名物となっている。詳細は「[[仁川市の料理#チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)|仁川市の料理/代表的な料理]]」を参照。 | :[[仁川市の料理|仁川市]]中区には韓国最大のチャイナタウンが広がり、チャジャンミョン発祥の地として地域の代表的な名物となっている。詳細は「[[仁川市の料理#チャジャンミョン(韓国式ジャージャー麺/짜장면)|仁川市の料理/代表的な料理]]」を参照。 | ||
146行目: | 147行目: | ||
:[[全羅北道の料理|全羅北道]][[全州市の料理|全州市]]では、ムルチャジャン([[물짜장]])と呼ばれる中華麺に辛口の海鮮あんをかけたものが中華料理店の定番として親しまれる。とろみをつけてあんかけにした[[チャンポン(激辛スープの海鮮麺/짬뽕)]]のようでもある。 | :[[全羅北道の料理|全羅北道]][[全州市の料理|全州市]]では、ムルチャジャン([[물짜장]])と呼ばれる中華麺に辛口の海鮮あんをかけたものが中華料理店の定番として親しまれる。とろみをつけてあんかけにした[[チャンポン(激辛スープの海鮮麺/짬뽕)]]のようでもある。 | ||
*全羅南道木浦市 | *全羅南道木浦市 | ||
− | :[[全羅南道の料理|全羅南道]][[木浦市の料理|木浦市]]では、薄くてぴらぴらとした食感の麺を特徴とする[[カンチャジャン(とろみ抜きジャージャー麺/간짜장)]]が、チュンカン([[중깐]] | + | [[ファイル:23102407.JPG|thumb|300px|[[全羅南道の料理|全羅南道]][[木浦市の料理|木浦市]]のチュンカン]] |
+ | :[[全羅南道の料理|全羅南道]][[木浦市の料理|木浦市]]では、薄くてぴらぴらとした食感の麺を特徴とする[[カンチャジャン(とろみ抜きジャージャー麺/간짜장)]]が、チュンカン([[중깐]])の名で定着している。名称のチュンカンは、「チュン」グッチプ(中華料理店、[[중국집]])」の「カン」チャジャン、または元祖店の旧屋号である「中華食堂(チュンファシクタン、중화식당)」のカンチャジャンを略したもの。麺が細くて薄いのは、ひと通りの中華料理を食べた後に軽めのシメとして提供したのが理由とされる。 | ||
*済州道 | *済州道 | ||
:[[済州道の料理|済州道]]に属する離島の馬羅島(マラド、마라도)は、島の魚介を利用したチャジャンミョンが名物となっている。詳細は「[[済州道の料理#済州道のB級グルメ|済州道の料理/済州道のB級グルメ]]」を参照。 | :[[済州道の料理|済州道]]に属する離島の馬羅島(マラド、마라도)は、島の魚介を利用したチャジャンミョンが名物となっている。詳細は「[[済州道の料理#済州道のB級グルメ|済州道の料理/済州道のB級グルメ]]」を参照。 | ||
158行目: | 160行目: | ||
:住所:서울시 중구 퇴계로18길 5(남산동2가 6-1) | :住所:서울시 중구 퇴계로18길 5(남산동2가 6-1) | ||
:電話:02-754-8002 | :電話:02-754-8002 | ||
− | :料理:チャジャンミョン、 | + | :料理:チャジャンミョン、[[:Category:中国料理の一覧|中華料理]]全般 |
*弘大迎賓楼(홍대영빈루) | *弘大迎賓楼(홍대영빈루) | ||
197行目: | 199行目: | ||
:住所:경상남도 통영시 새터길 42-7(서호동 177-417) | :住所:경상남도 통영시 새터길 42-7(서호동 177-417) | ||
:電話:055-644-9867 | :電話:055-644-9867 | ||
− | : | + | :料理:ウッチャ(うどんジャージャー麺、[[우짜]]) |
*ノーベル飯店(노벨반점) | *ノーベル飯店(노벨반점) |