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== 代表的な料理 ==
 
== 代表的な料理 ==
[[ファイル:18070804.JPG|300px|ヘムルトゥッペギ]]
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[[ファイル:18070804.JPG|thumb|300px|ヘムルトゥッペギ]]
 
済州道の料理は、たいへん多彩かつ他地域と比べても独特である。本稿では魚介、肉、野菜など素材ごとに大別し、それぞれの代表的な調理法など特徴を紹介する。
 
済州道の料理は、たいへん多彩かつ他地域と比べても独特である。本稿では魚介、肉、野菜など素材ごとに大別し、それぞれの代表的な調理法など特徴を紹介する。
  
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;フェ(刺身/회)
 
;フェ(刺身/회)
[[ファイル:18070805.jpg|300px|コガルフェ]]
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[[ファイル:18070805.jpg|thumb|300px|コガルフェ]]
 
:フェ([[회]])は、刺身(「[[センソンフェ(刺身/생선회)]]」の項目も参照)。島嶼地域である済州道では、一般に鮮度落ちの早いサバや、タチウオを刺身で味わえるほか、クエ([[다금바리]])、キジハタ([[붉바리]])、マハタ([[구문쟁이]], [[능성어]])ブリ([[방어]])、サワラ([[삼치]])、アジ([[각재기]])、ヤリイカ、アワビ、サザエ、ウニ、ナマコ([[해삼]])など、多様な種類の魚介を刺身として味うことができる。なお、サバとタチウオは両者の頭文字を取って、コガルフェ(サバとタチウオの刺身、[[고갈회]])という名前で盛り合わせにすることも多い。食べ方は一般的な[[センソンフェ(刺身/생선회)|センソンフェ]]と同様だが、ブリの刺身をキムチで巻いて食べる、サワラの刺身を海苔で包んで食べる、といった個性的な食べ方もある。
 
:フェ([[회]])は、刺身(「[[センソンフェ(刺身/생선회)]]」の項目も参照)。島嶼地域である済州道では、一般に鮮度落ちの早いサバや、タチウオを刺身で味わえるほか、クエ([[다금바리]])、キジハタ([[붉바리]])、マハタ([[구문쟁이]], [[능성어]])ブリ([[방어]])、サワラ([[삼치]])、アジ([[각재기]])、ヤリイカ、アワビ、サザエ、ウニ、ナマコ([[해삼]])など、多様な種類の魚介を刺身として味うことができる。なお、サバとタチウオは両者の頭文字を取って、コガルフェ(サバとタチウオの刺身、[[고갈회]])という名前で盛り合わせにすることも多い。食べ方は一般的な[[センソンフェ(刺身/생선회)|センソンフェ]]と同様だが、ブリの刺身をキムチで巻いて食べる、サワラの刺身を海苔で包んで食べる、といった個性的な食べ方もある。
  
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;チョリム(煮付け/조림)
 
;チョリム(煮付け/조림)
[[ファイル:18070806.JPG|300px|ケクチュリジョリム]]
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[[ファイル:18070806.JPG|thumb|300px|ケクチュリジョリム]]
 
:チョリム([[조림]])は、煮付けの総称。ぶつ切り、あるいは丸ごとの魚を、大根、長ネギなどと煮付けて作る。味付けには醤油、砂糖、粉唐辛子、ニンニク、ショウガなどを用いてピリ辛に仕上げる。また、済州道ならではの伝統的な調理法として大豆を一緒に煮込むこともある。使用される魚は青魚、白身魚を中心に多岐に渡る。代表的なものに[[コドゥンオジョリム(サバの煮付け/고등어조림)]]、[[カルチジョリム(タチウオの煮付け/갈치조림)]]があり、これらは他地域でも一般的な料理ではあるが、サバ、タチウオとも済州道の特産品であり鮮度の違いが高く評価される。済州道の方言でケクチュリ([[객주리]])と呼ばれるカワハギ(ウマヅラハギを指すことも多い)や、メル([[멜]])と呼ばれるカタクチイワシのチョリムも郷土料理として人気が高い。それぞれケクチュリジョリム(カワハギ、またはウマヅラハギの煮付け、[[객주리조림]])、メルジョリム(カタクチイワシの煮付け、[[멜조림]])と呼ばれる。
 
:チョリム([[조림]])は、煮付けの総称。ぶつ切り、あるいは丸ごとの魚を、大根、長ネギなどと煮付けて作る。味付けには醤油、砂糖、粉唐辛子、ニンニク、ショウガなどを用いてピリ辛に仕上げる。また、済州道ならではの伝統的な調理法として大豆を一緒に煮込むこともある。使用される魚は青魚、白身魚を中心に多岐に渡る。代表的なものに[[コドゥンオジョリム(サバの煮付け/고등어조림)]]、[[カルチジョリム(タチウオの煮付け/갈치조림)]]があり、これらは他地域でも一般的な料理ではあるが、サバ、タチウオとも済州道の特産品であり鮮度の違いが高く評価される。済州道の方言でケクチュリ([[객주리]])と呼ばれるカワハギ(ウマヅラハギを指すことも多い)や、メル([[멜]])と呼ばれるカタクチイワシのチョリムも郷土料理として人気が高い。それぞれケクチュリジョリム(カワハギ、またはウマヅラハギの煮付け、[[객주리조림]])、メルジョリム(カタクチイワシの煮付け、[[멜조림]])と呼ばれる。
  
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;キムパプ
 
;キムパプ
[[ファイル:18070807.JPG|300px|チョンボクキムパプ]]
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[[ファイル:18070807.JPG|thumb|300px|チョンボクキムパプ]]
 
:キムパプ(김밥)は、海苔巻き(「[[キムパプ(海苔巻き/김밥)]])」の項目も参照)。アワビ、ミナミアカザエビ、サンマなどを使った個性的なキムパプが近年話題となっている。チョンボクキムパプ(전복김밥)と呼ばれるアワビのキムパプは、アワビの肝を混ぜたごはんでつるんとした食感の卵焼きを巻き込んだもので、「済州キムマンボク(제주김만복)」という店が開発して話題となった。タクセウキムパプ(딱새우김밥)と呼ばれる、ミナミアカザエビのキムパプは、エビカツを中に入れた海苔巻きで、「セウリ(새우리)」という店の商品である。サンマを使ったコンチキムパプ(꽁치김밥)は、[[西帰浦市の料理|西帰浦市]]にある西帰浦毎日オルレ市場(ソグィポ メイル オルレシジャン、서귀포 매일 올레시장)の名物で、サンマの焼き魚を丸ごと巻き込んだものである。
 
:キムパプ(김밥)は、海苔巻き(「[[キムパプ(海苔巻き/김밥)]])」の項目も参照)。アワビ、ミナミアカザエビ、サンマなどを使った個性的なキムパプが近年話題となっている。チョンボクキムパプ(전복김밥)と呼ばれるアワビのキムパプは、アワビの肝を混ぜたごはんでつるんとした食感の卵焼きを巻き込んだもので、「済州キムマンボク(제주김만복)」という店が開発して話題となった。タクセウキムパプ(딱새우김밥)と呼ばれる、ミナミアカザエビのキムパプは、エビカツを中に入れた海苔巻きで、「セウリ(새우리)」という店の商品である。サンマを使ったコンチキムパプ(꽁치김밥)は、[[西帰浦市の料理|西帰浦市]]にある西帰浦毎日オルレ市場(ソグィポ メイル オルレシジャン、서귀포 매일 올레시장)の名物で、サンマの焼き魚を丸ごと巻き込んだものである。
  
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=== 豚肉料理 ===
 
=== 豚肉料理 ===
[[ファイル:18070808.JPG|300px|民俗村で飼育されている黒豚]]
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[[ファイル:18070808.JPG|thumb|300px|民俗村で飼育されている黒豚]]
 
済州道では古くから家庭で豚を飼育し、祝い事があったときなどハレの日に屠畜して豚肉料理を作り、家族や親戚が集まって食べるとともに、近所の人などにも配る習慣があった。各部位を余すことなく用いるため、部位ごとに多彩な調理法が発達している。
 
済州道では古くから家庭で豚を飼育し、祝い事があったときなどハレの日に屠畜して豚肉料理を作り、家族や親戚が集まって食べるとともに、近所の人などにも配る習慣があった。各部位を余すことなく用いるため、部位ごとに多彩な調理法が発達している。
  
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;フッテジグイ(黒豚焼き/흑돼지구이)
 
;フッテジグイ(黒豚焼き/흑돼지구이)
[[ファイル:18070809.JPG|300px|フッテジグイ(モクサル)]]
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[[ファイル:18070809.JPG|thumb|300px|フッテジグイ(モクサル)]]
 
:フッテジグイは黒豚の焼肉。[[オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)]]、[[モクサル(豚の肩ロース焼き/목살)]]、[[ハンジョンサル(豚トロの焼肉/항정살)]]といった各部位をそのまま塩焼きにすることがあれば、薄切りにした黒豚を[[テジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)]]として仕上げることもある。脂の乗った[[オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)]]がもっとも人気であるが、その理由として皮付きであれば黒い毛を視認できるため、安価な白豚を黒豚と偽って提供される心配がないとの理由もあった。また、済州産の黒豚の皮部分にはそれを証明するスタンプが押されており、その部分をわざわざ見せるようにして提供する店も多い(食べても害はない)。近年は黒豚の生産量も増え、皮のない部位を提供する店も増えてきている。
 
:フッテジグイは黒豚の焼肉。[[オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)]]、[[モクサル(豚の肩ロース焼き/목살)]]、[[ハンジョンサル(豚トロの焼肉/항정살)]]といった各部位をそのまま塩焼きにすることがあれば、薄切りにした黒豚を[[テジプルコギ(豚肉の味付け焼肉/돼지불고기)]]として仕上げることもある。脂の乗った[[オギョプサル(皮付き豚バラ肉の焼肉/오겹살)]]がもっとも人気であるが、その理由として皮付きであれば黒い毛を視認できるため、安価な白豚を黒豚と偽って提供される心配がないとの理由もあった。また、済州産の黒豚の皮部分にはそれを証明するスタンプが押されており、その部分をわざわざ見せるようにして提供する店も多い(食べても害はない)。近年は黒豚の生産量も増え、皮のない部位を提供する店も増えてきている。
  
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;トムベゴギ(済州島式の茹で豚/돔베고기)  
 
;トムベゴギ(済州島式の茹で豚/돔베고기)  
[[ファイル:18070810.JPG|300px|トムベゴギ]]
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[[ファイル:18070810.JPG|thumb|300px|トムベゴギ]]
 
:トムベゴギは、済州島式の茹で豚。トムベ([[돔베]])は済州島方言でまな板(標準語ではトマ、[[도마]])。ゴギ(=コギ、[[고기]])は肉。茹でた豚バラ肉を食べやすい大きさに切り、まな板ごと提供する料理を指す。茹でる際には味噌を加えてくさみを取る。茹で上がった豚肉はサンチュ、エゴマの葉、白菜などに包んで味噌を載せて味わうほか、塩辛につけても食べる。現地では家庭料理として作られるほか、郷土料理店、豚焼肉店などで提供される。
 
:トムベゴギは、済州島式の茹で豚。トムベ([[돔베]])は済州島方言でまな板(標準語ではトマ、[[도마]])。ゴギ(=コギ、[[고기]])は肉。茹でた豚バラ肉を食べやすい大きさに切り、まな板ごと提供する料理を指す。茹でる際には味噌を加えてくさみを取る。茹で上がった豚肉はサンチュ、エゴマの葉、白菜などに包んで味噌を載せて味わうほか、塩辛につけても食べる。現地では家庭料理として作られるほか、郷土料理店、豚焼肉店などで提供される。
  
 
;コギグクス(豚スープ麺/고기국수)
 
;コギグクス(豚スープ麺/고기국수)
[[ファイル:18070811.JPG|300px|コギグクス]]
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[[ファイル:18070811.JPG|thumb|300px|コギグクス]]
 
:コギグクス([[고기국수]])は、豚スープ麺。コギ([[고기]])は肉、グクス(=ククス、[[국수]])は麺を表す。豚骨、豚肉を煮込んだ濃厚なスープに、中太の小麦麺を入れて作る。具にはスライスした茹で豚のほか、ニンジン、長ネギ、海苔などを加え、好みでタデギ(唐辛子ペースト、[[다대기]])を入れて辛味を足すこともある。道内には数多くの専門店が営業しており、中でも店舗の密集した済州市一徒2洞(제주시 일도2동)一帯は、2009年に「ククス文化通り(국수문화거리)」として指定された。コギグクスの専門店では、煮干しダシに素麺を入れたミョルチグクス([[멸치국수]])や、ミョルチグクスのスープにコギグクスの具を載せたミョルゴグクス([[멸고국수]])といったメニューも提供する。
 
:コギグクス([[고기국수]])は、豚スープ麺。コギ([[고기]])は肉、グクス(=ククス、[[국수]])は麺を表す。豚骨、豚肉を煮込んだ濃厚なスープに、中太の小麦麺を入れて作る。具にはスライスした茹で豚のほか、ニンジン、長ネギ、海苔などを加え、好みでタデギ(唐辛子ペースト、[[다대기]])を入れて辛味を足すこともある。道内には数多くの専門店が営業しており、中でも店舗の密集した済州市一徒2洞(제주시 일도2동)一帯は、2009年に「ククス文化通り(국수문화거리)」として指定された。コギグクスの専門店では、煮干しダシに素麺を入れたミョルチグクス([[멸치국수]])や、ミョルチグクスのスープにコギグクスの具を載せたミョルゴグクス([[멸고국수]])といったメニューも提供する。
  
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;コサリユッケジャン(豚とワラビのスープ/고사리육개장)
 
;コサリユッケジャン(豚とワラビのスープ/고사리육개장)
[[ファイル:18070812.jpg|300px|コサリユッケジャン]]  
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[[ファイル:18070812.jpg|thumb|300px|コサリユッケジャン]]  
 
:コサリユッケジャン([[고사리육개장]])は、豚肉とワラビのスープ。コサリ([[고사리]])はワラビ、ユッケジャンは本来牛肉の辛いスープを指すが、済州道においては豚肉とワラビのスープを指してユッケジャンと呼んでいる(「[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)]]」の項目も参照)。豚骨、豚肉を煮込んだスープに、下煮をして細く裂いた豚肉、下茹でをして繊維をほぐしたワラビを加え、醤油、塩、ニンニクなどで味を調えて作る。仕上げにはそば粉を加えてとろみをつける。名称は[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|ユッケジャン]]だが、粉唐辛子や唐辛子油を入れることはない。道内の郷土料理店、スープ料理店などで提供される。
 
:コサリユッケジャン([[고사리육개장]])は、豚肉とワラビのスープ。コサリ([[고사리]])はワラビ、ユッケジャンは本来牛肉の辛いスープを指すが、済州道においては豚肉とワラビのスープを指してユッケジャンと呼んでいる(「[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)]]」の項目も参照)。豚骨、豚肉を煮込んだスープに、下煮をして細く裂いた豚肉、下茹でをして繊維をほぐしたワラビを加え、醤油、塩、ニンニクなどで味を調えて作る。仕上げにはそば粉を加えてとろみをつける。名称は[[ユッケジャン(牛肉の辛いスープ/육개장)|ユッケジャン]]だが、粉唐辛子や唐辛子油を入れることはない。道内の郷土料理店、スープ料理店などで提供される。
  
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==== 牛肉料理 ====
 
==== 牛肉料理 ====
[[ファイル:18070813.JPG|300px|済州黒牛の焼肉(トゥンシム)]]  
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[[ファイル:18070813.JPG|thumb|300px|済州黒牛の焼肉(トゥンシム)]]  
 
韓牛([[한우]])と呼ばれる韓国の固有種は、黄牛([[황소]])、褐牛([[칡소]])、黒牛([[흑소]])の3種類に分かれる。現在の韓国で生産される韓牛はそのほとんどが黄牛だが、済州道では希少な土着の固有種として黒牛を飼育している。
 
韓牛([[한우]])と呼ばれる韓国の固有種は、黄牛([[황소]])、褐牛([[칡소]])、黒牛([[흑소]])の3種類に分かれる。現在の韓国で生産される韓牛はそのほとんどが黄牛だが、済州道では希少な土着の固有種として黒牛を飼育している。
  
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==== 馬肉料理 ====
 
==== 馬肉料理 ====
[[ファイル:18070814.jpg|300px|馬肉料理のコース]]
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[[ファイル:18070814.jpg|thumb|300px|馬肉料理のコース]]
 
韓国では一般的に馬肉を食べる習慣がなく、済州道でのみ日常的な食材として親しまれている。その背景として、高麗時代の13世紀に元の支配を受けた際、済州道に牧場が設けられたことがあげられる。1276年に160頭の馬が元から持ち込まれたことがきっかけとなり、本格的な馬の飼育が始まった<ref name="horse">[http://www.heritage.go.kr/heri/cul/culSelectDetail.do?pageNo=5_2_1_0&ccbaCpno=1363903470000 천연기념물 제347호 제주의제주마 (濟州의濟州馬)] 、文化財庁国家文化遺産ポータル、2018年3月25日閲覧</ref>。済州道の馬は済州馬([[제주마]])、またはチョランマル([[조랑말]])と呼ばれ、1986年2月8日に国の天然記念物第347号に指定された<ref name="horse"></ref>。
 
韓国では一般的に馬肉を食べる習慣がなく、済州道でのみ日常的な食材として親しまれている。その背景として、高麗時代の13世紀に元の支配を受けた際、済州道に牧場が設けられたことがあげられる。1276年に160頭の馬が元から持ち込まれたことがきっかけとなり、本格的な馬の飼育が始まった<ref name="horse">[http://www.heritage.go.kr/heri/cul/culSelectDetail.do?pageNo=5_2_1_0&ccbaCpno=1363903470000 천연기념물 제347호 제주의제주마 (濟州의濟州馬)] 、文化財庁国家文化遺産ポータル、2018年3月25日閲覧</ref>。済州道の馬は済州馬([[제주마]])、またはチョランマル([[조랑말]])と呼ばれ、1986年2月8日に国の天然記念物第347号に指定された<ref name="horse"></ref>。
  
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==== 鶏肉料理 ====
 
==== 鶏肉料理 ====
[[ファイル:18070815.JPG|300px|タッペクスク]]
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[[ファイル:18070815.JPG|thumb|300px|タッペクスク]]
 
済州道の鶏肉料理は[[済州市の料理|済州市]]の朝天邑橋来里(チョチョヌプ キョレリ、조천읍 교래리)地区に専門店の集まる地鶏([[토종닭]])のタッペクスクシャブシャブが有名である。
 
済州道の鶏肉料理は[[済州市の料理|済州市]]の朝天邑橋来里(チョチョヌプ キョレリ、조천읍 교래리)地区に専門店の集まる地鶏([[토종닭]])のタッペクスクシャブシャブが有名である。
  
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==== キジ肉料理 ====
 
==== キジ肉料理 ====
[[ファイル:18070816.JPG|300px|クォンメミルグクス]]
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[[ファイル:18070816.JPG|thumb|300px|クォンメミルグクス]]
 
済州道ではキジ肉を使った郷土料理が数多くある。かつては野生のキジが多かったが、現在は飼育したキジを食用としている。
 
済州道ではキジ肉を使った郷土料理が数多くある。かつては野生のキジが多かったが、現在は飼育したキジを食用としている。
  
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=== 餅・菓子・甘味 ===
 
=== 餅・菓子・甘味 ===
[[ファイル:18070817.JPG|300px|東門市場のピントク屋台]]
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[[ファイル:18070817.JPG|thumb|300px|東門市場のピントク屋台]]
 
済州道の環境は稲作に不向きであり、粟(あわ)やそば、小麦などを用いた餅が発達し、これらが祭祀料理としても用いられた。また、済州道は韓国内でも有数の観光地であることから、ご当地を象徴するお土産品が発達し、特産品であるミカンやデコポン、サボテンの実などを用いたチョコレート、クッキーなどの菓子類が多く作られている。近年はケーキやアイスクリーム、カキ氷といったSNS映えするスイーツの充実も目覚ましい。
 
済州道の環境は稲作に不向きであり、粟(あわ)やそば、小麦などを用いた餅が発達し、これらが祭祀料理としても用いられた。また、済州道は韓国内でも有数の観光地であることから、ご当地を象徴するお土産品が発達し、特産品であるミカンやデコポン、サボテンの実などを用いたチョコレート、クッキーなどの菓子類が多く作られている。近年はケーキやアイスクリーム、カキ氷といったSNS映えするスイーツの充実も目覚ましい。
 
;オメギトク(粟餅/오메기떡)
 
;オメギトク(粟餅/오메기떡)
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=== 済州道のB級グルメ ===
 
=== 済州道のB級グルメ ===
[[ファイル:18070818.JPG|300px|モダッチギ]]
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[[ファイル:18070818.JPG|thumb|300px|モダッチギ]]
 
地域ごとに発達した独特のB級グルメがあり、観光客からの人気も高い。
 
地域ごとに発達した独特のB級グルメがあり、観光客からの人気も高い。
 
;モダッチギ(屋台料理盛り合わせ/모닥치기)
 
;モダッチギ(屋台料理盛り合わせ/모닥치기)
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== 代表的な特産品 ==
 
== 代表的な特産品 ==
[[ファイル:18070819.jpg|300px|アワビをふんだんに加えた海鮮鍋]]
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[[ファイル:18070819.jpg|thumb|300px|アワビをふんだんに加えた海鮮鍋]]
 
1776年に編纂された『貢膳定例(공선정례)』は各地方から宮中へと送られた進上品の規定であり、これを見ると済州道ではアワビ、ミカン、シイタケなどが分担されている<ref name="awabi">한복진, 2005, 『조선시대 궁중의 진상식품』, 서울대학교출판부, P105</ref>。これらは現在においても済州道の特産品であり、その当時から地域を代表する食材であったことがわかる。
 
1776年に編纂された『貢膳定例(공선정례)』は各地方から宮中へと送られた進上品の規定であり、これを見ると済州道ではアワビ、ミカン、シイタケなどが分担されている<ref name="awabi">한복진, 2005, 『조선시대 궁중의 진상식품』, 서울대학교출판부, P105</ref>。これらは現在においても済州道の特産品であり、その当時から地域を代表する食材であったことがわかる。
  
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=== 柑橘類 ===
 
=== 柑橘類 ===
[[ファイル:18070820.JPG|300px|天恵香]]
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[[ファイル:18070820.JPG|thumb|300px|天恵香]]
 
済州道はミカン([[귤]])、デコポン([[한라봉]])といった柑橘類の名産地である。主に南部の[[西帰浦市の料理|西帰浦市]]で栽培されており、道内の市場やスーパーマーケットなどで広く販売される。柑橘類を用いた菓子や飲料も多く、これも済州道の名物として知られる。
 
済州道はミカン([[귤]])、デコポン([[한라봉]])といった柑橘類の名産地である。主に南部の[[西帰浦市の料理|西帰浦市]]で栽培されており、道内の市場やスーパーマーケットなどで広く販売される。柑橘類を用いた菓子や飲料も多く、これも済州道の名物として知られる。
  
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== 代表的な酒類・飲料 ==
 
== 代表的な酒類・飲料 ==
[[ファイル:18070821.JPG|300px|スーパーに並ぶ済州マッコリ(下段)]]
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[[ファイル:18070821.JPG|thumb|300px|スーパーに並ぶ済州マッコリ(下段)]]
 
済州道の主要島である済州島は火山島であり、地下から汲み上げた火山岩盤水が名産になっている。これを利用して、ミネラルウォーター、マッコリ、焼酎、地ビールなどが生産されており、いずれも済州道を代表する酒類、飲料として人気が高い。また、済州道は稲作に不向きであることから雑穀の利用が発達し、もち粟(あわ)を利用した伝統酒も造られている。
 
済州道の主要島である済州島は火山島であり、地下から汲み上げた火山岩盤水が名産になっている。これを利用して、ミネラルウォーター、マッコリ、焼酎、地ビールなどが生産されており、いずれも済州道を代表する酒類、飲料として人気が高い。また、済州道は稲作に不向きであることから雑穀の利用が発達し、もち粟(あわ)を利用した伝統酒も造られている。
  
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=== ビール ===
 
=== ビール ===
[[ファイル:18070822.JPG|300px|JEJU WIT ALE]]
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[[ファイル:18070822.JPG|thumb|300px|JEJU WIT ALE]]
 
済州道の岩盤水やミカンといった特産品を利用した地ビール造りが行われている。
 
済州道の岩盤水やミカンといった特産品を利用した地ビール造りが行われている。
 
;JESPI
 
;JESPI
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